新闻正文
環境省生物多様性センターは、令和4(2022)年度に自然環境保全基礎調査(以下「基礎調査」という。)の開始から50年目を迎えたことを機に、令和5(2023)年度から令和7(2025)年度にかけて、これまでの基礎調査の成果を基にして、他の自然環境・人文社会学的な調査データも用いつつ、総合的な解析(以下「総合解析」という。)を行いました。
このたび、総合解析により確認された自然環境の概況や変化を報告書としてとりまとめるとともに、概要版パンフレットを作成しました。なお、詳細な解析データは令和8(2026)年度中に公開する予定です。
第1部「日本の自然環境の現状と変化」では、動植物の分布及び生態系の特徴とこれらの変化について説明しています。
第2部「基礎調査データの自然環境施策への適用」では、政策決定者による活用を想定して、これまでの自然環境保全の取組や近年の施策に関するトピックなどについて、基礎調査のデータを用いて分析しています。
主な結果は以下のとおりです。詳細については、添付資料を御参照ください。
元普通種
元普通種(かつては広域に分布していたが、現在は絶滅が危惧される種)は、大規模な河川、湖沼、湿地、水田などがある平野部に多くの種が分布しています。
特定外来生物
特定外来生物に指定されている動物の分布は、過去30年間に全国で急速に拡大しました。また、地域別では、とりわけ関東地方で累積確認種数が多くなっています。
気候変動指標種
鳥類のミソサザイ、カワラヒワ、ヒヨドリなどは、越冬期の分布が北方に拡大しています。また、南方系のチョウであるナガサキアゲハの分布も、北方への拡大が見られます。
中大型哺乳類
シカ、イノシシ、クマ等の中大型哺乳類は、1970年代以降分布を拡大しており、なかでもシカは全国的に大幅に分布を広げています。
森林生態系、農地生態系、都市生態系
1990年代以前と2000年代以降の植生別の面積を比較したところ、森林は増加している一方、草地は減少が見られます。里地里山では、耕作地(水田、畑地)、マツ林、ススキ草地は減少している一方、竹林は増加しています。市街化区域では、森林及び耕作地が減少している一方、市街地が増加しています。
生息地の連続性
動物にとっての生息地の連続性について、1990年代以前と2000年代以降で比較したところ、森林については大きな変化はない一方、草原及び湿地では連続性の減少が見られます。また、耕作地が湿地や草原の代替の生息地として機能すれば、生息地の連続性の向上に貢献する可能性があることが示唆されました。
環境省生物多様性センターでは、自然環境保全基礎調査総合解析方針(令和5(2023)年3月決定)を踏まえ、令和5(2023)年度より、有識者からなる「自然環境保全基礎調査総合解析に係る検討会」を設置して、総合解析を実施してきました。
自然環境保全基礎調査総合解析方針(生物多様性センターウェブサイト)
日本全国の自然環境の現状と変化を把握することを目的とする、自然環境保全施策の推進に必要な基礎資料を整備するための調査。自然環境保全法第4条に基づき、環境省が昭和48(1973)年から実施している。
別添1 自然環境保全基礎調査総合解析の概要(スライド)
別添2 自然環境保全基礎調査総合解析 とりまとめ報告書 概要版
別添3-1 自然環境保全基礎調査総合解析 とりまとめ報告書 本編
別添3-2 自然環境保全基礎調査総合解析 とりまとめ報告書 巻末資料
連絡先
環境省自然環境局自然環境計画課 生物多様性センター