新闻正文
株式会社集英社は、創業100周年を記念し、中国現代文学のアンソロジーシリーズを刊行します。
主に1990年以降の約30年間に書かれた中短編から55篇を厳選、5つのテーマ『移動と漂流』『家族とくらし』『時間と記憶』『ジェンダーと多様な性』『風土と社会』で全5巻を構成しました。
ノーベル賞文学賞受賞の莫言、ノーベル賞文学賞候補の閻連科・残雪・余華から、フランス芸術文化勲章受章の王安億・畢飛宇、「新東北文学」を牽引する班宇・鄭執・双雪濤、中国最大読書サイトで国内フィクション部門年間1位となった『雪の如く山の如く』(集英社刊)の張天翼、中国SF四天王の韓松、ヒューゴー賞受賞SF作家の郝景芳など、ベテランから新鋭まで、いずれも実力と評価を兼ね備えた幅広い年代の作家たちの作品を収録。
主流のリアリズム小説から、ミステリー、SF、ナンセンス小説まで、実にさまざまな作品群です。
編集委員は、中国文学者の飯塚容氏と濱田麻矢氏、そして作家の綿矢りさ氏。
各巻には綿矢氏による読書案内のほか、飯塚氏あるいは濱田氏による詳細な解説も収録し、充実した内容となっています。第1回配本では特別に、中国近代文学の父とも呼ばれる魯迅の「孔乙己」(1919年)もセレクトに加え、綿矢りさ氏による訳でお届けします。
なお、公式サイトからは全作品のあらすじが掲載されたパンフレットのPDF版(16ページ)がダウンロードできます。
【公式サイト】
https://lp.shueisha.co.jp/cclg/
【収録作品】
『中国現代文学ギャラリー 移動と漂流』(2026年11月5日発売)
班宇「さすらい」、文珍「夜汽車」、鉄凝「小鄭」、朱山坡「従妹の隣に眠る男」、林那北「五鳳派出所はこの先にあり」、閻連科「忘れられた片腕」、徐則臣「モロッコ王子」、蒋一談「酒楼にて」、鍾求是「ワシリー」、残雪「最後の別れ」、王侃瑜「冬の庭園」、魯迅「孔乙己」
『中国現代文学ギャラリー 家族とくらし』(2026年12月4日発売予定)
畢飛宇「家族ごっこ」、陶麗群「母の島」、梁鴻「ロスト」、黄咏梅「おともだち」、郝景芳「二〇五〇年推し活事件」、裘山山「愛を求めて」、王彪「語り尽くせないこと」、張恵雯「雪は南部からやってくる」、双雪濤「わが友アンドレ」、莫言「お祖母さんの前歯」、黄蓓佳「プーリ再訪」、潘向黎「蘭亭恵」
『中国現代文学ギャラリー 時間と記憶』(2027年1月7日発売予定)
李鋭「伝説の死」、金仁順「小野先生」、楊顕恵「父」、韓少功「最高指導者の死」、史鉄生「二つの物語」、宋明煒「初雪」、朱文「食指――ひそやかな詩の旅」、蘇童「やけど」、余華「小心者」、范小青「顔認証」、韓松「わが祖国は夢を見ない」
『中国現代文学ギャラリー ジェンダーと多様な性』(2027年2月5日発売予定)
張天翼「珠玉の提言」、王小波「水のように柔らかく」、顧適「『2181序曲』再版に寄せて」、
孫頻「柳僧」、鄭執「霹靂」、胡遷「ひとすじの煙」、魯敏「鏡の中の姉妹たち」、王安憶「ブラザーズ」
『中国現代文学ギャラリー 風土と社会』(2027年3月5日発売予定)
楊知寒「藍橋飯店」、遅子建「老夫婦と愛馬」、張抗抗「何を以てか憂いを解かん」、馮驥才「市井の人々」、賈平凹「ハンター」、労馬「消えない噂」、陳応松「馬嘶嶺の殺人」、王占黒「空砲花火」、葛亮「不発弾処理」、阿来「少年詩篇」、ツェリン・ノルブ「老人と羊」、
索南才譲「ある牛との晩餐」
【第1回配本 書誌情報】
タイトル:
『中国現代文学ギャラリー 移動と漂流』
著者:閻連科ほか
訳者:飯塚容ほか
カバーアート:LILY NIGHT
ブックデザイン:川名潤
定価:3,300円(10%税込)
発売日:2026年11月5日(木)
判型:四六判ハードカバー
ページ数:400
ISBN:978-4-08-157022-5
集英社刊
【編集委員略歴】
飯塚容(いいづか・ゆとり)
1954年北海道生まれ。翻訳家・中央大学名誉教授。訳書に余華『活きる』、高行健『霊山』など。中国の書籍の翻訳出版や文化交流の分野での功績が称えられ、2011年に第五回中華図書特殊貢献賞を日本人で初めて受賞している。
濱田麻矢(はまだ・まや)
1969年兵庫県生まれ。神戸大学人文学研究科教授。中国語圏の現代文学を専門分野とし、なかでも性別表象に関心を持つ。著書に『少女中国 書かれた女学生と書く女学生の百年』、訳書に張愛玲『中国が愛を知ったころ 張愛玲短篇選』『半生の絆』など。
撮影/神ノ川智早
綿矢りさ(わたや・りさ)
1984年京都府生まれ。芥川賞作家。自身の北京滞在経験をもとに小説『パッキパキ北京』を刊行。北京や上海で日本文学について講演を行っており、現地の人々と交流している。