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日本メナード化粧品株式会社(愛知県名古屋市中区丸の内3-18-15、代表取締役社長:野々川 純一)は、新たに開発した「再帰性反射」の特性を持つ球状粒子(以下、再帰性反射粉体)※1を応用し、様々な光の入射角において、タルミによる影を自然にカバーする効果を実証しました。これは、再帰性反射粉体がもたらす、オプティカル・フィリング※2の効果によるものと考えられます。本研究から、日常生活の中で顔の向きや照明環境が変わっても、タルミを自然に目立たなくすることが期待されます。
動画:タルミ再現顔マネキンを用いた動的な照明環境における「再帰性反射粉体」の陰影カバー効果の検証
従来、メイクアップ化粧品でほうれい線や目ぶくろといったタルミによる影を隠すには、ワントーン明るい色で隠す、パール剤配合のパウダーで光を反射させて明るく見せるなど、複数のアイテムやテクニックが必要でした。しかし、こうした方法では厚塗り感が出たり、かえって不自然な仕上がりになることも多く、「自然な仕上がり」と「タルミを目立たなくする効果」の両立は長年の課題となっていました。
この課題を解決するため、メナードは、入射した光を光源の方向へ反射する「再帰性反射」の特性を備えた独自の球状粒子(以下、再帰性反射粉体)を開発しました※1。この再帰性反射粉体は、タルミの凹み部分に入り込んだ光を内部で反射させて影を埋めるように働き、タルミによる影を目立たなくすることが分かっています(オプティカル・フィリング)※2。
今回、光の入射角(照明の当たる角度)による影の変化に着目して検証を行いました。その結果、この再帰性反射粉体を用いることで、入射角が変化しても目ぶくろの影を安定してカバーできることが明らかとなりました。さらに、自然な血色感を損なわないことも確認しました。これらのことから、日常の様々な照明環境の下でも、自然な仕上がりを保ちながらタルミによる影を目立たなくする効果が期待されます。この技術を活用し、顔の向きや照明環境の変化に左右されることなく自然にタルミを目立たなくする、新しいメイクアップ化粧品の開発につなげていきます。
なお、本研究の成果は2026年10月29日から30日に開催された2026年度色材研究発表会にて発表しました。
※1 2025年6月20日配信ニュースリリース https://corp.menard.co.jp/research/news/No.6_20250620.pdf
※2 2026年10月6日配信ニュースリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000129.000048666.html
<参考資料>
1.再帰性反射粉体による自然な陰影カバー効果
加齢に伴って目立ってくるほうれい線や目ぶくろによる深い影は、見た目の印象を大きく左右します。こうした影を隠すには、肌よりワントーン明るい色を重ねたり、パール剤配合のパウダーで光を反射させて明るく見せたりするなど、複数のアイテムやテクニックが必要とされてきました。しかし、色を重ねる方法は厚塗り感が生じやすく、パール剤による反射はかえってタルミを目立たせる原因になることも少なくありませんでした。そのため、「自然な仕上がり」と「タルミによる影を目立たなくする効果」の両立は長年の課題となっていました。
この課題を解決するために、メナードはどの方向から光が入っても光源の方向へ反射する「再帰性反射」という光学特性に着目しました。そして、この原理を初めて化粧品原料に応用し、独自の再帰性反射粉体を開発しました※1。この再帰性反射粉体は、斜め上方から入射した光が凹み部分に入り込み、内部で反射して影を埋めるように働く「オプティカル・フィリング(光学的充填)」という現象を起こします(図1)※2。
※1 2025年6月20日配信ニュースリリース https://corp.menard.co.jp/research/news/No.6_20250620.pdf
※2 2026年10月6日配信ニュースリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000129.000048666.html
図1 オプティカル・フィリングで深い影を目立たなくするイメージ
2.日常生活の照明環境(入射角の変化)におけるタルミの見え方と課題
レフ板を使用した写真撮影やリングライトを用いたオンライン会議など、正面や低い位置から顔に光が当たる場面では、タルミの影が直接照らされ目立ちにくくなります。しかし、天井照明や太陽光のように上方から光が差し込む環境では、光の照射位置が高くなるにつれてタルミの溝部分に深い影ができ、目立ちやすくなります(図2)。このように、日常の様々な光の入射角は、タルミの影の見え方を大きく左右する要因となっています。
図2 タルミ再現顔マネキンに様々な角度から照射した際の見え方
3.動的な照明環境における陰影カバー効果の検証
光の入射角が変化すると、タルミによる影の濃さが大きく変化します。そこで、この現象に対する再帰性反射粉体のカバー効果を検証するため、入射角を動的に変化させた環境下で評価を行いました。
隠ぺい力のないフェイスパウダーに、再帰性反射粉体を配合したもの(以下、配合パウダー)と、未配合のもの(以下、未配合パウダー)を、タルミを再現して作成した顔マネキンにそれぞれ塗布して、正面水平方向を0度(基準)とし、斜め下方30度(-30度)から上方75度(+75度)まで入射角を変化させて撮影しました。今回、特に陰影の変化が大きい目ぶくろ部分について、各入射角における画像解析を行いました(図3)。その結果、未配合パウダーでは入射角が大きくなるにつれて、目ぶくろ部分の明暗差が顕著になるのに対し、配合パウダーでは、入射角が大きくなっても明暗差が小さく抑えられることが確認されました※3。
これは、照明がどの角度から当たっても、影の濃さが大きく変化することなく、安定してタルミが目立たない状態を維持できることを示しています。つまり、再帰性反射粉体を配合することで、会話中の顔の向きやオフィスの蛍光灯の下、薄暗いレストランでの食事といった日常生活のあらゆるシーンにおいて、自然にタルミを目立たなくする効果を発揮できると考えられます。
※3 目ぶくろを含む一定範囲内で、一番暗い部分(影)と一番明るい部分(周囲の肌)との明度差(ΔL *)を算出
図3 入射角の変化に伴うタルミ再現顔マネキンの目ぶくろ周辺の明暗差比較
4.ヒトの肌における再帰性反射粉体による陰影カバー効果の検証
再帰性反射粉体のタルミに対するカバー効果について、30代~50代の女性16名を対象に、実際の肌(目ぶくろ)で検証しました。隠ぺい力のないフェイスパウダーに、再帰性反射粉体を配合したもの(以下、配合パウダー)と、未配合のもの(以下、未配合パウダー)をそれぞれ塗布し、日常の室内照明環境を想定した「斜め上方60度からの強い光(直接光)と、正面からの弱い光(間接光)が当たる照明」の下で顔を撮影し、目ぶくろ部分の画像解析を行いました※4。
その結果、配合パウダーは未配合パウダーと比較して、目ぶくろ部分の明暗差を小さくする一方で、赤み(血色感)には差がなく、自然な仕上がりが保たれていることが分かりました(図4)。また、女性26名による印象評価においても、配合パウダーを塗布した肌の方が「目ぶくろが目立たない」と選ばれ(図5)、目ぶくろ部分の陰影に対する自然なカバー効果が実証されました。
※4 目ぶくろを含む一定範囲内における、最も暗い部分(影)と最も明るい部分(周囲の肌)との明度差(ΔL*)と、範囲全体の赤みの平均値を算出
図4 目ぶくろ周辺の明暗差と赤み
図5 再帰性反射粉体を配合したフェイスパウダーを塗布した肌(目ぶくろ)の代表例と印象評価の期待確率※5
※5 被験者や評価者による個人差のばらつきを統計的に補正・考慮した上で、配合パウダー塗布の方が『目立たない』と判定される確率を算出〈一般化線形混合モデル(GLMM)による解析〉