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オリエンタル白石株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:照井 満、以下「当社」)は、特化技術であるニューマチックケーソン工法の使用現場において、作業員が急性疾患などにより自力歩行で高気圧作業室内からの退出が困難になった場合に備え、救護対象者を迅速・安全に地上に搬送するための「小型救護チャンバー」を開発しました。
小型救護チャンバーの開発により、従来の大規模・大深度ニューマチックケーソン工法使用現場のみならず、小断面ケーソン(注1)を含む、全てのニューマチックケーソン工事で救護設備として採用が可能となり、万が一の際に作業員の安全を守る体制を大幅に強化できます。
開発した小型救護チャンバー 全体像
開発の背景
ニューマチックケーソン工法は、地上で構築した鉄筋コンクリート製の躯体の下部にある作業空間に圧縮空気を送り込み、地下水の浸入を空気圧で防ぎながら掘削・沈下を行うことで、橋梁基礎や地下構造物を構築する特殊な基礎工法です。狭隘地での施工性や周辺地盤・地下水への影響を抑えられる特長から、橋梁の基礎のみならず、近年激甚化している豪雨災害対策の地下調整池やポンプ場建設などで幅広く採用されています。
上記のような優れた特徴を持つ一方、圧縮空気を送り込むため作業空間内は地上気圧よりも高い高気圧環境となり、作業員には減圧症(注2)などの特有のリスクが存在します。
当社はこれまで、作業員が作業空間内に入らなくても掘削が可能となる遠隔操縦システムや自動掘削システムの開発など、作業員の安全を確保するための技術開発を積極的に行ってきました。
そのような中、2019年3月に日本圧気技術協会より「ニューマチックケーソン工法における大深度工事の対応方針」が示されました。方針の中で新たな安全対策として、大深度圧気工事と定義される「作業気圧0.4MPaを超え0.7MPa以下」の圧力下で自力移動が困難な場合においても、マンロック(注3)もしくは現場ホスピタルロック(注4)まで救護対象者を搬送し、通常減圧により退出させる設備の設置が求められました。この方針を受け、2020年に当社が施工を担当した大深度圧気工事において救護チャンバーを開発・導入しています。しかし、大深度圧気工事で開発・導入した救護チャンバーは大深度圧気工事対応のため大型であり、施工ヤードが限られる一般のニューマチックケーソン現場や小断面ケーソン現場への展開が難しいという課題がありました。
そこで当社は、省スペース化と迅速な救出動作を両立させ、あらゆるニューマチックケーソン現場へ適用できる「小型救護チャンバー」の開発に着手しました。
小型救護チャンバーの特徴
1.小型化によりあらゆるニューマチックケーソン現場対応
救護対象者を安全に収容できる最適寸法までチャンバーの大きさを小型化(内径φ622mm・開口部φ500mm)しました。これにより、資機材の搬出入に用いるマテリアルロック(注5)を通過可能となり、小断面ケーソン現場を含むあらゆるニューマチックケーソン現場での適用が可能となりました。
開発した小型救護チャンバー小型救護チャンバーの大きさ
2.現場ホスピタルロックへの迅速な接続
対応型ホスピタルロックへの接続は、ホスピタルロック上部に設置した接続用シャフトへ、クレーンで吊り上げた小型救護チャンバーを垂直にドッキングさせる方式を採用しました。これにより接続時間を短縮し、迅速にホスピタルロック内へ救護対象者を搬送することができ,減圧を開始することが可能となります。
対応型ホスピタルロックへの接続ホスピタルロックへの接続模式図
小型救護チャンバーでの救護手順
函内救助・チャンバー収容
マテリアルロックを通じて、作業空間内に小型救護チャンバーを吊り下ろし、救護対象者を小型救護チャンバー内へ収容して気密する。
地上搬送
マテリアルロックを経由してクレーンで地上へ迅速に引き上げる。
ホスピタルロック接続・減圧治療開始
地上にある現場ホスピタルロックの接続シャフトに接続し、ホスピタルロック内へ患者を移動した上で、医師の指示に基づき適切な減圧・再圧治療を開始する。
小型救護チャンバーからホスピタルロックへの救護対象者の移動
今後の展開
当社が参画するニューマチックケーソン工事現場において、今回開発した小型救護チャンバーの導入を進めることで、作業者の万が一の際の安全性を向上させていきます。
当社は、これからも安全に安心して働くことのできる職場環境を達成するために、技術開発を含め様々な取り組みを継続して行ってまいります。
(注1)従来のニューマチックケーソン工法より小断面(直径 5~7m)で行うニューマチックケーソン工法で、掘削面積が40 ㎡未満のもの(社内名称:スリムケーソン)
(注2)高気圧環境の作業空間から地上へ戻る際、急激な減圧により血液中に溶け込んだ窒素などが気泡化して起こる障害のこと
(注2)高気圧環境の作業空間と外気の間で、作業員が安全に出入りするために設置される人用の気密室のこと
(注3)ニューマチックケーソン工法での高気圧作業において、作業室等からの脱出など減圧の短縮を伴う非常時に、地上で再加圧・減圧を行うための気密室(再圧室)
(注4)高気圧環境の作業空間と外気の間で、掘削した土砂が安全に出入りするために設置される排土用の気密室のこと
関連リリース
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