新聞正文
NVIDIA DSX により、欧州の企業は冷却用水の消費量を最大 100% 削減し、最大 30% 少ない電力で同じ AI 出力の生成を実現
ニュース概要:
NVIDIA DSX のリファレンス デザインは、閉ループ式の液体冷却とドライクーラーを採用し、施設の冷却用水の消費量をほぼゼロに。2 ギガワット規模の導入では、18 万世帯の 1 日の水使用量に相当する、1 日あたり 5,400 万リットルの節水が可能になる見込み
欧州の AI クラウドは、NVIDIA DSX ベースの AI ファクトリーを構築、運用しており、地域内の企業、開発者、政府機関がアクセラレーテッド コンピューティングを利用できる機会を拡大
NVIDIA DSX MaxLPS ソフトウェアは、事業者が使用する電力を最大 30% 削減して同じ数のトークンを生成できるように支援。CoreWeave、Firmus、Google Cloud、IREN、Lambda、Nebius、Nscale、SharonAI がこの技術を使用。また、DSX Flex ソフトウェアは、AI ファクトリーを柔軟に調整できる電力負荷へと変えることで、電力網の信頼性をサポートし、より迅速な電力網への接続が可能に
物理的な機器のシミュレーション対応のデジタル モデルを集約するハブである NVIDIA SimReady Central は、 Hugging Face で公開され、検証済みの電力および冷却アセットを提供することで、事業者が DSX AI ファクトリーのデジタル ツインをより迅速に構築してシミュレーションできるように支援
新しい NVIDIA DSX OS オープン ソース ソフトウェアは、インフラのライフサイクルを自動化し、正常性管理の自動化とレジリエンス機能を向上させ、事業者が大規模な AI ファクトリーを運営できるよう支援
設計と建設をリードする AVEVA、Dassault Systèmes、Siemens、およびエネルギーと冷却のプロバイダーである ABB、Eaton、GE Vernova、Hitachi Energy、Schneider Electric、Siemens Energy、Trane Technologies、Vertiv を含む拡大するエコシステムは、AI ファクトリーの設計、電力、冷却、運用を連携させ、欧州におけるアクセラレーテッド コンピューティングの構築を支援
2026 年 10 月 21 日、ベルリン、GTC Berlin — NVIDIA は本日、欧州の主要エコシステム パートナーが、 冷却用水の消費量を最小限に抑え、より少ない電力で同じ AI 出力を実現する AI ファクトリーを構築するために、NVIDIA DSX™ AI ファクトリー プラットフォームを採用していることを発表しました。このプラットフォームは、新たな処理能力の稼働開始を早めるとともに、電力網の信頼性を支えるためにワークロードの消費電力を調整できるよう、パートナーを支援します。
NVIDIA DSX は、世界をけん引するインフラ企業と共同開発した、フルスタックの AI ファクトリー向けリファレンス アーキテクチャです。コンピューティング、ネットワーキング、ストレージ、ソフトウェア、電力、冷却を単一のシステムとして協調設計し、設計から運用までを最適化しています。
AI クラウド事業者や、設計、建設、エネルギー、冷却の主要プロバイダーは、DSXを活用して、欧州の企業、開発者、政府機関に役立つインフラを構築し、運用しています。
NVIDIA の DSX 製品管理担当バイス プレジデントであるウォーレン バークレー (Warren Barkley) は、次のように述べています。「欧州の技術的なリーダーシップは、電力とインフラをいかに効率的にインテリジェンスに変換できるかにかかっています。NVIDIA DSX は、通信業者が責任をもってシステムを構築し、大規模かつ効率的な運用し、そしてインテリジェンスをより迅速に市場投入を実現するために必要な技術と、エコシステムの専門知識を統合します」
NVIDIA DSX プラットフォームには、動的な電力配分を行う DSX MaxLPS™、電力網の状況に合わせてワークロードの消費電力を調整する DSX Flex、検証されたインフラ アーキテクチャを提供する DSX Reference Design、シミュレーション用の DSX Sim™、インフラ管理向けの DSX OS™、コンピューティングと施設システムを接続するための DSX Exchange™ が含まれます。これらの技術は、事業者が貴重なリソースを節約する AI ファクトリーの設計、展開、運用に役立ちます。
NVIDIA DSXで冷却を再考する
従来の冷却塔は水を蒸発させることで熱を除去するので、交換用水の継続的な供給が必要です。 NVIDIA DSX リファレンス デザインは、液冷コンピューティングと、蒸発を伴わないドライクーラーによる放熱を組み合わせています。冷却液は、コンピューティング機器から熱を吸収し、閉ループ内を循環します。大型ラジエーターに似ている屋外用ドライクーラーは、水を蒸発させることなく、その熱を空気に放出します。
NVIDIA Vera Rubin インフラは、最大 45 度の冷却水温度で 100% の液体液冷をサポートします。 ドライクーラーを採用した設計により、このアーキテクチャは施設の冷却用水の消費量をほぼゼロに抑えることができます。2 ギガワット規模では、NVIDIA DSX は従来の冷却塔を用いたシステムと比較して、18 万世帯の 1 日の水使用量に相当する、1 日あたり 5,400 万リットルの節水を実現できます。最も暑い時期に補助的な機械式冷却が必要かどうかは、現地の気候条件によって異なります。
より少ない電力で同じ AI 出力を実現
事業者が稼働させられる処理能力は、利用可能な電力によって決まります。DSX MaxLPS と DSX Flex は、この制約に対処します。
DSX MaxLPS は、AI ファクトリーに割り当てられた電力予算内で電力を動的に配分し、事業者が最大 30% 削減した電力で、同じ数のトークンを生成できるように支援します。 また、事業者は、この効率性を活用して、既存の電力予算内で、より多くのGPU容量とより高いスループットをサポートすることもできます。 CoreWeave、Firmus、Google Cloud、IREN、Lambda、Nebius、Nscale、Sharon AI は、このソフトウェアを検討しています。
DSX MaxLPS を搭載した NVIDIA HGX™ B200 システム全体で概念実証実験を実施したところ、Lambda は、固定された電力予算内で、クラスタ トークン スループットが 24% 向上し、GPU 容量が 19% 増加することを実証しました。
AI ファクトリーの電力需要と電力網の協調
DSX Flex は、AI ファクトリーが電力網にとって柔軟な資産になるのを支援し、事業者がユーティリティのニーズ、需要応答の発動、エネルギー価格に合わせてワークロードの消費電力を調整できるようにします。 また、電力網からの電力、敷地内の再生可能エネルギー、蓄電システムを協調制御することで、AI ファクトリーが電力需要を柔軟に調整できるようにし、電力網の安定性を支えるとともに、電力網への接続の迅速化に貢献します。
初期の試験では、Emerald AI、EPRI、Nebius、英国のNational Grid、NVIDIA は、シミュレーションされた電力網の変動に応じて、NVIDIA Blackwell Ultra GPU クラスター上で、重要なワークロードは継続して稼働しながら、クラスターの消費電力を最大 40% 削減できることを実証しました。
Nscale、NVIDIA DSX で AI ファクトリーの効率を向上
Nscaleは、DSX MaxLPS、DSX Flex、DSX Simを活用して、NVIDIA DSX プラットフォームが、電力の最適化、電力網の状況に応じた運用、設計をどのように接続するかを実証します。
アイスランドにある Nscale の AI ファクトリーで実施された評価では、4 台の NVIDIA GB300 NVL72 ラックで DSX MaxLPS を活用して、Nscale は、割り当てられた同じ 264 キロワットの電力予算内で、推論スループットを 49% 向上させ、管理可能な GPU 容量を37% 向上させることを実証しました。 この結果は、動的な電力配分によって、既存のインフラからさらなる処理能力を引き出すことが可能であることを示しています。
Nscaleは、電力網の状況に合わせてワークロードの消費電力を調整するために、DSX Flex の活用を検討しています。
Nscale の創業者 兼 CEO である Josh Payne 氏は、次のように述べています。「欧州の AI に対する大きな目標を実現するには、すべてのメガワットを活用する必要があります。NVIDIA DSX を活用して、利用可能な電力からより多くのコンピューティングを実現し、電力網の状況に対応し、設計から展開に至るまでを迅速に進める AI ファクトリーを構築しています」
ポルトガルとアイスランドの施設では、Nscale は DSX Sim を活用して、展開前に電力、冷却、インフラ構成を評価するのに役立つデジタル ツインを構築しています。 仮想環境で設計を検証することで、Nscaleは潜在的な問題を早期に特定し、展開のリスクを軽減し、計画から本番環境への移行を高速化できます。
DSX Sim と SimReady Central Library による AI ファクトリー設計の高速化
NVIDIA は、Vertiv などのパートナーが提供する、検証済みの電力および冷却機器アセットを備えた SimReady Central Library を公開し、DSX AI ファクトリーのデジタルツインの作成を加速します。
DSX Sim と組み合わせて使用することで、PTC をはじめとするエコシステム パートナーは、コンピューター支援設計 (CAD) を使用して、これらのシミュレーション対応のアセットの作成を支援しています。これにより、SimReady ワークフローが実現し、建設業者は機器を設置する前にインフラ構成をモデル化し、電力と冷却の意思決定を評価できるようになります。 事業者は、設計を早期に検証し、展開のリスクを軽減し、計画から建設に迅速に移行できます。
NVIDIA DSX OS で本番環境への準備を促進
設置済みのインフラを実稼働可能な処理能力へと変えられるよう事業者を支援するため、NVIDIA は、モジュール型のオープンソース DSX OS ポートフォリオを拡充し、次の 3 つのコンポーネントを開発者向けプレビューとして提供します。
NVIDIA Config Manager : AI ファクトリーのネットワーク設定を自動化
NVIDIA Rack Management Service : ラック単位の電力、在庫、ファームウェア、スイッチの管理を提供
NVIDIA Cluster Readiness Engine : 本番ワークロードの投入前に分散ワークロードを実行して GPU クラスターを検証し、障害の発生箇所を特定のノードに絞り込む
NVIDIA Infrastructure Controller、NVIDIA AI Cluster Runtime、NVSentinel と共に、これらのコンポーネントは、運用担当者がインフラのライフサイクル管理を自動化し、一貫したランタイム環境を維持し、正常性検証、障害の原因特定、および復旧を強化できるよう支援します。
Aleria、Cassava、CoreWeave、Crusoe、Firmus、Firebird、G42、GMI Cloud、IREN、Lambda、Nebius、Nscale、Radiant、Sharon AI、Volta などのクラウド パートナーは、インフラのライフサイクル管理を自動化し、レジリエンスと信頼性を向上させるために、NVIDIA DSX OS の最新コンポーネントを検討しています。
欧州の AI ファクトリー エコシステム全体で設計、電力、冷却を連携
NVIDIA の産業用ソフトウェア、電力、冷却のパートナーは、施設インフラとアクセラレーテッド コンピューティングを結び付ける DSX のリファレンス デザイン、ライフサイクル全体にわたるデジタル ツイン、認定機器を通じて、欧州の AI ファクトリー構築を推進しています。
Schneider Electric は、NVIDIA Vera Rubin インフラ向けの電力と冷却のリファレンスデザインを開発し、AVEVA と協力してインフラの設計、建設、運用に及ぶデジタル ツインに取り組んでいます。
Procore は、DSX Sim と統合された建設管理プラットフォームを通じて、AI ファクトリーの構築を支援しています。
Siemens は、DSX Sim を活用して電力、冷却、音響をシミュレーションし、Dassault Systèmes と Vertiv は、Vertiv OneCore インフラ向けのデジタル ツイン ワークフローを開発しています。
ABB は、NVIDIA DSX Sim を活用して SimReady アセットを開発しており、エンジニアが建設前に電源からラックまでの電力供給アーキテクチャを評価できるようにするとともに、新たに発表した Infinitus 直流製品ポートフォリオを通じて、800 VDC(800 ボルト直流)の開発を推進しています。
パートナーは、DSX リファレンス デザインに沿った、電力および冷却インフラも提供しています。 Trane Technologies と Eaton は最近 NVIDIA と協力し、NVIDIA Vera Rubin リファレンス デザイン向けの統合設計を通じて、データセンターの効率向上と設置コストの削減を支援しました。この設計は、Eaton の Beam プラットフォームおよび電力インフラと、Trane Continuum の冷却システムおよび協調制御を、電力網からチップまでをつなぐアーキテクチャに統合したものです。Trane Technologies は、大規模な熱管理インフラの計画を支援するため、DSX に基づく 250 メガワット規模の冷却リファレンス デザイン 3 件を含む、計 7 件の熱管理システムのリファレンス デザインを公開しています。
NVIDIA DSX Readyプログラムを通じて、構築事業者は該当する DSX カテゴリーで認定された機器を選択できます。いずれも冷却液分配装置である Trane Technologiesの LiquidStack GigaModular と Vertiv の 2.3 メガワットの CoolChip は、それぞれの該当カテゴリーで認定を取得しています。また、Hitachi Energy のバッテリー エネルギー貯蔵システムは、NVIDIA DSX Ready BESS 認定を取得しています。
エネルギー供給と電力網への統合のために、GE Vernova、Hitachi Energy と Siemens Energy は、施設の要件に基づいて、エネルギー システム のエンジニアリングと電力網計画を連携させる電力インフラとデジタル ツインの取り組みで、NVIDIA と協力しています。 Hitachi Energy は、電力網、発電、蓄電のリソースをワークロード需要に合わせて最適化するために、自社のエネルギー管理システムと DSX Flex の統合を開発しています。
ジェンスン フアンによる GTC ベルリン基調講演を視聴し、セッションをご確認ください。
※本発表資料は米国時間 2026年10 月 21 日に発表されたプレスリリースの抄訳です。
NVIDIA について
NVIDIA (NASDAQ: NVDA) は AI とアクセラレーテッド コンピューティングの世界的なリーダーです。