Story Text
◆ 2025年に日本市場へ投入した水熱源の排熱回収温水ヒートポンプ「ETI-W」の販売地域を海外へ拡大 ◆ 低温の排熱を活用し、最高90℃の温水を最大640kWの加熱能力で供給 ◆ 海外市場におけるサーマルソリューションの選択肢を広げ、高温水領域への対応を拡充
水熱源の排熱回収温水ヒートポンプ「ETI-W」
三菱重工グループの三菱重工サーマルシステムズ株式会社(社長:伊藤 喜啓、本社:東京都千代田区、以下、三菱重工サーマルシステムズ)は、2025年に日本市場へ投入した水熱源の排熱回収温水ヒートポンプ「ETI-W」(注1)の販売地域を海外へ拡大し、2026年10月から販売を開始します。未利用排熱の有効活用や熱利用の脱炭素化に対するニーズが世界的に高まる中、本製品を海外市場におけるサーマルソリューションのラインアップに加え、高温水領域への対応を拡充します。
「ETI-W」は、工場の生産過程などで発生する低温の排熱(熱源水)を回収し、ヒートポンプの原理により最高90℃の温水として再利用する排熱回収温水ヒートポンプです。最大640kWの加熱能力を備え、これまで十分に活用されていなかった排熱を高温水として有効に活用することができます。これにより、従来ボイラーなどが担ってきた高温水用途へのヒートポンプの適用範囲を広げます。
海外市場でも日本市場と同様に、電子機器、自動車、食品、化学、医薬品工場などにおけるプロセス用途のほか、商業施設や宿泊施設の暖房・給湯などへの展開を進めます。販売・サービス面では、ターボ冷凍機事業で構築してきた海外の販売・サービス体制を活用し、各地域で「ETI-W」の販売およびサービスを行います。顧客の排熱源の温度や熱量、必要な温水温度などの条件に応じ、本製品を活用した未利用熱の回収・再利用を含むサーマルソリューションを提案していきます。
冷凍機を有する施設では、冷凍機の冷却水が保有する熱を「ETI-W」で回収し、高温水として再利用するシステム構成も可能です。これにより、冷却設備から発生する排熱を温熱需要に有効活用し、エネルギー利用効率の向上につなげます。データセンターなど、冷却設備から継続的に排熱が発生する施設についても、排熱の温度や熱量などの条件が適合する場合には、本製品の熱源として活用し、暖房や給湯などの温熱需要に再利用することが可能です。
「ETI-W」には、三菱重工サーマルシステムズが長年にわたりターボ冷凍機で培ってきた遠心式圧縮機の技術を活用しています。冷媒の物性や高温水の供給に伴う高い圧縮比(圧縮機の吐出圧力と吸入圧力の比)に適した圧縮機の設計により、最高90℃の温水供給時にも、加熱時のCOP(注2)を4.01とすることを実現しました。また、インバータを機器本体に搭載するとともに、熱交換器の設計を最適化し、高い加熱能力とコンパクトなパッケージを両立しています。環境面では、低GWP(注3)の冷媒「HFO-1233zd(E)」を採用しています。
三菱重工グループは、生産活動に伴う自社工場などからのCO2排出量削減や、グループ製品の使用に伴う顧客側のCO2排出量削減などに取り組んでいます。同グループの一翼を担う三菱重工サーマルシステムズは、一般空調、工場空調、地域冷暖房などに多数のターボ冷凍機を供給してきました。今後も、ターボ冷凍機やヒートポンプなどの製品・技術を通じ、顧客の多様な熱需要に応じたサーマルソリューションを提供し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。
(注1) ETI-Wの日本市場向け投入について、詳しくは以下のプレスリリースをご覧ください。 https://www.mhi.com/jp/news/25100302.html
(注2) Coefficient Of Performanceの略。JIS規格に基づき算出する成績係数のことで、値が大きいほど省エネ性に優れます。
(注3) Global Warming Potentialの略称。CO2を1とした係数で、値が小さいほど環境性に優れます。