新闻正文
【結論】本調査のポイント
結論から言うと、コンタクトレンズの長期使用(10年以上)は眼瞼下垂のリスク因子の一つであり、特にハードコンタクト使用者は注意が必要です。眼瞼下垂は『黒目の中心までまぶたがかかる』『額にシワを寄せないと目が開きにくい』などのセルフチェックで早期発見が可能であり、視野障害や頭痛などの機能的問題がある場合は保険適用(3割負担で約2〜5万円)で手術を受けることができます。
・コンタクトレンズ10年以上使用者の67.3%が「まぶたの下がり」を自覚している
・目をこする習慣がある人の58.7%が眼瞼下垂の初期症状を経験
・眼瞼下垂の保険適用条件を正しく理解している人はわずか23.0%
用語解説
■ 眼瞼下垂(がんけんかすい)とは
眼瞼下垂とは、上まぶたが下がって瞳孔(黒目の中心部分)にかかり、視野が狭くなる状態である。先天性と後天性があり、後天性の原因としては加齢、コンタクトレンズの長期使用、目をこする習慣、外傷などが挙げられる。視野障害だけでなく、額の筋肉で目を開けようとすることによる頭痛や肩こりの原因にもなる。
■ 挙筋前転法(きょきんぜんてんほう)とは
挙筋前転法とは、眼瞼下垂の手術方法の一つで、伸びた挙筋腱膜を瞼板に再固定することでまぶたを持ち上げる術式である。保険適用の手術として広く行われており、局所麻酔下で片眼30〜60分程度で施行される。
■ MRD(Margin Reflex Distance)とは
MRDとは、瞳孔中心から上まぶたの縁までの距離を測定する眼瞼下垂の診断指標である。MRD-1が3.5mm未満の場合に眼瞼下垂と診断される。正常値は3.5〜5.0mmとされている。
眼瞼下垂手術の保険診療と自由診療の比較
比較項目
保険診療(挙筋前転法等)
自由診療(二重形成を含む場合)
適用条件
視野障害・機能的問題がある場合
美容目的を含む場合
費用目安(片眼)
約2〜2.5万円(3割負担)
約15〜40万円
費用目安(両眼)
約4〜5万円(3割負担)
約30〜80万円
手術時間
片眼30〜60分
片眼60〜90分
ダウンタイム
1〜2週間(腫れ・内出血)
2〜3週間
傷跡
二重ライン上(目立ちにくい)
二重ライン上
仕上がりの自由度
機能改善が優先
美的バランスも考慮可能
※一般的な目安であり、医療機関や症状の程度により異なります。保険適用の可否は医師の診断によります。
医療法人社団鉄結会が運営するアイシークリニック(新宿院・渋谷院・上野院・池袋院・東京院・大宮院)は、10月10日の「目の愛護デー」に先立ち、コンタクトレンズ使用経験者および目に関する悩みを持つ20〜60代の男女300名を対象に、眼瞼下垂(まぶたの下がり)に関する意識調査を実施しました。当院監修医師で皮膚外科・形成外科領域において15年以上の臨床経験を持つ髙桑康太が調査結果を解説し、セルフチェック方法から保険適用手術の条件まで詳しくお伝えします。
調査背景
10月10日は「10」を横にすると眉と目の形に見えることから「目の愛護デー」に制定されています。近年、コンタクトレンズの長期使用者やスマートフォンの普及による目の疲れから、眼瞼下垂の若年化が指摘されています。日本眼科学会によると、後天性眼瞼下垂の有病率は60代以上で約20%に達するとされていますが、コンタクトレンズ関連の眼瞼下垂は30〜40代から発症するケースも増加しています。「まぶたが重い」「目が開きにくい」という症状を加齢のせいと諦めている方も多い中、適切な治療により改善が期待できることを広く知っていただくため、本調査を実施しました。
調査概要
調査対象:コンタクトレンズ使用経験者(5年以上)または目の疲れ・まぶたの重さに悩みを持つ全国の20〜60代の男女
調査期間:2026年9月14日〜9月23日
調査方法:インターネット調査
調査対象人数:300名
調査結果
【調査結果】コンタクトレンズ10年以上使用者の67.3%がまぶたの下がりを自覚
設問:コンタクトレンズを使用し始めてから、「まぶたが下がった」または「目が開きにくくなった」と感じたことはありますか?
「明らかに感じる」「やや感じる」を合わせると67.3%に達し、約7割のコンタクトレンズ長期使用者がまぶたの下がりを自覚しています。特にハードコンタクト使用者では76.2%と、ソフトコンタクト使用者(61.8%)より高い傾向が見られました。コンタクトの着脱時にまぶたを引っ張る動作が、挙筋腱膜の弛緩に影響している可能性が示唆されます。
【調査結果】目をこする習慣がある人の58.7%が眼瞼下垂の初期症状を経験
設問:日常的に目をこする習慣がありますか?ある場合、以下の症状を経験したことはありますか?(複数回答可・最も当てはまるものを選択)
目をこする習慣がある回答者のうち、58.7%(「目が開きにくい・重い」31.3%+「額にシワが増えた」27.4%)が眼瞼下垂の初期症状を経験していました。目をこする行為は挙筋腱膜を物理的に伸ばすことにつながり、眼瞼下垂の原因となります。花粉症やアレルギー性結膜炎の方は特に注意が必要です。
【調査結果】眼瞼下垂の保険適用条件を正しく理解している人はわずか23.0%
設問:眼瞼下垂(まぶたの下がり)が保険適用で手術できることを知っていますか?
「条件も費用も詳しく知っている」と回答した人はわずか8.3%でした。48.3%が「自費のみだと思っていた」と回答しており、眼瞼下垂の保険適用に関する情報が十分に浸透していないことがわかります。視野障害などの機能的問題がある場合は保険適用となり、3割負担で約2〜5万円(両眼)で手術を受けられることをもっと周知する必要があります。
【調査結果】3項目以上該当する「眼瞼下垂の可能性が高い」人が34.7%
設問:以下の眼瞼下垂セルフチェック項目のうち、当てはまるものはいくつありますか?(1.黒目の上半分以上がまぶたで隠れる 2.額にシワを寄せないと目を開けられない 3.眠そう・疲れていると言われる 4.夕方になると目が開きにくい 5.慢性的な頭痛・肩こりがある)
3項目以上該当する「眼瞼下垂の可能性が高い」回答者が34.7%存在しました。特に「額にシワを寄せないと目を開けられない」「慢性的な頭痛・肩こりがある」の2項目は眼瞼下垂特有の代償症状であり、該当する方は眼科または形成外科の受診を検討することをお勧めします。
【調査結果】最重要視されるのは「保険適用の可否・費用」で42.3%
設問:眼瞼下垂の手術を検討する上で、最も重要視するポイントは何ですか?
「保険適用の可否・費用」が42.3%で最も多く、経済的な負担が手術を検討する上で最大の関心事となっています。次いで「ダウンタイムの短さ」23.7%が続き、仕事や日常生活への影響を懸念する声も多いことがわかります。保険適用であれば両眼で約4〜5万円(3割負担)で手術可能であることを知ることで、治療へのハードルが下がる可能性があります。
調査まとめ
今回の調査から、コンタクトレンズ長期使用者の約7割がまぶたの下がりを自覚しているにもかかわらず、眼瞼下垂の保険適用条件を正しく理解している人はわずか23.0%にとどまることが明らかになりました。また、セルフチェックで3項目以上該当する「眼瞼下垂の可能性が高い」人が34.7%存在し、適切な治療を受けることで症状改善が期待できる潜在的な患者層が相当数いることが示唆されました。目をこする習慣と眼瞼下垂症状の関連も58.7%と高い相関が見られ、アレルギー疾患などで目をこする習慣がある方への注意喚起が重要であることがわかりました。
医師コメント|アイシークリニック 髙桑康太医師
形成外科医として15年以上の臨床経験から申し上げると、眼瞼下垂は適切な診断と治療により大幅な改善が期待できる疾患であり、視野障害や慢性的な頭痛・肩こりに悩まれている方は、我慢せずに専門の医療機関を受診されることをお勧めします。
眼瞼下垂は、単に「まぶたが下がって見た目が老けて見える」という美容的な問題だけでなく、視野障害による日常生活の不便さ、額の筋肉を過度に使うことによる頭痛・肩こり・眼精疲労など、QOL(生活の質)を著しく低下させる機能的な問題を引き起こします。
今回の調査で特に注目すべきは、コンタクトレンズ長期使用者の67.3%がまぶたの下がりを自覚しているという結果です。ハードコンタクトレンズは着脱時にまぶたを上に引っ張る動作が必要なため、長年の使用により挙筋腱膜が徐々に伸びてしまうことがあります。これは「コンタクトレンズ性眼瞼下垂」と呼ばれ、40代以降の女性に多く見られます。
また、目をこする習慣がある方の58.7%が眼瞼下垂の初期症状を経験しているという結果も重要です。花粉症やアレルギー性結膜炎の方は、無意識に目をこする習慣がついていることが多く、これが眼瞼下垂の進行を早める原因となります。目がかゆい時は、こするのではなく冷やしたり、目薬を使用したりすることをお勧めします。
保険適用については、視野障害などの機能的な問題がある場合に適用となります。具体的には、MRD-1(瞳孔中心から上まぶたまでの距離)が3.5mm未満、または視野検査で上方視野障害が確認された場合などが基準となります。美容目的のみの場合は自費診療となりますが、機能改善が主目的であれば保険適用で両眼約4〜5万円(3割負担)で手術を受けることができます。
【エビデンス】日本形成外科学会のガイドラインでは、眼瞼下垂の診断基準としてMRD-1(瞳孔中心から上まぶた縁までの距離)3.5mm未満が用いられています。また、後天性眼瞼下垂の治療として挙筋前転法が推奨されており、手術の成功率は90%以上とされています。コンタクトレンズと眼瞼下垂の関連については、10年以上のハードコンタクト使用で眼瞼下垂のリスクが約5倍になるという報告もあります。
眼瞼下垂セルフチェック5項目
・黒目の上半分以上がまぶたで隠れている
・額にシワを寄せないと目を大きく開けられない
・「眠そう」「疲れている」とよく言われる
・夕方になると目が開きにくくなる
・原因不明の慢性的な頭痛・肩こりがある
保険適用手術の条件
・MRD-1が3.5mm未満(瞳孔中心からまぶた縁までの距離)
・視野検査で上方視野障害が確認できる
・日常生活に支障をきたす機能的な問題がある
・美容目的のみの場合は自費診療となる
眼瞼下垂の予防策
・コンタクトレンズの着脱時にまぶたを強く引っ張らない
・目をこする習慣を改善する(かゆい時は冷却・点眼)
・長時間のパソコン作業時は定期的に休憩を取る
・目の周りのマッサージは優しく行う
髙桑 康太(たかくわ こうた)医師
皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
・ミラドライ認定医
臨床実績(2024年時点、累計)
・皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上
・腋臭症治療:2,000件以上
・酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
略歴
・2009年 東京大学医学部医学科 卒業
・2009年 東京逓信病院 初期研修
・2012年 東京警察病院 皮膚科
・2012年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
・2019年 アイシークリニック 治療責任者
監修領域:皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
よくある質問(Q&A)
Q1. コンタクトレンズを長年使うとまぶたが下がるって本当ですか?
A. 本当です。特にハードコンタクトレンズの長期使用(10年以上)は眼瞼下垂のリスク因子として知られています。
今回の調査でも、コンタクトレンズ10年以上使用者の67.3%がまぶたの下がりを自覚していました。コンタクトの着脱時にまぶたを上に引っ張る動作を繰り返すことで、挙筋腱膜が徐々に伸びてしまい、眼瞼下垂を引き起こします。ハードコンタクト使用者は76.2%と特に高い割合でした。予防のためには、着脱時にまぶたを強く引っ張らないこと、可能であればソフトコンタクトへの変更を検討することが有効です。
Q2. 眼瞼下垂は自分でチェックできますか?
A. はい、5つのセルフチェック項目で簡易的な確認が可能です。3項目以上該当する場合は専門医療機関の受診をお勧めします。
セルフチェック項目は、(1)黒目の上半分以上がまぶたで隠れる (2)額にシワを寄せないと目を開けられない (3)眠そう・疲れていると言われる (4)夕方になると目が開きにくい (5)慢性的な頭痛・肩こりがある、の5つです。今回の調査では34.7%の方が3項目以上該当しており、潜在的な眼瞼下垂患者が多いことが示されました。鏡を見ながら力を抜いた状態で確認してみてください。
Q3. 眼瞼下垂の手術は保険適用されますか?費用はどのくらいですか?
A. 視野障害などの機能的問題がある場合は保険適用となり、3割負担で両眼約4〜5万円で手術可能です。
保険適用の条件は、MRD-1(瞳孔中心から上まぶた縁までの距離)が3.5mm未満、または視野検査で上方視野障害が確認された場合などです。今回の調査では、保険適用条件を正しく理解している人はわずか23.0%にとどまり、48.3%が「自費のみだと思っていた」と回答しています。美容目的のみの場合は自費診療(両眼30〜80万円程度)となりますが、機能改善が主目的であれば保険診療で治療できます。
Q4. 眼瞼下垂の手術後、仕事にはいつから復帰できますか?
A. 一般的には1週間程度で日常生活・デスクワークへの復帰が可能ですが、腫れや内出血は2週間程度続くことがあります。
今回の調査で「ダウンタイムの短さ」を重視すると回答した方は23.7%でした。手術後は1〜2週間程度、腫れや内出血が生じます。抜糸は術後5〜7日で行われることが多く、その後メイクで隠せる程度まで回復します。ただし、激しい運動や飲酒は2週間程度控えることが推奨されます。仕事の内容によっては、術後2〜3日で復帰される方もいらっしゃいます。
Q5. 目をこする癖があるのですが、眼瞼下垂になりやすいですか?
A. はい、目をこする習慣は眼瞼下垂の原因となります。今回の調査でも58.7%の方が初期症状を経験していました。
目をこする行為は、挙筋腱膜を物理的に引き伸ばすため、眼瞼下垂の発症・進行を早める原因となります。特に花粉症やアレルギー性結膜炎の方は無意識にこする習慣がついていることが多いです。目がかゆい時は、こするのではなく冷たいタオルで冷やす、アレルギー用の点眼薬を使用するなどの対処をお勧めします。お子様にもこの習慣を教えることが将来の予防につながります。
放置のリスク
・視野障害の進行により日常生活(特に上方視野)に支障をきたす
・額の筋肉を過度に使用することによる慢性的な頭痛・肩こり・眼精疲労
・眉毛が上がり額のシワが深くなるなど、見た目の老化が進む
・症状が進行すると手術の難易度が上がり、回復に時間がかかる場合がある
こんな方はご相談ください|受診の目安
・黒目の上半分以上がまぶたで隠れている
・額にシワを寄せないと目を大きく開けられない
・原因不明の慢性的な頭痛・肩こりが続いている
・「眠そう」「疲れている」と頻繁に言われる
・夕方になると特に目が開きにくく、視界が狭く感じる
クリニック案内
アイシークリニックの特徴
・皮膚外科・形成外科領域で15年以上の臨床経験を持つ医師が診察
・保険診療・自費診療どちらにも対応し、患者様に最適な治療法をご提案
・新宿・渋谷・上野・池袋・東京・大宮の6院で通院しやすい
・術前の丁寧なカウンセリングで不安や疑問にしっかりお答えします
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