新闻正文
デンカアステック株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:後藤一之)は、東京都調布市の戸建て住宅において、2026年7月のリフォームを機に雨水タンク「PURE EDEN(ピュアエデン)」が設置され、トイレの洗浄水として日常的に利用が始まったことをお知らせします。
これまでPURE EDENは、商業施設や能登半島の宿泊用トレーラーハウスなどで活用されてきましたが、PURE EDENのトイレ用途として、戸建て住宅のリフォームで設置されたのは今回が初めてです。※1普段、何気なく水道水で流している家庭のトイレ。その水を、屋根に降った雨水でまかなう暮らしが始まっています。
今回導入したのは、東京都調布市に住む小川さん。2026年7月の住宅リフォームを機にPURE EDENを設置し、貯留した雨水を日常的にトイレの洗浄水として利用しています。
小川邸のトイレ用雨水タンク
東京都水道局の2021年度調査では、家庭で使用する水の約20%をトイレが占めています。※2 こうした用途に雨水を利用することは、水道水の使用量を減らすだけでなく、貯めた雨水を利用することで雨水タンクに空き容量を生み出し、その後に降る雨を雨水タンクが受け止めることにもつながります。受け止めることができると、下水に雨水が直接流れず内水氾濫の抑制にも繋がります。取り組みが広がれば、地域全体としての雨水流出抑制にも役立つ可能性があります。
■その土地に降った雨を、その土地で使う。
11月10日の「トイレの日」を前に、個人住宅で始まった新しい雨水利用の実例と、暮らしの中から取り組む雨水流出抑制の可能性を紹介します。
※1 デンカアステック調べ(2026年11月時点)。PURE EDENのトイレ用途における戸建て住宅リフォームでの設置事例として。
※2 出典:東京都水道局「令和3年度一般家庭水使用目的別実態調査」(同局「環境報告書2023」p47掲載)。
東京都の調査値であり、現在の全国平均値や本導入住宅の実績・節水率を示すものではありません。
■個人住宅で始まった、雨水をトイレに使う暮らし
小川さんは、環境専門紙「環境新聞」の記者として、長年、雨水の流出抑制に関する取り組みを取材してきました。その過程で、雨水は貯めるだけでなく、日常的に使うことが重要だと考えるようになりました。
従来の家庭用雨水タンクではトイレへの利用が難しいと感じていた小川さんは、PURE EDENを知り、自宅のリフォームを機に導入。2026年7月から使い始め、特に不便は感じておらず、限られたスペースへの設置性やデザインも評価しています。
小川邸の雨水トイレ
<導入者・小川さんのコメント>
「環境問題を取材する中で、以前から大雨による雨水の流出抑制や、貯めた雨水の活用について関心を持っていました。ただ、従来の雨水タンクは庭への散水などが中心で、一般家庭のトイレで日常的に利用するには難しい面がありました。
今回、PURE EDENならトイレにも雨水を利用できると知り、自宅のリフォームに合わせて設置しました。実際に使ってみても特に不便はなく、限られたスペースに設置でき、見た目も良いと感じています。
これまで、水を大切に使うというと、できるだけ水道水の使用量を減らす『節水』が中心だったと思います。もちろん節水も大切ですが、私は、そもそも使う水を見直すという考え方も必要ではないかと思っています。
トイレなど、必ずしも水道水でなくてもよい用途には、その土地に降った雨を活用する。災害時だけでなく、普段から雨水を使うことで、貯めた雨水を有効活用しながら、次の雨を受け止める余地も生まれます。
一軒一軒では小さな取り組みでも、こうした家庭や施設が地域全体に広がれば、水資源の有効活用だけでなく、雨水が一度に下水道や河川へ流れ込むことを抑え、地域の浸水リスクを軽減することにもつながるのではないでしょうか。
そのためにも、住宅メーカーやリフォーム会社には、雨水利用を住まいづくりの選択肢の一つとして紹介してほしいと思います。節水に加えて、雨水を日常的に使うことも、これからの住まいやまちづくりの当たり前の選択肢になってほしいですね。」
■「雨水を貯める」から「雨水を使う」へ――地域の雨水流出抑制にも
都市部では、短時間に大量の雨が降ることで下水道や排水施設の能力を超え、道路や住宅地などが浸水する「内水氾濫」が課題となっています。
雨水タンクには、降った雨を一時的に貯め、雨水が一度に流れ出すのを抑える役割があります。しかし、タンクが満水のままでは、新たな雨を受け止めることはできません。
■ そこで重要になるのが、貯めた雨水を日常的に使うことです。
例えば、トイレの洗浄水として雨水を利用すれば、使った分だけPURE EDENに空き容量が生まれます。その状態で次の雨が降れば、新たな雨水を受け止めることができます。
一軒の住宅で貯留できる雨水の量には限りがあります。しかし、こうした仕組みが多くの住宅や施設に広がれば、地域全体で雨水を一時的に貯留し、排水施設などへの流出を抑えることにつながります。一台あたりの量は小さくても、世の中に広がれば話は変わってきます。PURE EDENは常に50Lを確保したうえで最大100Lまで雨水を貯めるため、1台あたり最大約50Lの「次の雨を受け止める空き容量」が生まれます。仮に1万世帯に広がれば地域全体で最大約500㎥、10万世帯なら約5,000㎥と、25mプール約13杯分※3の雨を各家庭で受け止められる計算になります。一軒一軒の暮らしの選択が積み重なることで、まち全体の「雨の受け皿」になり得るのです。
PURE EDENは、雨水を単に「貯めておく水」としてではなく、日常生活の中で使う水として活用するという選択肢を提案します。
※3 1台あたりの空き容量を最大50L、25mプールを長さ25m×幅12.5m×水深1.2m(約375㎥)として試算。実際に受け止められる雨量は、降雨前の貯水状況や利用頻度、設置条件などによって異なります。
※雨水流出の抑制効果は、降雨量、降雨前の貯水状況、利用頻度、地域の排水環境などによって異なります。
本導入事例における効果を実測・検証したものではなく、内水氾濫の防止を保証するものではありません。
<雨水を日常的に使い、次の雨を受け止める余地をつくる>
雨水トイレのメカニズム
■ 海外では、水道水での散水を法令で制限する国も
欧州では、渇水時に水道水での散水を法令で制限する国があります。英国では水道法に基づき、深刻な水不足の際にホースでの庭の散水などが禁止されていますが、雨水など水道水以外の水は対象外です。アイルランドでも2026年夏、全国で散水を禁じる節水命令が出されました。ベルギー・フランデレン地域では、新築時などに雨水タンクの設置を義務づけ、貯めた雨水をトイレ洗浄などに再利用するよう定めています。※4 用途に応じて水を使い分ける考え方が、制度として広がりつつあります。
※4 英国 Water Industry Act 1991 第76条(legislation.gov.uk)、The London Gazette(South West Water告示)、Uisce Éireann(water.ie)、フランデレン政府「Hemelwaterverordening van 2023」
■ 平常時から使う「フェーズフリー」の考え方
2016年の熊本地震で被災し、仮設住宅で暮らす世帯を対象とした調査では、発災後6時間以内にトイレに行きたくなった人が73%にのぼりました。水洗トイレについては、53%が「断水のため水を汲んで流した」と回答。避難初期に困ったこととして「トイレ」を挙げた人は62%で、「眠れる環境」に次ぐ2番目でした。※5 災害時に、トイレを流す水をどう確保するかは切実な課題です。
※5 岡山朋子(大正大学)、協力:特定非営利活動法人日本トイレ研究所「平成28年熊本地震『避難生活におけるトイレに関するアンケート』結果報告」(2018年4月)。調査期間2016年11〜12月、災害仮設住宅に居住する世帯対象、有効回答数234。
災害時だけのために備えるのではなく、平常時から雨水を使い、その延長線上で災害時の水の確保にも役立てる。PURE EDENは、日常時と非常時を分けずに活用する「フェーズフリー」の考え方に基づく製品です。タンク内には常に50Lの水が確保されているため、災害などで断水した際にも、タンク内の水をトイレの洗浄などに活用できます。こうした「いつも」と「もしも」の両方で役立つ点が評価され、PURE EDENは2026年、一般社団法人フェーズフリー協会が主催する「フェーズフリーアワード2026」事業部門で入選し、最終審査を経て「PHASEFREE AWARD Bronze」を受賞しました。
■ 雨水タンク「PURE EDEN」の特徴と仕組み
PURE EDENは、福井工業大学・笠井利浩教授との共同開発によって生まれた、
トイレ洗浄用・散水用の雨水タンクです。2024年度グッドデザイン賞を受賞しています。
【100Lの雨水を貯留】
最大100Lの雨水を貯め、トイレ洗浄や散水などに利用できます。
【限られた敷地にも設置しやすい壁面設置型】
スリムな壁面設置型で、ベランダなどのスペースを利用します。
【雨水が不足した場合は水道水を補給】
タンク内の雨水が不足すると、水道水をタンク内に補給します。
タンク内は常に50Lの水量をキープ。50Lを下回ると水道から自動で給水されるため、
雨の少ない時期でもトイレを支障なく使えます。
【適切な設置条件では無電力で給水】
タンクとトイレの高低差を利用して、電力を使わずに給水できます。
【水質維持に配慮した水循環機能】
一定以上の水位になると排水することで、タンク内の水を入れ替え、水質を維持します。
※設置には、建物の構造や配管経路などの条件確認が必要です。
トイレ用雨水タンクPURE EDENPURE EDENの水循環
PURE EDENの給水方式
PURE EDENの給水メカニズム
製品情報:https://www.denka-astec.co.jp/lp/pure_eden/
■ 関連する雨水利用事例(住宅、施設、離島)
① コノジナガヤ(福井県福井市)
商業施設で雨水を貯留・浄化し、シェアキッチンやトイレ洗浄などに利用している事例です。
② 能登半島の宿泊用トレーラーハウス(石川県穴水町)
復興に携わる職人の宿泊施設でPURE EDENを利用し、トイレ洗浄水として雨水を利用しています。
③ 五島列島・赤島の雨水利用プロジェクト(長崎県)
笠井教授が関わる雨水利用の研究・実証事例です。水道のない離島で、雨水を生活用水として利用する取り組みが進められています。
※①と③は雨水利用の関連事例であり、PURE EDENの導入実績を示すものではありません。
■ 報道関係者の皆様へ――実際の導入住宅での撮影・取材が可能です
東京都調布市の導入住宅では、実際に雨水を使ってトイレを流す様子の撮影が可能です。雨水タンクの設置状況や、日常生活での利用方法などもご紹介できます。また、導入者である小川さんへのインタビューに加え、PURE EDENの仕組みや施工方法についてはデンカアステックの技術担当者が、雨水利用の研究背景や社会的意義については共同開発者である福井工業大学・笠井利浩教授が取材に対応いたします。
<主な取材・撮影内容>
・個人住宅での雨水によるトイレ洗浄の実演撮影
・PURE EDENの設置状況や給水の仕組みの撮影
・導入者・小川さんへのインタビュー(個別調整)
・デンカアステック技術担当者へのインタビュー
・福井工業大学・笠井利浩教授へのインタビュー
・関連する雨水利用事例の資料提供・取材相談
※現地取材の日程・撮影範囲、小川さんへのインタビューおよび顔出し撮影、関連事例への取材については、関係者と個別に調整いたします。
■ デンカアステック株式会社 会社概要
社 名:デンカアステック株式会社
設 立 年:2021年4月1日(デンカ株式会社より分社化)
資 本 金:5000万円(デンカ株式会社100%子会社)
代 表 者:代表取締役社長 後藤一之
本 社:東京都港区芝公園2−4−1 芝パークビルB館 12階
電話番号:03-5473-7770(代表)
W E B:https://www.denka-astec.co.jp/