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令和8年度「都市景観大賞」各賞の選定 ~良好な都市景観を生み出す優れた地区や活動について表彰~

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TL;DR · 这代表什么

「都市景観の日」実行委員会は、より良い地域の景観形成を目指すための普及啓発の一環として、地域の活性化につながる取組の契機となるよう、平成3年度より、優れた都市景観を形成している地区や地域の景観に関する活動を都市景観大賞として表彰しています。

(摘自原文导言,非改写)

新闻正文

完整中文翻译制作中,以下为原文。

令和8年10月5日

「都市景観の日」実行委員会は、より良い地域の景観形成を目指すための普及啓発の一環として、地域の活性化につながる取組の契機となるよう、平成3年度より、優れた都市景観を形成している地区や地域の景観に関する活動を都市景観大賞として表彰しています。

今般、応募された地区等について、都市景観大賞審査委員会にて審査をした結果、都市空間部門で5地区(大賞1地区、ほか4地区)、景観まちづくり活動・学習部門で4活動(大賞1活動、ほか3活動)が選定されました。(詳細は別添参照)

【大賞(国土交通大臣賞)】

○都市空間部門

「長野県立美術館・長野市城山公園周辺地区」(長野県長野市)

善光寺と美術館エリアを一体的に整備

美術館とボーダレスで整備された城山公園

○景観まちづくり活動・学習部門

「住民有志の発意による100年後も語り継がれる風景づくり

ーbandpark 番所鼻自然公園リ・デザインー」(鹿児島県南九州市)

景観資源を取り込んだ

公園案内所兼カフェを整備

公設民営の観光拠点施設を整備し

収益の一部を公園管理費に還元

添付資料

報道発表資料 (PDF形式:1000KB)

お問い合わせ先

国土交通省都市局公園緑地・景観課 秋葉、吉田

TEL:03-5253-8111 (内線32982、32985) 直通 03-5253-8954

国土交通省住宅局市街地建築課 堀崎、浦住

TEL:03-5253-8111 (内線39602、39635) 直通 03-5253-8515

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添付資料1 令 和 8 年 10 月 5 日 都市局公園緑地・景観課 住宅局市街地建築課

令和8年度「都市景観大賞」各賞の選定 ~良好な都市景観を生み出す優れた地区や活動について表彰~ 「都市景観の日」実行委員会は、より良い地域の景観形成を目指すための普及啓発の一環として、地 域の活性化につながる取組の契機となるよう、平成3年度より、優れた都市景観を形成している地区 や地域の景観に関する活動を都市景観大賞として表彰しています。 今般、応募された地区等について、都市景観大賞審査委員会にて審査をした結果、都市空間部門で 5地区(大賞1地区、ほか4地区)、景観まちづくり活動・学習部門で4活動(大賞1活動、ほか3活 動)が選定されました。(詳細は別添参照) 【大賞(国土交通大臣賞)】 ○ 都市空間部門 「長野県立美術館・長野市城山公園周辺地区」(長野県長野市)

善光寺と美術館エリアを 美術館とボーダレスで 一体的に整備 整備された城山公園 ○ 景観まちづくり活動・学習部門 「住民有志の発意による100年後も語り継がれる風景づくり

  • bandpark 番所鼻自然公園リ・デザイン -」(鹿児島県南九州市)

景観資源を取り込んだ 公設民営の観光拠点施設を整備し 公園案内所兼カフェを整備 収益の一部を公園管理費に還元

【問い合わせ先】 都市局公園緑地・景観課 秋葉、吉田(内線 32982、32985) TEL:(代表)03-5253-8111、(直通)03-5253-8954 住宅局市街地建築課 堀崎、浦住(内線 39602、39635) TEL:(代表)03-5253-8111、(直通)03-5253-8515 別添

令和 8 年度

都市景観大賞

受賞概要

都市空間部門 景観まちづくり活動・学習部門

「都市景観の日」実行委員会 都市空間部門 受賞地区一覧 大賞 国土交通大臣賞 地 区 名 地区面積 応 募 者

・長野県 ・長野市 長野県立美術館・長野市城山公園 ・善光寺 約 3. 9 ha 周辺地区(長野県 長野市) ・株式会社プランツアソシエイツ ・清水建設株式会社 ・一般財団法人長野県文化振興事業団

「都市景観の日」実行委員会会長賞 地 区 名 地区面積 応 募 者

・大阪市建設局 ・御堂筋協議会 ・大阪公立大学大学院 嘉名光市教授 御堂筋(なんば駅前~長堀通)地区 約 4. 84 ha ・大阪公立大学大学院 加我宏之教授 (大阪府 大阪市) ・大阪公立大学大学院 吉田長裕准教授 ・京都大学大学院 山口敬太准教授 ・御堂筋道路空間再編に関わるコンサルタント一同

公益財団法人都市づくりパブリックデザインセンター理事長賞 地 区 名 地区面積 応 募 者

・川崎市 川崎市役所広場地区 約 0. 76 ha ・株式会社 久米設計 (神奈川県 川崎市) ・株式会社 スタジオ ゲンクマガイ

奨励賞(※) 地 区 名 地区面積 応 募 者

・双葉町 双葉駅西住宅地区 ・ブルースタジオ・パシフィックコンサルタンツ 約 6. 1 ha (福島県 双葉郡双葉町) 設計共同体 ・独立行政法人都市再生機構

・伊豆市 ・伊豆市津波防災地域づくり推進協議会 ・観光防災まちづくりについてみんなで考える会 “ 海と共に生きる ” 観光防災まちづくり ・東京大学生産技術研究所 加藤孝明研究室 を進める 伊豆市土肥地区 約 3 ha ・東京大学生産技術研究所 今井公太郎研究室 (静岡県 伊豆市) ・静岡大学 原田賢治研究室 ・日本工営株式会社 ・日本工営都市空間株式会社 ・株式会社土肥ノベーション

* 同 賞 の 地 区 が 複 数 あ る 場 合 に は 、総 務 省 全 国 地 方 公 共 団 体 コ ー ド 順 に 掲 載 し て い ま す 。

2 都市空間部門

総評

審査委員長 岸井 隆幸

今年度は応募件数が 5 件と少なかったものの、他都市の参考となる優れた事例が集まっていたように 思う。

大都市圏からは、都市の軸となる広幅員街路の道路空間再編を中心に据えたもの(大阪市御堂筋地区) と中心部にある市役所の建て替えに際して周辺道路と一体となった工夫を施したもの(川崎市役所広場 地区)、また地方部からは県庁所在地の総合公園内にある美術館建て替えを契機に新しい景観を生みだ したもの(長野市「長野県立美術館・長野市城山公園周辺地区」)と半島沿岸部の津波防災拠点施設に 複合的要素を加えることを軸にしたもの(伊豆市土肥地区)及び原子力発電所事故による避難指示区域 の地域再生に関するもの(双葉町双葉駅西住宅地区)である。

都市中心部の広幅員道路を軸にした景観形成や公共施設建て替えに伴う景観形成は他都市・他地区で も大いに参考になると思われるし、土肥地区や双葉地区の事例は防災・災害復興といった場面でも「交流」 を空間要素・景観要素として大切にすることで地域の魅力を高め、新しい価値を生み出す可能性がある ことを示しているように思う。

国土交通大臣賞を受賞された「長野県立美術館・長野市城山公園周辺地区」は、国宝善光寺の東隣に 広がる総合公園「長野市城山公園」の中に建っていた美術館の建て替えを契機として「県民リレー・ワー クショップ」・「県民フォーラム」・「城山公園ワークショップ」等を重ねて計画が深められていった。周 辺環境とのつながりを大切にし、公園に開かれた施設計画を実現するとともに歩道橋の撤去や周辺歩道 の整備なども合わせて実現し新しい風景の創出に結びついている。これから増えてくる公共施設の建て 替えプロセスの好事例であると考えられる。

会長賞の大阪市御堂筋地区に関しては、広幅員道路の道路空間再編と沿道デザインガイドラインによ る沿道建築物等コントロールで緑豊かで活力あふれる歩行空間を創出した好事例といえよう。周辺の自 治会や連合振興町会など多くの関連団体と一体となってハードとソフトの取り組みを実現している点は 大いに評価したい。

udc 理事長賞の川崎市役所広場地区は、中心部に立地する市役所建て替えを考える際に周辺道路網の 再編も一体的に考えた事例である。公共施設建て替えの重要な視点を示しているように思う。

奨励賞を受賞された土肥地区については、津波避難タワーを防災だけではなく観光・環境の観点を含 めた景観に配慮したものとして計画したものとなっているし、同じく双葉地区に関しては、復興再生の 基盤である住宅地で「交流」を強く意識した「中間領域」を大切にする配置計画を施すなど工夫に富む ものであった。両地区とも時間を経るにつれて周辺との連携が深まり、その魅力がより一層高まること を期待したい。

注)事務局より 今年度(R 8年度)の賞名は、昨年度までと一部異なり、大賞(国土交通大臣賞)、会長賞(「都市景観の日」実行委員会会長賞)、 udc 理事長賞(公益財団法人都市づくりパブリックデザインセンター理事長賞)、奨励賞となっております。

3 都市空間部門 大賞 国土交通大臣賞

長野県立美術館・長野市城山公園周辺地区 所 在 地 長野県長野市 地区面積 約 3. 9 ha 応 募 者 長野県、長野市、善光寺、株式会社プランツアソシエイツ、清水建設株式会社、一般財団法人長野県 文化振興事業団

地区概要 審査講評 「長野県立美術館」は、長野県唯一の県立美術館として、 長野県立美術館は、建替えに際して「ランドスケープ・ 県の芸術文化の中心的役割を担ってきた旧美術館の老朽 ミュージアム」という基本構想に基づき設計プロポーザ 化に伴い、再整備された施設である。国宝・善光寺に隣接 ルが行われ、2020 年リニューアルオープンした。設計に し、自然景観に恵まれた城山公園内に位置する立地条件を あたっては、敷地が風致地区の城山公園内にあることか 活かし、「ランドスケープ・ミュージアム」というコンセ ら、建物の高さを抑え、周辺の景観を引き立たせるデザイ プトの下、文化・観光の拠点として、文化的な創造性と魅 ンとなっている。特に敷地の高低差を活かした「水辺テ 力を向上させると共に、「進化する美術館」を目指して計 ラス」と東山魁夷館への連絡ブリッジは、東西と南北の 画が進められた。 景観軸を意識できる美術館の象徴的な空間である。また 併せて、公園内にある美術館ということで、公園を訪れ 美術館の屋上広場から見える信濃の山並みと隣接する善 る人々や隣接する善光寺からの観光客、さらには、公園近 光寺への眺望は圧巻で、新たな視点場を生み出している。 隣にある学校に通う生徒など、美術館を目的に訪れる人々 さらに、見えない施主と出会うために実施された県全域 以外にも気軽に立ち寄ることができる施設となるよう、長 にわたる県民リレーワークショップによって、無料で利 野市や善光寺とも連携し、敷地境界や道路境界を越えたエ 用できる美術館内の公共スペース「屋根のある公園」が リアの一体的な整備を行った。 生まれたことも評価できる。 「公開承認施設」を目指す美術館として主要機能を拡 このように、敷地が潜在的に有する地域の景観構造を 充したことはもちろんだが、展示室以外の共用部を無料 正確に読み取り、建物設計においてそれをさらに強化す ゾーンとして開放していることや、屋上テラスから善光寺 ることに成功した本事例は、今後建物や公園のリニュー や周辺の山並を見晴らす新しい視点の創出など、地域の魅 アルが増える中で、景観形成のひとつのモデルとして、高 力を再発見し、一層親しまれる新たな都市景観づくりを目 く評価できる。(卯月) 指した。

善光寺越しに美術館を見る。歩道橋撤去を含む交差点改良整備により、善 城山公園からの俯瞰。東山魁夷館が左に続く。敷地が持つ 10 m の高低差内 光寺東参道と美術館との間を遮るものがなくなり、視覚的にもつながった。 に本館の主要部を収めた。城山公園、南側道路、東側道路の 3 つのレベルか また、美術館を低く抑えたことで奥にある小高い杜に建つ彦神別神社から ら入館できる。 善光寺に抜ける視線を獲得した。

善光寺本堂と信濃の山並みを望む新しい風景が広がる屋上広場では、様々 美術館とともに整備した長野市の城山公園。敷地境界をつくらず公園の延 なイベントの開催を想定し、床アンカーを用意した。音楽ライブや善光寺 長として美術館を計画し、一体的なエリアとして整備した。 と連携したびんずる市が開催されるなど、新たな取り組みも活発に行われ ており好評である。 4 都市空間部門 「都市景観の日」実行委員会会長賞

御堂筋(なんば駅前~長堀通)地区 所 在 地 大阪府大阪市 地区面積 約 4. 84 ha 応 募 者 大阪市建設局、御堂筋協議会、大阪公立大学大学院 嘉名光市教授、大阪公立大学大学院 加我宏之教授、 大阪公立大学大学院 吉田長裕准教授、京都大学大学院 山口敬太准教授、 御堂筋道路空間再編に関わるコンサルタント一同

地区概要 審査講評 御 堂 筋 は 1937 年 建 設 の 梅 田 か ら 難 波 を 結 ぶ 延 長 約 御堂筋といえば、關一市長、大阪市第一次都市計画事業と 4 .2 km、幅員約 44 m の大阪のシンボルストリートであ いった固有名詞とともに、日本近代都市計画の偉業として歴 る。2017 年完成 80 周年を契機に公民で策定した「御堂 史に名を刻み、今日の都市資産となっている。その御堂筋を 筋将来ビジョン」に基づき、車中心から「世界最新モデ フルモール化するぞというニュースに接したときは心底驚 ルとなる、人中心のストリートへ」と転換する一世紀ぶ いたが、大阪ならやるかもしれない、とも思った。それから りの道路空間再編を目指し、まず側道の歩行者空間化を 6 年、大きな一歩が形となった。長堀通との交差点から別個 進めている。このたびなんば駅前から長堀通までの約 のとりくみとされるなんば駅前広場に接するまでの 1 .1 km 1 .1 km において、沿道のエリアマネジメント団体、沿道 区間で、側道の自動車が失せ、沿道からシンボルの 4 列イ 町会、有識者等による公民連携プラットフォームである チョウ並木までが歩行者と自転車のための空間となった。 御堂筋協議会で議論を重ね、十数回にも及ぶ社会実験も 街路空間再配分の事例は各地に見られるものの、大都市の目 行って、各エリアの特性を反映した高質な空間を創出し 抜通りで交差街路も多いこの場所でそれを成し遂げ、多種多 ている。その際、大阪市指定文化財であるイチョウ並木 様な造形を万全に仕上げたことに敬服する。また従前から を基調とし沿道建築物と調和した統一的で高質な空間形 取り組んできた沿道建物の景観誘導の成果と相まって、都市 成を図る道路のデザインガイドラインを策定している。 また施工時は有識者の専門的な助言を得ながら、何度も 景観を立派にしている。その価値を御堂筋ブランドにし、都 モックアップを現地で確認し素材やデザインを選定し 市そのものを牽引する力を発揮させるための仕組みと活動 た。整備後、歩行者数の増加や回遊性の向上に加え、地 が花開きつつある。この実績とエネルギーはめざすフルモー 価上昇等の効果も表れている。世界最先端の取組みを進 ル化、さらに他都市でのアクションを勇気づける規範として める海外都市との連携や情報発信、環境や防災に寄与す 大いに称賛し、学びたい。 (佐々木) る取組みも進めており、今後も魅力的な人中心の空間づ くりやブランド価値の向上を図っていく。

側道歩行者空間化整備後の御堂筋(長堀通~道頓堀川間)の様子 彩度を落とした色彩選定を行うことによる「人」が映える空間づくり

イルミネーション実施中の様子 利活用イベント実施時の様子。建物側に歩行者の通行空間、車道側に自転車 の通行空間を確保し、中央のほこみち区域を活用。

5 都市空間部門 公益財団法人都市づくりパブリックデザインセンター理事長賞

川崎市役所広場地区 所 在 地 神奈川県川崎市 地区面積 約 0. 76 ha 応 募 者 川崎市、株式会社 久米設計、株式会社 スタジオ ゲンクマガイ

地区概要 審査講評 本地区は、JR 川崎駅からの「緑の軸」と商店街の「にぎわ 本地区は、一見すると単一敷地の整備事業のようにも いの軸 」が交差する、街の結節点である。かつての庁舎は閉 感じるが、二つの庁舎に挟まれて地区を分断していた道路 庁後の夜間や休日に人通りが途絶える「閉じた場所」であっ を歩行者専用道路化し、広場と一体化した総合的な計画で たが、再生にあたっては、行政機能を超えて市民の日常に溶け ある。さらに、周辺街区にも丁寧に配慮することで、都市 込み、愛着を育む「まちの広場」の創出が課題であった。こ の課題に対し、第2庁舎跡地を「市役所広場」 、旧本庁舎を再 全体の景観品質を高めている。特に、これまで市民に対し 現した復元棟の手前を「復元棟前広場」として、整備を行い て閉じられがちであった市役所空間を、街路との境界をな ながら、庁舎整備計画を進めた。周辺の密集市街地に対し、緑 くし広場化することで、多目的に利用できる開かれた公共 豊かなオープンスペースを確保することで、都市景観にゆと 空間へと転換し、地域の新たな核を創出していることを高 りとリズムをもたらす人々の居場所を創出した。また、復元 く評価したい。 棟と高層棟を繋ぐ「アトリウム」は明るく、開放的、立体的 ランドスケープデザインの完成度も高く、緑や舗装、空 な都市空間として整備した。アトリウムに面して配置したカ 間構成が調和した質の高い都市景観が実現されている。 フェ、コンビニ、展示施設、会議室などにより、日常的なにぎ わいを生む空間として整備し、様々なイベント利用に対応す 加えて、旧市役所のファサードを復元・保存したことによ るつくりとすると共に、発災時には災害対策スペースに速や り、市民の記憶と歴史を継承する象徴的な場となっている かに転換可能な設えとした。これらの広場とアトリウムをつ 点も意義深い。 なぐべく、中央の道路を歩行者専用道路として整備すること 本計画は、行政施設の整備にとどまらず、都市の公共空 により、「川崎市役所広場地区」全体を、憩いの場として気軽 間そのものを再構築した優れた取り組みであり、市民に開 に日常利用していただくと共に、様々なイベントが催される かれた都市景観整備として高く評価できる。この新たな 広場となるなど、公道を跨ぐ歩行者ネットワークが近隣との 回遊性を飛躍的に高めている。歴史を継承する「復元棟」 、防 整備を起点として、良好な都市景観が周辺へと波及し、川 災の要となる「高層棟」 、そして人々の活動を支える「広場」 崎市全体の都市空間の質的向上につながることを期待し が一体となり、市役所という機能を超えた、新しい川崎市のに たい。(田中) ぎわい拠点となっている。

敷地南側から見た川崎市役所本庁舎の鳥瞰。左側に市役所広場、右側に川崎 市役所道路に面してゆとりある空間を整備し、まちの活気やにぎわいを向上さ 市役所本庁舎と復元棟前広場を配置し、中央の道路を歩行者専用道路化する せる広場空間。手前から復元棟前広場、歩行者専用道路、市役所広場。 ことにより、両敷地をつなげた構成としている。

復元棟の1 階に配置されたカフェと連動して使うことができる復元棟前広場の 復元棟のライトアップや広場の足元を照らす動きのある演出照明など、夜間の テラス。高木や芝生により、うるおいを感じながらベンチで過ごすことが可能と スカイライン形成や照明による、 川崎市の情報発信など、新たな夜の「まちの顔」 なっている。 となることを目指した照明計画。

6 都市空間部門 奨励賞

双葉駅西住宅地区 所 在 地 福島県双葉郡双葉町 地区面積 約 6. 1 ha 応 募 者 双葉町、ブルースタジオ・パシフィックコンサルタンツ設計共同体、独立行政法人都市再生機構

地区概要 審査講評 『標葉の谷戸に抱かれた、仲間たちと育む、なりわい集落』 人の居住を拒絶してきたこの地に再び生活が戻るには、 双葉駅西住宅地区は福島県双葉郡双葉町、JR 常磐線双葉 実に 11 年を越える歳月を要した。誕生間もない街は慎ま 駅西口駅前ロータリー(広場)を中心とした約 6 .1 ha の災 しく穏やかであるが、ゼロからのスタートには多くの困難 害公営住宅 30 戸、再生賃貸住宅 56 戸の集落である。原子 を抱えていたことは想像に難くない。当地区は双葉駅に隣 力発電所事故から 11 年5ヶ月に及んだ帰還困難区域にお 接する市街地ゾーンに位置している。駅に面するエリアに ける 2022 年 8 月の一部避難指示解除にあたり、当地区は は常套手段の車のロータリーがない。大きな芝生広場が結 町の復興計画の「新たな生活の場」として公営住宅の整備 節空間となり交流の場となり様々なアクティビティを生み を行なった。「帰還を果たす者」も「移住する者」も、こ 出す。かつての田園風景を端緒としたこの芝生広場をはじ こではどちらもフロンティアとして志と想いを共有しお互 め、歩行者のための空間づくりを最優先に考え、人の出会 いを支え合う。「双葉町の未来を切り拓く者たち」のベー いや会話が生まれる工夫が随所に散りばめられている。広 スキャンプである。ここに暮らす人々、訪れる人々が相互 場から散策路、軒下パティオから路地、個人宅の土間に至 に自然な交流のきっかけを促すよう地区内の街区・建物・ るまで、住民同士のコミュニティを醸成するには十分であ 住戸の境界には「中間領域」がデザインされている。駅の る。谷戸の原風景や集落の家並みはゆとりのある住棟配置 目前にはロータリーではなく交流のための緑豊かな広場 と切妻屋根の建築に色濃く反映されていて大いに評価でき を、広場に面する各街区には広い「軒先パティオ」を、街 る。さらに近くを流れる戎川へのアプローチや視点場づく 区内の路地に面する住戸には開放的な土間を設けた。街 りも親水性に貢献している。阿武隈高地の山懐に抱かれた 区間には周囲の自然環境と調和する遊歩道を配した。建 新しい住宅地の上質なデザインマインドが、今後周辺へ波 物全体の配棟と屋根の連なりは阿武隈高地から連なる谷 及していくことに期待したい。(富田) 戸の景観にかつて点在した双葉の農村集落をイメージし ている。

地域住人同士が関われる場所として、集会所と連続した大きな軒下空間を 建物高さを抑え、 住棟グループの間隔や、 歩行者空間の視線の抜けをつくるこ 設け(写真中央)、その先に駅前広場と駅舎が広がるよう配置の工夫を行なっ とで、周辺の谷戸や阿武隈高地への眺望を確保。 地区周辺の緑と連続するよう、 た。 地区内の植栽もスケールごとに計画している。

軒下空間・駅前広場での、朝のラジオ体操の風景。集会所では毎週木曜日 集会所・軒下空間・駅前広場での夏祭りの風景。標葉せんだん太鼓保存会 に開放日を設けられ、地区内外の町民が集う。ここから「双葉町を結ぶ会」 の練習も行われており、盆踊りや太鼓の音色が聞こえる、かつての日常の が設立された。 風景も戻りつつある。 7 都市空間部門

奨励賞 “海と共に生きる” 観光防災まちづくりを進める 伊豆市土肥地区 所 在 地 静岡県伊豆市 地区面積 約 3 ha 応 募 者 伊豆市、伊豆市津波防災地域づくり推進協議会、観光防災まちづくりについてみんなで考える会、 東京大学生産技術研究所 加藤孝明研究室、東京大学生産技術研究所 今井公太郎研究室、静岡大学 原田賢治研究室、 日本工営株式会社、日本工営都市空間株式会社、株式会社土肥ノベーション

地区概要 審査講評 当地区は、伊豆半島西岸にある旅館業を基幹産業とす 本地区は南海トラフ巨大地震などにより、6 分で高さ 10 m る旧土肥町の中心地である。温泉の他,海水浴場等の観 の津波が来るとされる西伊豆の観光地土肥のまちである。地 光資源はあるものの、富士山への眺望が無い等、恵まれて 域の人口減少は激しく、観光地としての賑わいも限りがある いるわけではない。過疎化は加速し、すでに明治初期の ことから、地元では災害安全性を高めることでまちおこしを 人口水準である。津波想定は 6 分 10 m と深刻である。 進めようと考えた。通常、観光地の場合災害関連の地域指定 2015 年の津波防災地域づくり法の協議会設置を契機に など受けると危ない場所ととられ、来訪者が減るのではない 地域一丸の取組みが始まった。住民総出の「観光防災ま かとの懸念が持たれるが、土肥の場合は市民の徹底した議論 ちづくりをみんなで考える会」をプラットフォームとし の末、それを逆手にとり全国で初めて津波防災地域法による てボトムアップの議論を積み上げ、全国初かつ唯一の津 津波特別警戒区域指定に至った。これらの取り組みの一つは 波災害特別警戒区域の指定、全区での地区防災計画の策 観光振興であることから、防災対応は景観づくりを併せて進 定等,先駆的な取組みを進めている。今回の景観は、地域 めることとなった。そのシンボル施設が津波避難タワーの機 住民のそれまでの努力と誇り、そして未来の希望を象徴 能を持つ「テラッセオレンジトイ」である。海岸保安林を一 する。2024 年に観光と防災を統合した津波避難複合施設 部解除するなどにより松林の中に埋め込まれたこの施設は景 テラッセオレンジトイと松原公園がオープンした。住民 観面にも配慮して作られた。この施設にあるレストランは通 協働の設計過程に加え、海岸保安林の中への立地は、海・ 年で夜間営業をしており、近隣の旅館の経営維持、観光地と 松林・公園という地域資源の連携により地域価値を高め しての夜間景観にも貢献している。今後ますます重要となる た。災害への備えを新たな観光資源に位置づける「災害 災害対策を捉え、地域の景観を整えていこうとする取り組み 時のおもてなし」とも呼べる考え方は,防災,観光,過疎 は高く評価される。一方、審査会では、必要とはいえ海岸の 化の同時解決を目指す。また施設管理は地元旅館組合が 松原にこのような建物を挿入したかに見える成果としての景 設立した新会社が担う。景観形成がまちづくり会社への 観は評価しがたいとの複数の意見も出され、それを勘案して 発展の起点となった。 奨励賞としたものである。(高見)

当地区は、伊豆半島の西側中腹に位置する扇状地の温泉街で、眼前に駿河 アスレチック遊具をテラッセオレンジトイから見渡す。松の密度の適正化に 湾を望む。“海と共に生きる”観光防災まちづくりをかかげ、中心の地域の 伴い、地表部分の開けた緑陰空間をつくった。子育て世帯のための空間とし シンボルである松原公園を再整備し、観光と防災を統合した津波避難複合 ても活用してもらえるよう、周囲にアスレチック遊具を複数用意し、テラッ 施設テラッセオレンジトイを建設した。 セオレンジトイの 2 階屋外スペースからすぐ見渡せるように配置した。

松原公園、芝生広場、花時計。世界一の大きさでギネス記録になり、市民 まち側から見た、松原公園、テラッセオレンジトイ、夕景。松のシルエッ に親しまれてきた花時計は、機械部分が老朽化していた。維持管理のしや トとテラッセオレンジトイの門型のなかに、夕日が駿河湾に沈む。 すい電飾式の時計に改修を行い、市民の記憶の継承を試みた。 8 景観まちづくり活動・学習部門 受賞活動一覧

大賞 国土交通大臣賞

活 動 名 活動エリア 応 募 者

・NPO 法人頴娃おこそ会 住民有志の発意による 100 年後も ・一般社団法人アソビシロ 鹿児島県 語り継がれる風景づくり ・NPO 法人森と木の研究所 南九州市 -bandpark 番所鼻自然公園リ・デザイン - ・南九州市 ・株式会社上條・福島都市設計事務所

「都市景観の日」実行委員会会長賞(※) 活 動 名 活動エリア 応 募 者

・旧小澤家住宅周辺の歴史的町並みを考える会 地域の歴史資源を活用した 新潟県 ・北前船の時代館 新潟市文化財 旧小澤家住宅 多世代景観学習の発展的継続 新潟市 ・新潟大学工学部建築学プログラム都市計画研究室

・ファーレ倶楽部 ・ファーレ立川アート管理委員会 東京都 ・ファーレ協議会 アートと歩む景観まちづくり 立川市 ・株式会社アートフロントギャラリー ・公益財団法人立川市地域文化振興財団 ・立川市

公益財団法人都市づくりパブリックデザインセンター理事長賞 活 動 名 活動エリア 応 募 者

水戸宿泊交流場を拠点とした ・水戸宿泊交流場 空き家・空き店舗活用による 茨城県 ・さとととし 水戸市 次世代の景観まちづくり活動 ・水戸市

* 同 賞 の 活 動 が 複 数 あ る 場 合 に は 、総 務 省 全 国 地 方 公 共 団 体 コ ー ド 順 に 掲 載 し て い ま す 。

9 景観まちづくり活動・学習部門

総評

審査委員長 福井 恒明

今年度は全国から 6 件の応募をいただいた。いずれも地域が持つ景観的な資源を見いだ し、それを地域の人々の手で磨き、次の世代へとつなげようとする充実した活動であった。 国土交通大臣賞を受賞した「住民有志の発意による 100 年後も語り継がれる風景づくり -bandpark 番所鼻自然公園リ・デザイン -」は、旧番所会館(宴会場)の建物撤去を契機として、 優れた自然景観を生かした公園へと再生した取り組みである。住民有志が外部の若い人材 を呼び込み、多様な知恵と仕組みを組み合わせながらプロジェクトを実現した点を高く評 価した。 会長賞の「地域の歴史資源を活用した多世代景観学習の発展的継続」は、大学と地域住 民による旧小澤家住宅の整備・活用から始まった活動が周辺のまちづくりへと広がり、子 どもたちを含む多様な主体へと展開している点を評価。同じく会長賞の「アートと歩む景 観まちづくり」は、1996 年度に都市景観大賞を受賞したファーレ立川において、30 年にわ たりパブリックアートを一つも欠くことなく地域で守り続け、さらに学校教育にも取り入 れてきた継続性を評価した。 udc 理事長賞の「水戸宿泊交流場を拠点とした空き家・空き店舗活用による次世代の景 観まちづくり活動」は、地域出身者による交流拠点づくりを起点に、小さな活動を積み重ね ながら協働の機運を生み、商店街の活性化や景観行政の充実へとつなげている点が印象的 であった。 本部門は、平成 23 年度に「景観教育・普及啓発部門」として創設され、その後「景観づ くり活動部門」との統合を経て、平成 28 年度から「景観まちづくり活動・教育部門」となり、 今年度「景観まちづくり活動・学習部門」へと名称を改めた。この変遷は、景観を専門家 や行政がつくり、地域に普及するという一方向の関係から、地域の人々自身が景観の価値を 発見し、学び、実践しながら育てていくという考え方への広がりを示すものともいえる。 これまでの応募活動では、変化の中で失われかねない地域の価値を次世代につなごうと するものが数多く見られた。今年度はその延長線上にありながら、一度地域を離れた若い 世代が戻り、新たな活動の担い手や中心となる事例が見られたことが特に印象深い。また、 行政が景観計画を策定し、その施策として地域の活動を促すというだけではなく、地域の発 意から活動が始まり、必要に応じて景観法をはじめとする行政のさまざまな制度や補助な どの仕組みを使いこなしていく動きも見られた。 今年度の受賞活動は、人口減少・少子高齢化が進むなかで、地域にある価値を自ら見いだ し、磨き直し、新しい担い手を迎えながら将来へつないでいくなど、本部門が創設時に想定 していた景観教育や普及啓発という枠を越え、地域の未来を自らつくり出していく景観ま ちづくりの新たな兆しと、希望を感じることができた。

注)事務局より 今年度(R 8年度)の賞名は、昨年度までと一部異なり、大賞(国土交通大臣賞)、会長賞(「都市景観の日」実行委員会会長賞)、 udc 理事長賞(公益財団法人都市づくりパブリックデザインセンター理事長賞)、奨励賞となっております。

10 景観まちづくり活動・学習部門 大賞 国土交通大臣賞 住民有志の発意による 100 年後も語り継がれる風景づくり -bandpark 番所鼻自然公園リ・デザイン - 活動エリア 鹿児島県南九州市 応 募 者 NPO 法人頴娃おこそ会、一般社団法人アソビシロ、NPO 法人森と木の研究所、南九州市、 株式会社上條・福島都市設計事務所

活動概要 審査講評 「100 年後も語り継がれる風景づくり」を目標に、廃墟撤 bandpark 番所鼻自然公園は、薩南海岸県立自然公園のほ 去後の跡地を活用したイベント等の社会実験を継続し、 「塩 ぼ中央に位置し、南には東シナ海の大海原、東には開聞岳が 害から町を守る保安林、廃墟跡の広場、天然の岩礁」とい 眺望できる雄大な景勝地である。この唯一無二の貴重な景 う景観資 源を活かした bandpark グランドデザインを描い 観は、長い市民運動によって発見、再生、そして運営されて たが、過疎地域ゆえ財力・人的リソースは限られ、実装化に いる。南九州市頴娃町の「頴娃おこそ会」は、2005 年以降 え い ちょう え い

向けた仕組みが必要であった。そこで NPO のメンバーによ 人口減少が進む中で「後継ぎのいるまち」を標榜し、UI ター り「一般社団法人アソビシロ」を立ち上げ、国・県・市との ンや観光事業、空き家再生等まちの活性化に取り組んでき 官民連携事業を複数組み合わせ、公園全体のリニューアル、 た。その中で、破産した民間建物が公園内に放置されている 公設民営の観光拠点施設 ( カフェ・ツリーキャンプ ) を整備 ことを問題視し、撤去のための運動を8年間にわたり進めて した。加えて自主的に基礎自治体と調整を行い、そこで得た きた。その結果、それまで意識されなかった豊かな自然景観 収益の 5 % を公園管理費に還元する仕組みを導入した。こ が市民の前に表出した。その景観を将来にわたって伝えよ うして住 民有志 主体ながら「事業・空間・仕 組み」を連 動 うとしているのが(一社)アソビシロで、J ターンの地域お するシステムが構築された。20 年に渡り、フェーズ毎に異な こし協力隊の若者が代表をつとめている。3年間で 50 回以 る工夫を重ねた結果、地元の公園に対する関心・誇り、県内 上の住民参加の社会実験を経て公園のリ・デザインを策定 外での知名度を高め、公園来訪者数は 2010 年 1 .5 万人から し、現在は市とのパークマネジメント基本協定に基づく管理 2024 年 20 万人へと飛躍的な成長を遂げた。廃墟という自然 運営委託を受けている。日常的には、公園内カフェやツリー 公園の負の遺産を解消するのみならず、地 域内外の関心を キャンプ場の運営、天然の岩礁によるカヌー体験活動等を実 引き付ける「景観体験・学習プラットフォーム」へと昇華さ 施し、住民と観光客に環境学習の機会を提供している。 せた成果である。町内での長年の活動を通じて築かれた市・ このように、地域の魅力的な景観資源を顕在化させ、さら 県との連携を活かし、住民有志が主体となってビジョンを実 に住民参加によるパークマネジメントを実施している本事 装化し、さらに、地域固有の自然環境という景観資源を「守 例は、今後の景観まちづくり活動のひとつのモデルとして高 る」のみならず、 「景観体験・地域経済の循環システム」へ く評価できる。(卯月) と発展させた取組である。

薩摩半島南端に位置し、保安林、天然の岩礁、開聞岳等の景観資源をもつ公園。 南九州市・枕崎市共同での要望提出により県事業として整備した広場。

公園案内所兼カフェは保安林、広場、天然の岩礁という景観資源を可視化。 薩南海岸のブランディングの一環として進められた他地域の公園整備。 (2026 年 4 月)

11 景観まちづくり活動・学習部門 「都市景観の日」実行委員会会長賞

地域の歴史資源を活用した多世代景観学習の発展的継続

活動エリア 新潟県新潟市 応 募 者 旧小澤家住宅周辺の歴史的町並みを考える会、北前船の時代館 新潟市文化財 旧小澤家住宅、 新潟大学工学部建築学プログラム都市計画研究室

活動概要 審査講評 本地区の景観を生かしたまちづくりの起点は、旧小澤 北前船で栄えた湊町新潟の歴史ある下町地区において、「旧 家住宅が新潟市に寄贈されたことにある。寄贈後、整備 小澤家住宅」の文化財整備を契機に展開された本取り組みは、 を経て同住宅は博物館として開館した。開館後は、同住 大学と地域住民の協働による景観まちづくりの優れた実践例 宅を舞台に新潟大学工学部の都市計画・デザイン演習が である。特筆すべきは、大学の演習課題から始まり、学生の 始まり、地元商店街、住民、大学、博物館が連携して「組 提案を受けて「旧小澤家住宅周辺の歴史的町並みを考える会」 織づくり」「景観啓発のための社会実験」「景観のルール の発足へと至った住民主体のプロセスである。学生が主体的 づくり」「歴史的建造物の活用実験」など、景観まちづく に関わりながら地元小学生を対象とした景観学習へと発展さ りに関する実践的な課題への取り組み提案を開始した。 せた点は、地域教育の好例といえる。 これらの提案が地域住民に伝播し、住民団体の設立や歴 また、学生や住民団体の活動を通じて、住民自らが歴史的建 史的町並みのライトアップの継続、景観計画の特別区域 造物を宿泊施設や飲食店へとリノベーションし、魅力的な場と 指定、地区内の歴史的建造物の活用に至っている。活動 して地域へと拓いている点も素晴らしい。この動きは西側の の進展に伴い、景観まちづくり学習の方法を漸次的に組 商店街など周縁への波及効果を生み出しただけでなく、考える み替えている。具体的には、演習の枠組内で展開してい 会を含む複数の住民団体の要望によって市内の修景補助制度 た大学生の景観まちづくり学習は、組織設立後により能 の実現へと結びついており、その実行力は称賛に値する。 動的で専門的な学習へと変容した。また、従来は大学生 小学生の総合学習から親子でのイベント参加、さらには卒 が関わったライトアップによる景観演出は小中学生の関 業後に中学生がボランティアとして関わるという多世代交流 与へと展開している。以上のように、景観まちづくり学 による学習の循環も着実に根付いている。制度化も含めた景 習が発展的に変容していった点及び小学生から大学生ま 観まちづくり活動と多世代交流による学習との両輪を持続的 で、幅広い世代が学習に関係している点が、本地区の取り にかつ丁寧に展開し、周縁も含めた今後のさらなる拡がりが 組みの特色である。 期待される取り組みとして高く評価された。(市岡)

旧小澤家住宅。丁字型町屋の例。建物手前側が横屋根で奥側が縦屋根となっ 旧小澤家住宅と新潟大学が連携して実施した小学生の宿泊体験会の様子(2015) ている建物形態となっている。

旧片桐家住宅を活用した飲食店「魚や片桐寅吉/港茶屋」(2021) 町並みに調和するよう暖色系の色味に改善した「考える会」によるライトア ップ。(2025)

12 景観まちづくり活動・学習部門 「都市景観の日」実行委員会会長賞

アートと歩む景観まちづくり 活動エリア 東京都立川市 応 募 者 ファーレ倶楽部、ファーレ立川アート管理委員会、ファーレ協議会、株式会社アートフロントギャラリー、 公益財団法人立川市地域文化振興財団、立川市

活動概要 審査講評 ファーレ立川アートは、完成から 30 年以上が経過したが、 本活動が高く評価された理由は、109 点のパブリックアー 所有者であるビルオーナー、行政組織、地域ボランティア等 トを 30 年にわたり地域の景観資産として守り育てる仕組み の手により適切な維持管理がなされ 109 点の作品が 1 つの を構築し、着実に継続してきた点にある。 作品も欠けることなく存在している。ファーレ立川地区の 一般に、景観は整備・完成した時点が評価されがちである。 特徴は、このパブリックアートと融合した良好な都市景観 しかし、その価値を将来にわたり維持・向上させるためには、 にあり、行政・市民・周辺企業が一丸となってファーレ立 適切な維持管理と地域住民の継続的な関わりが不可欠であ 川の魅力を伝える様々な取り組みを行っているところにあ る。本活動では、行政、企業、市民、専門家、教育機関がそれ る。主な取り組みでは、市民の参加も含めた地域ボランティ ぞれの役割を担い、状況に応じて新たな仕組みを築きながら、 アによるアート清掃や行政・ビルオーナーの支援による計 109作品を一つも欠けることなく維持してきた。この30年間 画的な修復の実施、ファーレ立川アートミュージアム・デー にわたる継続性と協働の実践は、特筆すべき成果である。さ などの様々なイベントの開催があげられる。特に、世界的 らに、アートツアーや小学校鑑賞教室、イベント、人材育成な にも貴重な作品を街の誇りとして愛着を持ちアート芸術を ど、多様な教育普及活動を継続し、景観資産を保存するだけ 身近に感じてもらうため、小学校ファーレ立川アート鑑賞 でなく、市民が親しみ、学び、次世代へ継承する文化へと発展 教室を 2008 年から実施しており、現在 24 ,500 人以上の子供 させている点も高く評価した。 たちが一度はアートに触れ良好な景観を体験したことにな 本活動は、一つの地区における優れた実践にとどまらな る。今後も、行政・市民・周辺企業が一丸となった活動を い。景観は完成して終わるものではなく、その時から多様 継続し、アートを生かした美しい街並み・良好な都市景観 な主体が責任を分かち合い、育て続けることで地域の財産 を守れるよう努める。 となることを示した。その意義は、これからの景観まちづ くりを進める全国の行政やディベロッパー、市民に多くの 示唆を与えるものである。 (大道)

ファーレ地区の様子 小学校ファーレ立川アート鑑賞教室 子ども達がアート作品に触れながら説明を受ける様子

アート清掃の様子 ファーレ立川アートミュージアム ・ デー ファーレ立川アートをテーマにした野外演劇を上演 (たちかわ創造舎)

13 景観まちづくり活動・学習部門

公益財団法人都市づくりパブリックデザインセンター理事長賞 水戸宿泊交流場を拠点とした空き家・空き店舗活用による 次世代の景観まちづくり活動 活動エリア 茨城県水戸市 応 募 者 水戸宿泊交流場、さとととし、水戸市

活動概要 審査講評 本活動は、水戸市下市地区において、空き店舗を改修 長く本賞の審査に携わってきたが、今回の現地審査ほど した「水戸宿泊交流場」を拠点に、若い世代を中心とし 若い世代の実践者を中心に対応していただいた経験は記憶 た市民が地域の景観や暮らしに実地で関わりながら学び、 にない。まず感じたのは、そこから生まれる自由で軽やか 実践する景観まちづくり活動である。 な雰囲気だった。活動の拠点は、かつて漁具の網を扱って 2021 年の拠点開設以降、まち歩きや地域住民との対 いた店をリノベーションした宿泊施設である。しかし、その 価値は建物の再生にとどまらない。中心となるのは、水戸や 話、アーティスト・イン・レジデンス、中学生の職業体 近隣の出身で、東京などで仕事の経験を積んだ後、改めてこ 験、空き店舗等を活用した小規模な実践などを重ね、地域 の地域の価値を見出し、現在も複数の地域を行き来しながら の日常や既存ストックの価値に気づき、自ら景観に関わ 活動する人々である。地域の内と外を知る彼女たちが、ネッ る機会を継続的に生み出してきた。2024 年度には、市民 トワークを持ち寄って仲間を増やし、宿泊者や商店主など 主体による活動の受け皿として「さとととし」を設立し、 とのつながりを生みながら、活動を広げている。こうした 2025 年度からは、水戸市との協働により、市民の「やっ 活動は下市地区の商店主からも信頼を得て、商店街に新た てみたい」を下市地区で試す「ためしもいち」を展開し な活力をもたらしている。さらに興味深いのは行政との関 ている。 係である。景観行政の新たな展開を模索していた水戸市の こうした取組の特長は、景観を建物やまちなみの完成 担当者が、彼女たちの活動に注目し、協働が始まった。行 形として捉えるだけでなく、人々が地域に関わり、対話や 政が主導した活動ではなく、市民による自発的な実践に新 試行を重ねる中で育まれていくものと捉えている点にあ たな可能性を見いだし、協働を通じて景観行政の取組にも 変化をもたらしている点を高く評価したい。一方、備前堀 る。若い世代や市民の実践と景観行政を結び付けながら、 など、かつて整備された公共空間は更新期を迎えている。こ 地域の既存ストックを生かし、地域との関わりを通じて れまでの小さな実践の積み重ねだけでは対応できないこの 景観への意識を育み、次世代が景観まちづくりの当事者 課題に、ここまで築かれた地域と行政の新たな関係がどのよ として継続的に関わる取組を進めている。 うに生かされるのか、今後の展開にも期待したい。 (福井)

水戸宿泊交流場は、対話の集まりやまち歩きの出発点となる拠点。人が集い、 水戸市の景観まちづくりの出発点となった備前堀。市がこの親水空間をど 語り合い、次の一歩を構想する場として、日常の中に小さな実践が生まれ のようにアップデートするかを模索するうちに、水戸宿泊交流場のメンバ ていく。 ーと出会うことになった。

水戸市と茨城大学が連携し、備前堀をはじめとする下市地区の魅力と将来 ためしもいちの取組を地域に開くマルシェ当日。長く使われていなかった空き の可能性を探るワークショップを実施。学生・地域住民・行政がそれぞれ 店舗が、人が集い、交流する場となり、まちの風景を編み直す拠点へと変わり の視点から意見を交わす対話の場となった。 つつある。そこに生まれた笑顔もまた、まちの豊かな景観を形づくっている。 14 令和8年度 都市景観大賞について 令和 8 年度は、下記の通り「都市空間部門」と「景観まちづくり活動・学習部門」について募集・審査しました。 なお、令和 8 年度は表彰内容(賞名称)を変更しています。併せて、これまでの「景観まちづくり活動・教育部門」を「景観まちづくり活 動・学習部門」に部門名を変更しています。

Ⅰ 都市空間部門について Ⅱ 景観まちづくり活動・学習部門について

  1. 表彰目的 1. 表彰目的

都市景観大賞「都市空間部門」は、良好な都市景観を生み出す優れ 都市景観大賞「景観まちづくり活動・学習部門」は、地域に関わ た事例を選定し、その実現に貢献した関係者を顕彰し、広く一般に る人々が景観に関心を持ち、自らの問題として捉え、その解決へ向 公開することにより、より良い都市景観の形成を目指すものです。 けて活動できるよう意識啓発、知識の普及、景観法や景観に関する

  1. 表彰内容 制度等(以下 「景観制度」 という。)を活用した取組等による活動

① 大賞(国土交通大臣賞) 1地区 を選定・顕彰し、広く一般に公開することにより、より良い都市景 ②「都市景観の日」実行委員会会長賞 数地区 観の形成を目指すものです。 ③ 公益財団法人都市づくりパブリックデザインセンター理事長賞 数地区 ④ 奨励賞 数地区

  1. 表彰内容
  2. 対象地区の要件 ① 大賞(国土交通大臣賞) 1活動

②「都市景観の日」実行委員会会長賞 数活動 本賞は、街路・公園・水辺・緑地等のパブリックスペースと建物 ③ 公益財団法人都市づくりパブリックデザインセンター理事長賞 数活動 等が一体となって良質で優れた都市景観が形成され、それを市民 ④ 奨励賞 数活動 が十分に活用することによって、地域の活性化が図られている地 区を対象とします。単独の「公共施設・民間建築物(付属公開空 3. 対象活動の要件 地等を含む場合も同じ)・構造物(付属公開空地等を含む場合も同 景観制度を活用した取組、景観まちづくり学習の実施、街歩きや景 じ)」は対象になりません。 観に関するセミナーの開催、景観まちづくり活動の実施による良 好な景観形成等のための活動を地域に根差して行っており、それ

  1. 応募者の資格

らが地域の人々の景観への意識・関心の高揚等につながっている 良質で優れた都市景観の実現に深く寄与した地方公共団体、まち 優れた活動を対象とします。 づくり組織、市民団体、民間企業・コンサルタント、独立行政法人、 公社等とします。 ※多くの関係者による共同応募が望ましいです。 4. 応募者の資格 ※応募者に地方公共団体が含まれない場合には、地方公共団体の確認を得たう 景観まちづくり活動や景観まちづくり学習による意識啓発、知識 えで応募してください。 の普及、景観制度を活用した取組等を行っている、学校、まちづく

  1. 審査 り組織、市民団体、地方公共団体等で、かつ、地域に根差した活動

「都市景観の日」実行委員会内に設置される都市景観大賞審査委員 を 3 年以上継続して実施している団体とします。 会において、応募図書等をもとに、内容を審査(書類選考、現地視察、 ヒアリング)した上で、表彰地区を選定します。

  1. 審査
  2. 審査委員

「都市景観の日」実行委員会内に設置される都市景観大賞審査委員 [委員長] 会において、応募図書等をもとに、内容を審査(書類選考、現地視察、 岸井 隆幸 (公財) 都市づくりパブリックデザインセンター理事長、 ヒアリング)した上で、表彰活動を選定します。 (一財)計量計画研究所代表理事 [委 員] 池邊このみ 千葉大学 グランドフェロー 6. 審査委員 卯月 盛夫 早稲田大学名誉教授 [委員長] 小林 博人 慶應義塾大学教授 福井 恒明 法政大学教授 佐々木 葉 早稲田大学教授 [委 員] 高見 公雄 法政大学名誉教授 市岡 綾子 日本大学工学部専任講師 田中 一雄 (株)GK デザイン機構代表取締役 卯月 盛夫 早稲田大学名誉教授 富田 泰行 トミタ・ライティングデザイン・オフィス代表取締役 大道 博敏 元東京都公立学校主幹教諭 国土交通省 都市局公園緑地 ・ 景観課長 国土交通省 都市局公園緑地 ・ 景観課長 国土交通省 都市局市街地整備課長 (順不同、敬称略、2026 年 8 月現在)

国土交通省 住宅局市街地建築課長 (順不同、敬称略、2026 年 8 月時点)

■主催:「都市景観の日」実行委員会 *下線は協賛団体も兼ねています (公財)都市づくりパブリックデザインセンタ-、(公財)都市計画協会、(一社)日本公園緑地協会、(独)都市再生機構、 (一財)民間都市開発推進機構、(公社)日本都市計画学会、(一財)都市みらい推進機構、(公社)街づくり区画整理協会、 (一社)日本屋外広告業団体連合会、全国景観会議、都市景観形成推進協議会、歴史的景観都市協議会、全国街路事業促進協議会 ■後援:国土交通省 ■協賛団体: (一財)都市文化振興財団、 (一財)計量計画研究所、(公財)区画整理促進機構、 (公社)日本交通計画協会、 (一社)再開発コーディネーター協会、 (一社)日本造園建設業協会、(一財)公園財団、(一社)ランドスケ-プコンサルタンツ協会、(公社)日本下水道協会、 (公財)自転車駐車場整備センター、(公社)立体駐車場工業会、全国土地区画整理事業推進協議会、都市再開発促進協議会 ■事務局:(公財)都市づくりパブリックデザインセンター 〒 112 - 0013 東京都文京区音羽2丁目2番2号 アベニュー音羽2階 TEL 03 - 6912 - 0799 URL https://www.udc.or.jp

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引用级事实单元(F-Units)

「都市景観の日」実行委員会は、より良い地域の景観形成を目指すための普及啓発の一環として、地域の活性化につながる取組の契機となるよう、平成3年度より、優れた都市景観を形成している地区や地域の景観に関する活動を都市景観大賞として表彰しています。

F1 本站收录原文的原句(仅去排版记号与多余空白)· 第 2 段 · mlit.go.jp 来源类别:未分类(尚未核实)

今般、応募された地区等について、都市景観大賞審査委員会にて審査をした結果、都市空間部門で5地区(大賞1地区、ほか4地区)、景観まちづくり活動・学習部門で4活動(大賞1活動、ほか3活動)が選定されました。

F2 本站收录原文的原句(仅去排版记号与多余空白)· 第 3 段 · mlit.go.jp 来源类别:未分类(尚未核实)

「住民有志の発意による100年後も語り継がれる風景づくり

F3 本站收录原文的原句(仅去排版记号与多余空白)· 第 10 段 · mlit.go.jp 来源类别:未分类(尚未核实)

報道発表資料 (PDF形式:1000KB)

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(内線32982、32985) 直通 03-5253-8954

F5 本站收录原文的原句(仅去排版记号与多余空白)· 第 20 段 · mlit.go.jp 来源类别:未分类(尚未核实)

常见问题(FAQ)

このニュースの要点は?

「都市景観の日」実行委員会は、より良い地域の景観形成を目指すための普及啓発の一環として、地域の活性化につながる取組の契機となるよう、平成3年度より、優れた都市景観を形成している地区や地域の景観に関する活動を都市景観大賞として表彰しています。

原文に出てくる主な数字は?

今般、応募された地区等について、都市景観大賞審査委員会にて審査をした結果、都市空間部門で5地区(大賞1地区、ほか4地区)、景観まちづくり活動・学習部門で4活動(大賞1活動、ほか3活動)が選定されました。 「住民有志の発意による100年後も語り継がれる風景づくり

このニュースの出典と公開日時は?

出典:mlit.go.jp(https://www.mlit.go.jp/report/press/toshi10_hh_000613.html)。原文の公開日時:2026-10-05。