新聞正文
株式会社aba(以下、aba)は、介護にまつわる願いごとを集め、その実現に取り組む「ねかいごと」プロジェクトの一環として、「介護する人される人が、もう迷わないように」という願いの実現を目指す「Willn(ウィルン)プロジェクト」を開始しました。本人の意思を未来へつなぎ、本人・家族・介護者が「その人らしい介護」をともに考え、選択できる社会の実現に向けて取り組んでいます。
このたび、本プロジェクトの取り組みとして、株式会社博報堂(以下、博報堂)の支援のもと介護にまつわる本人の希望や考えを対話を通じてひもとき、記録する対話型AI「Willn」のプロトタイプを開発しました。今後は、このプロトタイプを活用しながら、介護期における本人・家族・介護者のコミュニケーションに関する調査研究プロジェクトを実施する予定です。
「介護する人される人が、もう迷わないように」という願いから
介護を受けることになったとき、自分はどこで、誰と、どのように暮らしたいか。日々のケアの中で、何を大切にしてほしいか。介護にまつわる希望や考えは一人ひとり異なりますが、本人があらかじめ言葉にしたり、家族や介護者と共有したりする機会は、必ずしも十分ではありません。
また、本人の意思を確かめることが難しくなったとき、家族や介護者が「本人はどうしてほしかったのだろう」と迷いながら、選択を重ねることもあります。
Willnプロジェクトは、こうした場面に向き合い、「介護する人される人が、もう迷わないように」という願いの実現を目指すものです。本人が自分の希望や考えに向き合い、その言葉を未来の家族や介護者へとつなぐことで、介護を受ける本人だけでなく、支える人の迷いや負担にも寄り添う、新たなコミュニケーションのあり方を探っていきます。
最初の取り組みとして、対話型AI「Willn」のプロトタイプを開発
本プロジェクトでは、本人の意思を未来へつなぐ方法の一つとして、博報堂の支援のもと、対話型AI「Willn」のプロトタイプを開発しました。
「Willn」は、AIとの対話を通じて、本人が日々の暮らしや人生経験を振り返りながら、介護に対する現在の希望や考えをひもとき、記録していくものです。将来、本人の同意のもとで記録した言葉を家族や介護専門職に届け、本人らしいケアや介護の選択をともに考える手掛かりとすることを目指しています。医師の診断や医療行為に代わるものではなく、医師と相談する際に本人の思いを共有する記録としても活用を想定しています。
▶Willnコンセプトムービー
コンセプトムービーでは実際の親子を起用し、撮影当日にアプリを体感してもらいながら撮影にのぞんでいます。
▶aba代表取締役CEO 宇井によるコメント 現在の介護が抱える課題や、Willnが変えていくこれからの介護のあり方について語りました。
2026年5月に実施した体験会では、自分の考えや意思を残すことへの共感や、AIだからこその語りやすさ、将来、家族や介護者に共有できることへの肯定的な声が寄せられました。こうした声を踏まえ、本人の思いを引き出し、伝えるための対話や体験のあり方を、引き続き検討していきます。
今後は、介護期のコミュニケーションに関する調査研究を実施予定
Willnプロジェクトでは、介護期における本人・家族・介護者のコミュニケーションに関する調査研究プロジェクトを実施する予定です。アンケート調査や「Willn」のプロトタイプを活用した検証などを通じて、本人の意思を伝え、受け止め、ともに介護の選択を考える上での課題や可能性を探っていきます。介護事業や終活・シニア・保険事業等に携わる企業・団体の皆さまとも意見交換を重ね、人を中心に据えたコミュニケーションやAIのあり方を検討します。
こうした調査研究を通じて得られる知見を取り組みに生かし、「介護する人される人が、もう迷わない」社会の実現を目指していきます。本取り組みや調査研究に関心をお持ちの企業・団体の皆さまは、お問い合わせください。
株式会社aba:https://www.aba-lab.com/contact
Willnプロジェクトへのコメント
けあぷろかれっじ主宰
特別養護老人ホームプレミア東松戸
施設長 後藤 晴紀
介護が必要になっても、自分の意志が伝えられなくなっても、その人の人生の歩みが止まるわけではありません。大切にしてきたこと、自分らしく生きたいという想いは、その後の人生においても尊重されるべきものです。
だからこそ、一人ひとりの想いを知り、身近な人達と共有することが大切です。
これは、将来の選択に備えるだけでなく、日々の暮らしの中で、その人の【想い】を実現することにも繋がります。
人の想いを残すことは、その人の未来を支えること。
Willnが、一人ひとりの想いを未来へつなぎ、その人らしい人生を支える懸け橋となることを期待しています。本人の声が、周囲の気づきとなり、明日からの関わりを変えていくことを願っています。
武蔵野大学 ウェルビーイング学部
教授 グスタフ・ストランデル
今の日本社会では私たちは自分自身の人生の最終段階について、十分に語り合う機会を持つ重要性があると思っています。今年は国内外でもISOの高齢社会に関する国際標準化活動や、武蔵野大学ウェルビーイング学部の学生たちとのACP(人生会議)についての議論を通じて、議論してきました。ACPは単に医療や延命治療の選択を事前に決めることではありません。自分にとって幸せとは何か、何を大切にし、どのように生き続けたいのかを考え、周囲の人々と共有するプロセスです。そして、その価値観や希望は人生とともに変化するものです。だからこそ、一度きりの意思表示ではなく、継続的な対話が重要になります。Willnのような対話型AIには、世代を超えた対話を促し、普段は言葉にしにくい想いを引き出す可能性があります。本人の自己決定を尊重すると同時に、家族や介護者の不安や負担を軽減すること。それこそが、私たちが目指すべきウェルビーイング社会の大切な一歩だと考えています。
「ねかいごと」プロジェクトについて
「ねかいごと」プロジェクトは、介護に関わるすべての人から「介護にまつわる願いごと」を集め、テクノロジーをはじめとするさまざまな力で、その一つひとつを叶えていく、abaのプロジェクトです。これからも、介護する人・される人、双方の声に耳を傾けながら、介護の新たな選択肢をつくっていきます。
〈abaについて〉
会社名:株式会社aba
代表者:宇井吉美(代表取締役CEO)
所在地:千葉県八千代市大和田新田1054-200
設立:2011年10月7日
事業内容:医療・介護・福祉分野を対象としたロボティクス技術の研究開発及びサービス
URL:https://www.aba-lab.com