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ジェームズ ダイソン財団は、国際学生デザイン・エンジニアリングアワードであるJames Dyson Award(ジェームズ ダイソン アワード、以下JDA)の2026年度国際トップ20作品を発表しました。世界各国から寄せられた革新的な発明が選ばれる中、日本からは法政大学卒業生4名が開発した火を使わないデジタル仏具「morito」が国際トップ20に選出されました。
JDAは2005年の初開催から21年間にわたり、大胆な発想で課題解決に挑む若き発明家を称え、そのアイデアを実社会で役立つ発明へと発展させることを後押ししてきた国際的なデザイン・エンジニアリングアワードです。今年も、医療へのアクセス向上や環境の持続可能性、災害対応など、さまざまな課題の解決を目指す作品が世界中から2,200件以上寄せられました。
国際トップ20作品は、イギリス、アメリカ、シンガポール、マレーシア、フィリピンに拠点を置くダイソンのエンジニア12名が、機能性、デザインプロセス、独創性、商業的実現可能性を基準に選出しました。今後、ダイソン創業者のジェームズ ダイソンが最終審査を行い、最優秀作品を11月4日(水)に発表します。最優秀賞受賞者には、発明のさらなる発展を支援するため、賞金30,000ポンド(約630万円*¹)が授与されます。
日本発、火を使わないデジタル仏具「morito」が国際トップ20に選出
「morito -火を使わないデジタル仏具-」は、法政大学卒業生の山田 颯人氏、須田 丈晴氏、廣瀬 一紀氏、眞砂野 湧氏の4名が開発した、火気を使わずに供養の所作を行える、安全な供養品です。ミストをLEDで照らすことで擬似的な炎を生み出し、従来の供養が持つ「光・煙・香」の情緒を受け継ぎながら、火を使わずに供養の所作を行えるように設計されています。火の扱いに不安を抱える高齢者にも、安心感と視覚的な満足感のある供養体験を提供することを目指しています。
開発のきっかけは、筋力が弱くライターで火をつけられない祖母が、祖父の供養のために台所のコンロで線香に火を灯す姿を見て、危険を感じたという開発メンバーの経験にあります。この経験から、年齢を問わず、火を扱うことに不安のある人も安全に故人を偲べる方法を模索しました。日本では、65歳以上の高齢者が総人口の29.6%にのぼり*²、また住宅火災による死者の約4分の3は高齢者です*³。こうした背景も踏まえ、伝統的な供養が持つ所作や心の充足感を大切にしながら、ミストによる擬似的な炎を用いることで、火を使わずに故人を偲べる「morito」を開発しました。
ダイソンのプリンシパル エンジニアでJDA 2026 トップ20の審査員であるKay Yeongは次のように述べています。
「JDAには毎年、実に幅広い分野から応募が寄せられます。今年も、子どもの健康を支える機器から地球環境に関わる構造物まで、多様な発明が集まり、その中から作品を選ぶことは容易ではありませんでした。私が特に惹かれるのは、それまで気づかなかった課題に目を向けさせてくれるような発明です。今回のトップ20にも、そうした作品が数多く選ばれています。新たな視点から課題を捉えることが、暮らしをより良くする実用的な解決策につながると考えています。最終的にどの発明が国際最優秀賞に選ばれるのか、楽しみにしています。」
■ JDA 2026 国際トップ20発明品一覧
発明品
解決のアイデア
発明者
国・地域
morito
ミストを用いた疑似炎による仏具
山田 颯人, 須田 丈晴, 廣瀬 一紀, 眞砂野 湧
日本
AnemoSwab
呼気を用いた、身体への負担が少ない呼吸器疾患検査
Yonatan Morocz
カナダ
BiDaKidney
低コストの半自動透析装置
Andrew Jacob Buensalido, Allyson Cabrestante
フィリピン
BiliRoo
新生児黄疸を治療するスリング型光線療法器具
Daniel John
アメリカ
Bobo
携帯型の月経ヘルスケア支援デバイス
Anoushka Sawardekar
イギリス
CaneSight
視覚障害者向けAIナビゲーション支援ツール
Bing He Sun
中国
Egle
ブラインドサッカー用支援マスク
Gildas Bouger
フランス
Fixwing
自己固定式の静脈留置カテーテル
Shin Ding Min, Joo Songmin
韓国
mömigo
再利用可能なオールインワン母乳管理システム
Nicolette Wong
シンガポール
Noli
メンタルヘルス看護師向けの目立ちにくい緊急通報用リストバンド
Ella Flanagan
アイルランド
NURA
手話を音声に変換するリストバンド
Samuel Nagel,
Paul Feiler
ドイツ
Reefvive
再生素材を用いたサンゴ礁再生用基盤
Yin-Rui Liao
台湾
RUDHRA
音声操作式の点字プリンター
Lingampalli Himaja
インド
Rumble Rims
競技現場で使用する脳振盪スクリーニング装置
Radhika Saran, Cleo Pontone, Sophia DeVito
アメリカ
Saturn
頭部で操作する車いすコントローラー
Seán-Jameson Galvin, Jamie Luik, Miha Arink, Lieke Neppelenbroek, Jens Peeters
オランダ
Sentinel
地震による建物の損傷を検知する埋め込み型センサー
Aldrei Ong
フィリピン
Softact
ロボット式乳房検査システム
Peng Yang, Yujie Zang, Zhiyu Xu, Jianzi Ma, Baohong Li
中国
SoleTrace
パーキンソン病の早期兆候を検出するスクリーニングツール
Hyunjae Noh
カナダ
VenaLume
静脈カテーテル挿入を支援する血管可視化装置
Umer Farhan
UAE
VocaBuddy
発話が難しい子どものための装着型コミュニケーション支援機器
Erdzean Nathaniel Sybico
UAE
2026年の日本国内最優秀賞、国内準優秀賞についてのリリースはこちら。
*1 賞金参考金額:1ポンド=約212円 https://www.jamesdysonaward.org/ja-JP/
*2 総務省統計局2026年9月20日「統計からみた我が国の高齢者」
*3 総務省消防庁「令和7年版 消防白書」第1章第1節「火災予防」 (令和6年中、放火自殺者を除く)
■ジェームズ ダイソン財団 (James Dyson Foundation)
2002年に英国で設立されたジェームズ ダイソン財団は、現在では英国以外に、米国や日本、シンガポール、フィリピン、マレーシアといった世界中の国々で、デザイン、テクノロジー、エンジニアリング教育事業をサポートしています。ジェームズ ダイソンとジェームズ ダイソン財団はこれまでに慈善目的で1億5,500万ポンドを超える寄付を行ってきました。これには、インペリアル・カレッジ・ロンドンにダイソン スクール オブ デザイン エンジニアリングを設立するため行った1,200万ポンドの寄付や、ケンブリッジ大学にダイソン センター フォー エンジニアリング デザインおよびジェームズ ダイソン ビルの設立に向けた800万ポンドの寄付に加え、マームズベリー小学校のSTEAMセンター新設および校舎拡張プロジェクトを支援するための780万ポンドの寄付が含まれます。
■ ジェームズ ダイソン アワード (James Dyson Award)
ジェームズ ダイソン アワード( https://www.jamesdysonaward.org/ja-JP/ )は、エンジニアが世界の課題を解決する力を持っていることを証明するために設立されました。ジェームズ ダイソン財団によって運営され、これまでに400点以上の発明に賞金や国際的なメディア露出を提供しています。
最新情報はJDAのInstagram( https://www.instagram.com/jamesdysonaward/?hl=en ※英語のみ )や、Dyson Newsroom( https://www.dyson.co.jp/discover/news )でも随時ご案内します。