ニュース本文
JHDC2026の表彰後、トロフィーを持つ新田千香子
福井県敦賀市で1940年に創業したコーヒー店、有限会社新田珈琲(取締役社長:新田和雄)の新田千香子(にった・ちかこ)が、2026年10月16日に東京ビッグサイトで行われた「ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ2026(JHDC2026)」で優勝しました。
全国で定員224名の予選が行われ、14名が決勝に進出しました。千香子は2016年の初出場から11年目の挑戦で、2017年・2019年の全国3位を経て、初めての優勝をつかみました。
2018年のJCTC(ジャパンカップテイスターズチャンピオンシップ)に続く優勝で、味を見分ける大会と、コーヒーを淹れる大会の両方で日本一となる、通算2冠を達成しました。
新田珈琲からは2023年・2024年に新田和雄、2025年に新田衣祥(いぶき)が優勝しており、同じ店から4年続けて、家族3人がそれぞれハンドドリップの日本一となりました。
同じ店からの4連覇はもちろん、家族での4連覇も、JHDC史上初です。
一家3人、4年続けてのハンドドリップ日本一
新田珈琲からは、次のように優勝者が出ています。
2023年 新田和雄(取締役社長)
2024年 新田和雄(2連覇)
2025年 新田衣祥(長女・20歳4か月、大会史上最年少)
2026年 新田千香子(和雄の妻)
味わう大会と淹れる大会、2つの日本一
千香子は2018年、コーヒーの味の違いを見分ける力を競う「ジャパンカップテイスターズチャンピオンシップ(JCTC)」で優勝しました。翌2019年には日本代表として、ドイツで開催された世界大会「ワールドカップテイスターズチャンピオンシップ(WCTC)」に出場し、14位となりました。
そして2026年、今度はコーヒーを淹れる技術を競うJHDCで初優勝。味わいを見極める力と、その味わいを引き出す技術の両方で日本一となりました。
JHDC2026決勝で、ジャッジの前で抽出する新田千香子
JHDCの競技内容:同じ豆で、量の違う2杯を同じ味に
JHDC(ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ)は、一般社団法人日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)が主催する、ハンドドリップでコーヒーを淹れる技術を競う大会です。
予選(ドリップ競技)
当日に発表される豆を使い、10分の間に、量の違う2杯(150〜200mlと300〜400ml)を淹れ分けます。淹れたコーヒーは、競技する人が見えない場所にいる3人の審査員が飲み比べ、2杯の味わいがそろっているか(均一性)と、量の多いほうの味わいを評価します。
決勝(ドリップ競技+フリー競技)
決勝は、予選と同じ形のドリップ競技と、フリー競技の合計点で順位が決まります。フリー競技では、大会のおよそ1か月前に練習用として配られた豆を使い、11分の間に、プレゼンテーションをしながら量の違う2杯を淹れ、3人のセンサリージャッジに注ぎ分け、計6杯を出します。審査は、味わい、2杯の均一性、プレゼンテーション、技術などについて行われ、11分を超えると失格になります。
決勝のフリー競技で淹れた一杯:「大粒と小粒」の違いに着目
使ったコーヒー
大会が課題豆として用意したのは、ニカラグア・マタガルパ県のエル・リモンシリョ農園で育った、イエローパカマラ(ウォッシュト)です。2004年、この農園の赤い実をつける区画で、黄色い実をつける木が3本だけ見つかり、農園主のミエリヒ家が20年以上かけて守り育ててきた品種です。
気づいたこと
パカマラは粒が大きいことで知られる品種ですが、千香子は、今回の豆の粒の大きさに幅があることに気づきました。大粒と小粒に分けて味を確かめると、大粒からは柑橘のような明るい酸を、小粒からはココアのような甘さと、口に残る重さを感じたといいます。千香子は、この二つが重なって生まれる複雑な味わいを、このコーヒーの魅力と捉えました。
淹れ方の工夫
淹れたコーヒーを順に分けて味をみると、はじめに酸、次に甘さ、最後に後味の重さが出てくることがわかりました。千香子はこの時間の差に着目し、粉の量、挽き方(粒度)、お湯の温度の3つで味わいを調整しました。前半は高い温度のお湯で明るい酸と風味を引き出し、後半は温度を下げて後味の重さを抑え、酸に甘さを重ねています。
使った器具
豆はやや粗めに挽いて、明るい酸を取り出しやすくしています。ドリッパーは大きな一つ穴で湯通りのよいものを、フィルターは目詰まりしにくいものを選び、注ぎ方で味わいを調整しやすくしています。
グラインダー:カリタ ナイスカットG ドリッパー:CAFEC フラワードリッパー フィルター:CAFEC アバカフィルター
プレゼンテーションの言葉から
「農園や生産者の歩みを知り、さらに、見える部分をよりよく見ることで、新しい魅力を見つけ、その魅力を活かして、私が目指す一杯に仕上げました。」
優勝までの道のり:2016年の初出場、2度の全国3位を経て、11年目の初優勝へ
JHDC2026決勝の表彰式で、表彰を受ける新田千香子
千香子は2016年にJHDCに初めて出場し、2017年と2019年に全国3位となりました。その後も挑戦を続け、初出場から11年目の今年、初めて優勝しました。
今年は、新田珈琲として4年連続の優勝がかかる大会でした。
決勝のフリー競技に向け、予選後の3月から準備を始め、9月に課題豆が届いてからは、豆の観察や、淹れたコーヒーを順に分けて味をみる確認を重ねながら、原稿を何度も書き直しました。11分の中で淹れながら話しきれるよう、言葉を絞り込んでいます。
新田千香子のコメント
「定員224名の予選から始まった今大会で優勝し、2023年・2024年の新田和雄、2025年の新田衣祥に続いて、新田珈琲として4連覇を達成することができました。2018年のJCTCに続き、2つ目のタイトルを獲得できたことも、本当に嬉しく、感無量です。
4連覇という大きなプレッシャーとの戦いで、競技の直前は胃が痛くて仕方がありませんでした。今回の優勝は、決して私一人の力ではたどり着けなかったものだと思っています。いつも応援してくださるお客様、支えてくれたスタッフの皆さん、そして大会を開催してくださったSCAJの皆様、運営・委員・ボランティア・ジャッジの皆様、ご一緒に競技をさせていただいた選手の皆様に、心より感謝申し上げます。」
JHDC2026の表彰後、トロフィーを持つ新田千香子
人物紹介
JHDC2026で抽出する新田千香子
新田千香子(にった・ちかこ) JHDC2026・JCTC2018 優勝(通算2冠)
新田珈琲では品質管理を中心に、店頭での接客や抽出など、すべての業務に携わっています。ブラジルやコロンビアの生豆の買い付けも行っています。
主な資格:SCA Licensed Q Grader(Qグレーダー)、クラシフィカドール(ブラジルコーヒー鑑定士)、J.C.Q.A.生豆鑑定マスター
主な競技歴:JCTC2018 優勝、WCTC2019(世界大会・ドイツ)14位、JHDC2017・2019 全国3位、JHDC2026 優勝
JHDC2024で抽出する新田和雄
新田和雄(にった・かずお) 有限会社新田珈琲 取締役社長 JHDC2023・2024(2連覇)
1940年創業の新田珈琲の三代目です。大阪でソフトウェアエンジニアとして働いたのち、家業を継ぎ、現在は取締役社長を務めています。
主な資格:J.C.Q.A.認定コーヒー鑑定士、SCA Licensed Q Grader(Qグレーダー)、クラシフィカドール(ブラジルコーヒー鑑定士)
コーヒーの資格を多数有し、J.C.Q.A.の講師として、コーヒーインストラクターの育成にも携わっています。著書に『新田珈琲の抽出』があります。
JHDC2025で抽出する新田衣祥
新田衣祥(にった・いぶき) JHDC2025 優勝(最年少優勝)
和雄と千香子の長女です。2025年に、20歳4か月の大会史上最年少でJHDCに優勝しました。
主な資格:SCA Licensed Q Grader(Qグレーダー)、コーヒーインストラクター1級
大会概要
大会名:ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ2026(JHDC2026)
開催日:2026年10月16日(決勝)
会場:東京ビッグサイト(東京都江東区)
主催:一般社団法人日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)
決勝の映像:SCAJ公式YouTube(新田千香子の決勝フリー競技は、3時間19分26秒ごろから)
https://youtu.be/DmOSGvxH9o0?t=11966s
競技ルール:SCAJ公式サイト(ルール規約・スコアシートなどの大会資料を掲載)
https://scaj.org/activity/competitions/jhdc-2/2026-competition
過去の大会結果:SCAJ公式サイト(2012〜2025年の歴代優勝者を掲載) https://scaj.org/activity/competitions/jhdc-2/past_results
新田珈琲について
新田珈琲は、1940年(昭和15年)1月に福井県敦賀市本町で創業した自家焙煎コーヒー専門店です。 現在は三代目の新田和雄を中心に、家族でコーヒーの品質向上に取り組んでいます。
世界各地から選んだコーヒー豆を店内で焙煎し、店頭での豆の販売や抽出のほか、オンラインショップでも全国のお客様にコーヒーをお届けしています。
私たちについて(詳細): https://nitta.coffee/about/
Instagram:@nitta_coffee オンラインショップ:https://base.nittacoffee.com/
ご取材について
新田千香子、新田和雄への取材をお受けします。敦賀市本町の店舗での取材・撮影や、抽出の実演もできます。新田衣祥は海外へ渡航するため、取材のご対応が難しい状況です。
会社概要
会社名:有限会社新田珈琲
所在地:〒914-0051 福井県敦賀市本町1-11-3
代表者:取締役社長 新田和雄
創業:1940年(昭和15年)1月
事業内容:自家焙煎コーヒー豆の製造・販売(店頭・オンライン)、店頭での抽出販売
URL:https://nitta.coffee/
お問い合わせ先(報道関係者向け)
有限会社新田珈琲
担当:新田和雄
TEL 0770-22-0298
Mail:info@nitta.coffee