新聞正文
不安を感じる人の割合は年齢で変わらない一方、将来に向けて「何もしていない」人は45〜49歳49.1%から55〜59歳63.2%に増加。役職別では課長クラスが最も「肩書きなしの自己紹介」の機会がない。SCIA「名刺定年」調査の年齢別・役職別分析
SCIA調査レポート2026 第2弾
セカンドキャリア・インキュベーション協会(SCIA、代表:小口彩子、運営:株式会社勘兵衛)は、10月13日に発表した「管理職の『社会資本』実態調査」(45〜59歳の正社員・課長クラス以上300人、調査実施機関:株式会社ネオマーケティング)について、年齢別・役職別の分析結果を公表します。
第1弾では、会社を離れた後も個人的に連絡を取り合うと思う相手が中央値2人、「0人」が38.1%という結果をお伝えしました。今回の分析で、この「0人」の割合は45〜49歳の21.8%から55〜59歳の43.8%へと、10年で2倍になることがわかりました。一方、会社を離れた後のキャリアへの不安は、どの年齢層でも6割強で変わりません。調査レポートの全文は、SCIAのサイト(https://scia.jp/meishi-teinen/)から無料でダウンロードできます。
■ 「名刺定年」とは/第2弾の分析の背景
「名刺定年」とは、会社の名刺(社名・肩書き)が使えなくなったときに、仕事上の人間関係の多くが効力を失う現象を指す言葉です。制度上の定年(退職日)とは別に、「人間関係の定年」があるという考え方で、SCIAが提唱しています。
第1弾では、管理職300人全体の数字をお伝えしました。役職定年や早期退職は50代前半から始まり、65歳までの雇用確保が完全義務化されたいまも、「会社の名刺」を手放す時期は人によって異なります。名刺定年がいつ、誰に起きているのかを確かめるため、同じ300人の回答を年齢別・役職別・従業員規模別に分析しました。
■ 第2弾の分析結果のまとめ
会社を離れても続く関係が「0人」は、45〜49歳21.8%、50〜54歳39.0%、55〜59歳43.8%。年齢が上がるほど増える「2人以下」まで広げると、55〜59歳では62.5%。10人以上続くと思う人は12.5%にとどまる会社名や肩書きを使わずに自己紹介する機会が「ほぼない」人も、36.4%→49.5%→52.1%と年齢とともに増える将来に向けて現在何もしていない人は49.1%→55.4%→63.2%。不安を感じる人の割合(65.5%・61.4%・61.1%)はほぼ変わらない役職別では、課長クラスの53.8%が肩書きなしの自己紹介の機会が「ほぼない」(部長クラスは39.6%)。続く関係「0人」も課長クラス41.3%、部長クラス31.9%従業員規模(100〜299人/300〜999人/1,000人以上)による差はほとんどなかった
■ 分析結果1 続く関係「0人」は、45〜49歳の21.8%から55〜59歳の43.8%へ
仕事上で月1回以上やり取りする相手のうち、会社を離れた後も個人的に連絡を取り合うと思う人が「0人」と答えた割合は、45〜49歳で21.8%、50〜54歳で39.0%、55〜59歳で43.8%でした。平均人数も6.4人、4.7人、3.2人と減っていきます。
55〜59歳では「0人」43.8%、「1〜2人」18.8%を合わせ、62.5%が2人以下です。「10人以上」は12.5%でした。
[グラフ1:年齢別・続く関係の人数分布]
■ 分析結果2 「肩書きなしの自己紹介」の機会も、年齢とともに減る
過去1年間に会社名や肩書きを使わずに自己紹介する機会が「ほぼない」人は、45〜49歳36.4%、50〜54歳49.5%、55〜59歳52.1%でした。会社の仕事関係以外の人から経験や知識を頼りに相談や依頼を受けたことが「ない」人も、41.8%、56.4%、57.6%と増えています。
[グラフ2:年齢別・自己紹介の機会「ほぼない」/相談を受けたことが「ない」]
■ 分析結果3 不安は変わらないのに、「何もしていない」が増える
会社を離れた後のキャリアに不安を感じる人は、45〜49歳65.5%、50〜54歳61.4%、55〜59歳61.1%と、年齢による差はほとんどありません。一方、将来に向けて現在何も取り組んでいない人は49.1%、55.4%、63.2%と増えていきます。
取り組みの内容を見ると、45〜49歳では「資格の取得」25.5%、「副業」21.8%が上位ですが、55〜59歳ではそれぞれ11.8%、6.2%に下がります。「社外の人との人脈づくり」だけは、どの年齢層でも17〜18%で変わりませんでした。
[グラフ3:年齢別・不安を感じる人の割合と、現在何もしていない人の割合]
■ 分析結果4 役職別では、課長クラスが最も「肩書きを外す機会」がない
肩書きなしで自己紹介する機会が「ほぼない」人は、課長クラス53.8%、次長クラス44.4%、部長クラス39.6%でした。続く関係「0人」も課長クラス41.3%に対し、部長クラスは31.9%です。部長クラスは「社外の人との人脈づくり」に現在取り組んでいる人が25.3%と、課長クラス(14.5%)より多くなっています。
[グラフ4:役職別・自己紹介の機会「ほぼない」/続く関係「0人」]※従業員規模別(100〜299人/300〜999人/1,000人以上)では、続く関係「0人」が41.3%、40.6%、35.5%と大きな差はありませんでした。
■ SCIAの考え方 「人脈を広げる」ではなく「経験を信頼に変える」
SCIAは、社会資本を「認知×(信用+信頼)」に分けて考えています。過去の実績に基づく信用と、「○○社の人」という認知は、会社を離れると会社に返ります。続く関係が中央値2人になるのは、能力の問題ではなく、この構造によるものです。一方、経験に基づく信頼は会社に返りません。30年の経験から「誰の、どんな課題の、一番の原因は何か」を自分の言葉で言え、そう言える根拠が経験にある。この二つが揃えば実績がゼロでも信頼が生まれ、言い続けることで頼られる関係が残ります。11月17日のイベントでは、この順番を調査の数字とあわせてお話しします。
[図5:認知×(信用+信頼)の四象限。在職中は右上、名刺定年で左下へ。経験から信頼を築き、言い続けて認知を取り戻す道を矢印で示す。右側に「持ち出せるもの・返すもの」の一覧]
■ 代表コメント
セカンドキャリア・インキュベーション協会 代表 小口彩子
「45〜49歳と55〜59歳で、不安を感じる人の割合はほとんど同じです。それなのに、会社の外に続く関係は半分に減り、何もしていない人は増えています。年齢とともに意欲が下がったというより、会社の中での役割が重くなるほど、会社の外で自分の名前を使う機会がなくなっていく、ということだと考えています。
課長クラスで『肩書きなしの自己紹介』の機会が最も少ないという結果も、同じ構造を示しています。部長クラスは社外との接点が仕事の一部になりますが、課長クラスは社内で完結する仕事が中心になりがちです。
社外の人との人脈づくりだけは、どの年齢でも2割弱の人が続けています。会社の名刺が使えるうちに、肩書きを外した自分の言葉で経験を語る場を持つこと。それが、定年を迎えたあとに続く関係をつくる、いちばん確実な方法だと考えています。」
■ イベントのご案内
SCIAは2026年11月17日(火)、本調査の結果を題材にしたイベント「50代のキャリアを語る夜|リサーチレポートと交流会」を東京・大塚で開催します(登壇:小口彩子、松本淳、向山のりちか、末永晋一郎)。第1部で調査結果の報告と登壇者4名のクロストーク、第2部で参加者同士の懇親会を行います。定員40名のうち、配信時点で残席はわずかです(申込:https://peatix.com/event/5208598)。報道関係者席は別途ご用意していますので、下記お問い合わせ先までご連絡ください。
■ 調査概要
調査名:管理職の「社会資本」実態調査調査の対象:全国の45〜59歳の正社員、課長相当以上、現在の勤務先での勤続年数:5年以上、勤務先の従業員規模:100人以上の方有効回答数:300人(45〜49歳55人、50〜54歳101人、55〜59歳144人/部長クラス91人、次長クラス36人、課長クラス173人)調査方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートシステムを利用したWEBアンケート方式で実施調査実施日:2026年9月29日(火)〜2026年9月30日(水)調査実施機関:株式会社ネオマーケティング(東証スタンダード上場)
本調査は、株式会社ネオマーケティングの定量調査品質基準(https://corp.neo-m.jp/service/quality/research/)に基づいて実施しています。年齢別・役職別の集計はSCIAが行いました。調査レポート(全文・無料)は https://scia.jp/meishi-teinen/ からダウンロードできます。
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。 ※続く人数の設問は、やり取りする相手を1人以上と回答した299人が対象です。 ※45〜49歳(55人)、次長クラス(36人)は回答者数が少ないため、数値は参考値としてご覧ください。
【引用・転載時のお願い】本調査結果を引用・転載する際は、「セカンドキャリア・インキュベーション協会(SCIA)調べ(調査実施機関:株式会社ネオマーケティング)」とクレジットを明記してください。
■ 団体概要・お問い合わせ先
【団体概要】 名称:セカンドキャリア・インキュベーション協会(SCIA)/代表:小口彩子/運営:株式会社勘兵衛/所在地:福井県大飯郡高浜町宮崎45-10/事業内容:50代以降の経験を、社会で生かせる形にする3ヶ月のインキュベーションプログラムの運営/URL:https://scia.jp
【調査実施機関概要】 名称:株式会社ネオマーケティング/所在地:東京都渋谷区南平台町16-25 養命酒ビル11F/代表者:代表取締役 橋本光伸/資本金:8,574万円/事業内容:マーケティング支援事業/URL:https://corp.neo-m.jp/
【本件に関するお問い合わせ先】 セカンドキャリア・インキュベーション協会 広報担当/メール:info@scia.jp