新闻正文
事業を通して社会課題解決に取り組む、株式会社LIFULL(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:伊東祐司、東証プライム:2120、以下LIFULL)は、生成AIなどを活用して自ら業務の改善・自動化を主導する、エンジニアではない業務現場の人材「シチズンデベロッパー(市民開発者、以下CD)」の育成に取り組んでいます。
このたび、2026年3月25日の発表(※1)で掲げた「2026年度内にCD100名体制を構築」の目標を、2026年9月17日に達成しました。
2026年9月30日時点の認定者は132名にのぼり、経営層向けの研修回からも、代表取締役社長の伊東祐司を含む19名が認定を取得しました。2026年9月末までに、123件の業務改善策が稼働を始めています。
取り組みの背景:AIを導入するだけでなく、現場で使いこなす人材を育てる
LIFULLは、2025年11月に策定した中期経営計画で「グループシナジーを最大化し、住領域×AIでNo.1に」をテーマに掲げ、成長の柱の一つに「AI活用・最適化による非連続成長」をあげています(※2)。あわせて、社内オペレーション業務の効率を引き上げ、一人当たり利益を向上させていくことを目指しています(※1)。その鍵を握るのは、AIで業務を変えられる人材を各部署に配置することです。
業務改善の余地が特に大きいのは、営業やバックオフィスなど、エンジニアがいない部署です。しかし、業務改善の需要はエンジニアの供給を恒常的に上回っており、エンジニアだけでは手が回りません。業務に精通した現場の社員が自ら生成AIを活用できれば、課題の解決を主導し、この制約を越えることができます。そこでLIFULLは、エンジニアではない社員を「変革の担い手」として育てる基盤づくりを進めています。
2026年2月には、全社の生成AI活用度を測る指標「LIFULL AI Compass(LAIC)」と、CDの認定制度・育成プログラム「CD BOOST CAMP」の本格運用を開始し、「2026年度内にCD100名体制を構築」という目標を打ち出しました。
※1 LIFULL、生成AI人材指標「LAIC」を開発。組織全体で、生産性向上のみならず事業成果創出までを目指す
https://lifull.com/news/47945/
※2 株式会社LIFULL 中期経営計画(2026年9月期~2028年9月期)
https://lifull.com/ir/business/mid-term/
概要:CD100名育成目標の達成に向けた取り組み
CDの認定は、研修の修了ではなく、実務で成果を出したことを要件としています。
- 業務を分解し、不要な作業をなくす実務型の育成。
CD BOOST CAMPでは、LAICで把握した活用度をもとに、全8回毎週1時間の講義で次の順で育成します。
ツールに慣れる(2回)
業務を分解し、不要な作業をなくす(3回)
自分の業務に実装・計測・成果発表(3回)
課題に取り組みながら、ツール操作に加えて人とAIの役割分担、出力の確認、効果測定までを学び、改善の工夫を互いに共有します。最後は成果発表とレポート審査を経て認定に至ります。
受講後アンケートでは、回答者85名全員が「満足」以上と回答しました。一般社員向けの全回で、回答者の7〜9割が不要な作業をやめる・変える設計の講義を「最も役立った」に挙げています。AIの利用を目的にせず、業務のあるべき姿から使いどころを考える。そうした意識の変化を語る声も多く聞かれました。
- 経営層向けの研修回も実施。代表取締役社長も自らAIで業務を見直す。
経営層向けの研修回は、取締役・執行役員・部長級を対象に実施しました。代表取締役社長の伊東祐司を含む19名の経営層が認定を取得しています。
一般社員向けの回とレベルは変えず、一人ひとりが自らの業務を題材に改善策を企画・実装し、成果を発表し合いました。役職を越えて同じ視座で取り組む一体感も、高い評価を得ています。今後のさらなる取り組みとしてとしては、自身の業務をAI前提で作り直すことや、管掌組織での推進を仕組み化することを挙げる声が目立ちました。
- 9月末までで132名を認定。22職種に広がる。
認定の対象は、LIFULLおよび一部グループ会社です。
認定者:
132名(CD BOOST CAMPを通じた認定125名、先行実施の受講者7名)
※うち経営層向けの研修回の認定者:19名(代表取締役社長を含む)
職種の広がり:
22職種(CD BOOST CAMPを通じた認定者125名の集計)
CD BOOST CAMPの開催状況:
これまで5回(一般社員向け4回、経営層向け1回)開催し、138名が受講、134名が修了(修了率97.1%)
- 取り組みの成果
早速、管理部門・現場・経営の各領域で、CDが主体となる業務改善策が稼働しております。
2026年9月末までに稼働を始めた業務改善策は123件で、うち63件がCD BOOST CAMPの最終課題、60件が修了後の活動などから生まれたものです。
123件の削減時間を、稼働した翌月から2026年9月末まで積み上げると、3,000時間を超えます(いずれも本人申告の工数に基づく概算)。改善事例の一例は次のとおりです。
管理部門:承認業務の確認・コメント作成をAIが下支えし、担当者は判断に集中
顧客対応:悪天候が見込まれる日に、来店予定のお客さまへオンライン相談への切り替えを自動で案内し、キャンセルを防ぐ
データ分析:やりたいことを伝えるとAIが最適な分析手法を提案し、結果の読み解きまで伴走するツールを作り、専門的な分析を誰でも行えるように
掲載情報更新:施設から日々届く大量のメールをAIが要約し、サイトに載せる紹介文の下書きまで作成
デザインチェック:デザインの仕様と開発画面の違いをAIが見つけ、修正箇所を示した画像と指摘文を自動で作成
社内ツールの安全確認:社員が作ったAI業務アプリケーションを、AIが一次チェックする仕組みを構築
【経営層】代表取締役社長:社外の方との面談前の情報収集・準備を、予定の登録をきっかけにAIが自動で行う仕組みを自ら構築
【経営層】経営判断:予算・戦術の検討資料に対し、AIが「この戦略の盲点は何か」「想定される反対意見は何か」を問いかけ、議論すべき論点を事前に洗い出す
【経営層】経営会議の運営:議案の受付から資料の仕分け、記載漏れや矛盾の確認までをAIが行い、事務局の手間を削減
今後の展望
LIFULLは今後もCD BOOST CAMPを継続し、新たなCDを育成してまいります。あわせて認定CDの高度化に取り組み、個人・チームの業務改善から、部門の業務変革や事業成果の創出へと活動を広げていきます。
現場と経営が自らAIで業務を変え、高めた生産性を事業成長へとつなげることで、「あらゆるLIFEを、FULLに。」の実現を加速してまいります。
株式会社LIFULL 代表取締役社長 伊東祐司のコメント
AI時代の到来を、私たちは社内の生産性を飛躍的に高め、事業の進化を加速させる最大のチャンスと捉えています。私自身も経営陣とともにCD BOOST CAMPを受講し、AIを活用して自らの日々の業務を徹底的に見直しました。
最大の学びとなったのは、ノンコア業務をそのままAI化しても、本質的な生産性は上がらないということです。まず既存のノンコア業務を見直し、不要な作業を削ぎ落とした上で残った業務をAIで効率化する。そこで生まれたコア業務の時間をさらなる事業成果につなげる。当たり前のことですが、自ら手を動かしたことで、この順序がいかに大切かを身をもって理解しました。
中期経営計画で掲げる「住領域×AIでNo.1」の実現に向けてAIファーストな組織づくりを力強く進めてまいります。
株式会社LIFULL 執行役員CAIO(Chief AI Officer)兼 AI業務支援プラットフォーム事業本部長 兼 テクノロジー本部長 長沢 翼のコメント
LIFULLはこれまで、全社で生成AIの活用を広げてきました。しかし、活用率が上がり時間を生み出せても、それだけで事業が変わるわけではありません。社内のAI活用は、『使う人を増やす』段階から『仕事の仕組みを変えられる人を増やす』段階へ進んでいます。だからこそCDの認定では、研修を受けたことではなく、実際に業務を変えたことを基準にしてきました。
その結果、9月末までに132名のCDが生まれ、123件の業務改善策が現場で動き始めています。業務を最もよく知る人が、現場の課題を現場の速度で解く。その手応えを得られたことは、大きな一歩です。経営陣も含めた多くの人材がCDとなっていき、我々自身はもちろん、今後の不動産業界のさらなる革進を実現してまいります。
株式会社LIFULLについて (https://lifull.com/)
LIFULLは「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げ、個人が抱える課題から、その先にある世の中の課題まで、安心と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通して解決していくことを目指すソーシャルエンタープライズです。現在はグループとして、不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」、シニアの暮らしに寄り添う「LIFULL 介護」、不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家(けんびや)」などの事業展開を行っています。