ニュース本文
一般財団法人KIBOW(東京都千代田区、代表理事:堀義人、以下 KIBOW)が運営する「KIBOW社会投資ファンド3号」は、「かくれフードロス」を独自技術によって「新しい食材」へと再生するASTRA FOOD PLAN株式会社(埼玉県富士見市、代表取締役社長:加納千裕氏、以下 ASTRA FOOD PLAN)に出資しました。KIBOW社会投資ファンドとして29件目(23社目)の出資となります。
あわせて、ASTRA FOOD PLANの社外取締役として株式会社グロービス マネジング・ディレクターの井上陽介(グロービス経営大学院教員)が就任し、経営面からの支援を行ってまいります。
■ASTRA FOOD PLAN 事業概要
ASTRA FOOD PLANは、「『もったいない』を『おいしい!』に」をミッションに掲げるフードテックスタートアップです。
国内では年間461万トン*1のフードロスが発生し、社会課題として注目されています。一方でこの数値には産地で発生する規格外作物や食品の生産・加工過程などで生じる未利用部位など、年間約2,000万トン*2と推計される「かくれフードロス」は含まれていません。その多くは十分食べられるものであるにもかかわらず、存在すら知られていないのが実態です。ASTRA FOOD PLANは、こうした未利用部位を独自技術によって「新しい食材」へと再生しています。
独自開発した「JOSEN」(旧称:過熱蒸煎機)によって、効率的な殺菌と高い生産性を実現し、これまで捨てられていた未利用部位を、栄養価の高い食品パウダー「ぐるりこ®」へとアップサイクルし、高付加価値な食材を生み出しています。
*1 出典:消費者庁 食品ロス削減ガイドブック(令和8年度版)
*2 出典:環境省 我が国の食品ロスの発生量の推計値(令和6年度)(https://www.env.go.jp/press/press_05155.html) 食品由来の廃棄物等 約2,232万トンから食品ロス 約461万トンを除いた約1,771万トンに、規格外農作物などを加えた推計値。 「2105万トン(食品由来の廃棄物等)」=「1463万トン(事業系廃棄物+有価物)」+「642万トン(家庭系廃棄物)」 「1644万トン(年間かくれフードロス量)」=「2105万トン(食品由来の廃棄物等)」ー「461万トン(まだ食べられるにもかかわらず廃棄される食品ロス)」 さらに、農作物など食品由来の廃棄物に含まれていないものを加えると、約2,000万トン以上になるとASTRA FOOD PLANが推計。
■ASTRA FOOD PLANの特徴
ASTRA FOOD PLANは、独自の過熱水蒸気技術を用いて開発した「JOSEN」(旧称:過熱蒸煎機)により野菜の芯や皮、規格外作物といった「かくれフードロス」を過熱、粉末化しています。乾燥時間は5〜10秒、コストは1kgあたり10円~で、通常は乾燥・殺菌・粉砕など複数の工程が必要な加工を一工程で完結させることで、大幅な時間短縮、低コスト化、高い殺菌効果を実現しました。また、風味や栄養価の低下を抑えながら乾燥でき、素材本来の香りを生かしやすい点も特徴です。 「ぐるりこ®」は、家庭向けの「かおりを食べる新感覚クラフト調味料」として、オンラインサイトで販売するほか、食品事業者向けの業務用食材として幅広く活用されています。多くの企業と連携し、製造過程で生まれるかくれフードロスのアップサイクルに加え、近年高騰する食材の代替品として、コスト削減にも貢献しています。
■KIBOWによる投資の背景と目的
KIBOWは、ASTRA FOOD PLANの取り組みと特許取得済みの独自技術で、「かくれフードロス」という社会課題に対して経済合理性のある解決策を示している点を高く評価し、事業と社会的インパクトのさらなる拡大を支援するために出資を決定しました。
1.まだ知られていない課題「かくれフードロス」への社会的インパクトの創出
生産・加工段階において発生する年間2,000万トンの「かくれフードロス」に対し、「ぐるりこ®」はフードロス削減・CO2削減・廃棄コスト削減を実現しています。「JOSEN」(旧称:過熱蒸煎機)の稼働時には二酸化炭素が排出されますが、フードロス削減による排出削減効果がそれを上回るため、全体として二酸化炭素の削減につながります。
国内の獲得可能な市場規模は年間約3,000億円*3と試算されます。経済性を担保しながら大きな社会的インパクトの創出を見込んでいます。
*3 ASTRA FOOD PLANによる推計
<ASTRA FOOD PLANの目指すインパクトモデル>
2.独自の粉末化技術(特許取得済)による競合優位性
ASTRA FOOD PLANは、独自の粉末化技術により、超高速加工(5秒~10秒)、低コスト(10円~
/kg)とプロも認める高品質(味・香り・栄養価)を実現しており、特許技術を取得しています。技術とノウハウの蓄積が参入障壁を形成しており、競合優位性が高いと評価しました。
3.大手食品メーカーをはじめとする豊富な導入・受注実績
「ぐるりこ®」は、大手食品メーカーをはじめ数多くの食品事業者への導入実績があり、今後もより多くの事業者の活用および「かくれフードロス」の削減を予定しています。「かくれフードロス」のさらなる削減と事業成長が期待できると評価しました。
KIBOWは、今回の投資を通じて、「ぐるりこ®」が食品事業者にとって欠かせない存在となり、より多くの食材のフードロス削減を実現し、アップサイクルが当たり前となる社会の実現を後押ししてまいります。
■ASTRA FOOD PLANについて
設立日:2020年8月3日
事業内容:食品加工機械の研究開発・販売、食品の開発・製造・販売、食品関連事業のコンサルティング
代表者:加納 千裕
所在地:埼玉県富士見市鶴瀬東1-10-26
URL:https://www.astra-fp.com/
■代表取締役社長 加納 千裕氏からのコメント
KIBOW社会投資ファンドに、ASTRA FOOD PLANの事業をインパクトスタートアップとして評価し、期待を寄せていただいたことを大変うれしく思います。「かくれフードロス」という、まだ十分に知られていない社会課題の解決と、事業としての成長を両立させ、いただいた期待にしっかりと応えていきたいと考えています。今回の支援を力に、アップサイクルが当たり前となる社会の実現に向けて、事業をさらに加速してまいります。
<加納氏 プロフィール>
女子栄養大学(現在は日本栄養大学)を卒業後、ロック・フィールドで惣菜の製造・販売、榮太樓總本鋪で菓子の商品企画・新ブランド立ち上げなど、一貫して食品企業のキャリアを積む。2020年ASTRA FOOD PLANを設立。「JOSEN」(旧称:過熱蒸煎機)を開発し、未利用部位や規格外農作物などを粉末化した『ぐるりこ®』を販売。「かくれフードロス」解決に取り組む。ICC KYOTO 2025「スタートアップカタパルト」優勝。
■社外取締役 井上 陽介からのコメント
社会の中で構造的に発生している「フードロス」という課題に対し、テクノロジーと起業家精神で事業を通じた解決策を創り出そうとしている加納さんをはじめ、ASTRA FOOD PLANの皆さんの成長の後押しができること、心から嬉しく思っています。「『もったいない!』を『おいしい!』」に、という同社のミッションの実現に向け、社外取締役という立場から最大限支援してまいります。
<井上 陽介 プロフィール>
大学卒業後、消費財メーカーに入社し、海外部門にて中国工場のオペレーション管理等に携わる。グロービス入社後はグロービス・コーポレート・エデュケーション(GCE)部門にて、様々な業種の企業に対してコンサルティング及び研修プログラム提供を行う。グロービス名古屋オフィス新規開設においてはリーダーとして事業立ち上げを推進。その後GCE部門マネジング・ディレクターを経て、デジタル・テクノロジーで人材育成にイノベーションを興すことを目的としたグロービス・デジタル・プラットフォーム部門を立ち上げ責任者として組織をリードする。また、創造(ベンチャー、新規事業)領域の研究・開発グループの責任者も担い、自身もグロービス経営大学院や企業研修において「クリエイティビティ」「イノベーション」等のプログラムの講師や、大手企業での新規事業立案を目的にしたコンサルティングセッションを講師としてファシリテーションを行う。学習院大学法学部卒業。フランスINSEAD:IEP(International Executive Programme)、スイスIMD:HPL(High Performance Leadership)修了。
■KIBOW社会投資ファンド プリンシパル 東樹敏明 コメント
国内で年間約2,000万トン発生すると推計される「かくれフードロス」は、非常に大きな社会課題です。ASTRA FOOD PLANは、独自の技術によって未利用食材を高品質な食品へとアップサイクルし、フードロスの削減と新たな食の価値創出を両立しています。私たちは、同社の挑戦が、廃棄を前提とした食品製造システムから、アップサイクルが当たり前となる社会への転換を促すと期待しています。KIBOWとして、その挑戦と事業成長を力強く支援してまいります。
<東樹 敏明 プロフィール>
大学卒業後、国際電信電話株式会社(現KDDI株式会社)に入社。法人・個人向け営業を経験後、海外現地法人に出向し新規事業の立上げに参画。本社帰国後は、海外現地法人の業績管理及び事業戦略立案を担当。その後、創業2か月のスタートアップ企業での経験を経て株式会社グロービスに入社。入社後は法人部門にて人材育成・組織開発プロジェクトを担当する一方、外部での活動としてNPO法人の監事を務める。慶應義塾大学経済学部卒。法政大学大学院政策創造研究科修了。
◆KIBOW (https://kibow.jp/)
東日本大震災の3日後に始動した救援・復興支援プロジェクト「Project KIBOW」は、「希望」と「Rainbow」から命名しました。長期的に被災地を支援していきたいという想いから、2012年2月に一般財団法人化し、以下の活動を行ってきました。
現在は、被災地に限定せず、全国の「社会を変える」志を持った社会起業家たちに投資し、事業の規模化を支援する「社会的インパクト投資」を中心に活動しています。
1)「場」の提供(イベント)
被災地各地で、地域の復興を願う人たちが集まる「場」を作っています。地域の内外のリーダーたちが集まり、交流を生むイベントを定期的に開催しています。
2)寄付
これまで、約1500名以上の方々にご協力いただき集めた資金約1億円を、被災地で活動しているNPOや各地のリーダー達に提供しています。
3)社会的インパクト投資(KIBOW社会投資ファンド)
2015年9月にKIBOW社会投資ファンドを設立、これまで合計23社のスタートアップ企業に投資を行いました。現在は「KIBOW社会投資ファンド3号」(総額10億円)を運営し、未知・未解決の社会課題にも挑戦し、社会的インパクト投資を通じて社会課題の解決を加速させています。
【参考】
当ファンドおよび投資先企業の社会的インパクトに関するレポート「IMPACT REPORT 2025」
URL:https://glob.is/kibowimpactreport_2025
◆グロービス (https://globis.co.jp)
グロービスは1992年の設立以来、「経営に関するヒト・カネ・チエの生態系を創り、社会の創造と変革を行う」ことをビジョンに掲げ、各種事業を展開してまいりました。「ヒト」の面では、グロービス経営大学院に加え、スクール型研修や集合研修など法人向け人材育成サービスを展開するグロービス・コーポレート・エデュケーション、eラーニングや定額制動画学習サービス「GLOBIS 学び放題」などを提供するグロービス・デジタル・プラットフォームにより、リーダーの育成を推進しています。「カネ」の面では、ベンチャー企業への投資・育成を行うベンチャー・キャピタル「グロービス・キャピタル・パートナーズ」を運営、「チエ」の面では、出版事業ならびにオウンドメディア「GLOBIS 学び放題×知見録」を通じて知の発信を行っています。さらに社会における創造と変革を促進するため、一般社団法人G1によるカンファレンス運営、一般財団法人KIBOW による震災復興支援および社会的インパクト投資などの活動を展開しています。
グロービス:
学校法人 グロービス経営大学院
・日本語(東京、大阪、名古屋、福岡、オンライン)/英語(東京、オンライン)
株式会社 グロービス
・グロービス・エグゼクティブ・スクール
・グロービス・マネジメント・スクール
・企業研修
・出版/電子出版
・「GLOBIS 学び放題×知見録」/「GLOBIS Insights」
・「GLOBIS 学び放題」/「GLOBIS Unlimited」
グロービス・キャピタル・パートナーズ株式会社
顧彼思(上海)企業管理諮詢有限公司
GLOBIS Asia Pacific Pte. Ltd.
GLOBIS Asia Campus Pte. Ltd.
GLOBIS Thailand Co., Ltd.
GLOBIS USA, Inc.
GLOBIS Europe BV
GLOBIS Manila Inc.
PT. GLOBIS Indonesia Hub
GLOBIS Taiwan Co., Ltd.
GLOBIS Middle East (Commercial Representative Office)
GLOBIS India Private Limited
その他の活動:
・一般社団法人G1
・一般財団法人KIBOW
・株式会社茨城ロボッツ・スポーツエンターテインメント
・株式会社LuckyFM茨城放送
【取材に関するお問い合わせ先】
グロービス 広報室 担当:土橋涼、杉田友紀
E-MAIL: pr-info@globis.com