Story Text
日本の伝統建築の美しさと歴史的価値を未来へ遺すため、3Dスキャン技術を活用した現況保存図面の作成に取り組む株式会社吉匠建築工藝(本社:東京都八王子市、代表取締役社長:吉川宗太朗、以下「吉匠」)の代表取締役社長・吉川宗太朗氏が、2026年9月7日〜11日にイタリアのトリノ工科大学(Politecnico di Torino)で開催された国際会議〈第6回ヨーロッパ構造工学・建設会議(EURO SEC 6)〉にて共同論文2本を発表し、そのうち「デジタル技術による歴史的木造建造物の保存」が、全136件の発表の中から最優秀発表賞(Best Presentation Award)に選出されました。
左から 吉川輔良(吉匠 会長・棟梁)、原田敬美氏、吉川宗太朗氏(2026年9月9日 トリノ工科大学にて)
最優秀発表賞を受賞した論文「デジタル技術による歴史的木造建造物の保存」
AAE-09
Case Study on Utilizing Digital Technology for the Preservation of Historic Wooden Structures
(共著:原田敬美、上野拓、吉川宗太朗)
本論文は、3Dレーザースキャナーを用いて社寺建築を床下から小屋裏まで丸ごと計測し、取得した点群データから図面を起こすまでの実践を報告したものです。
木造の伝統建築は、長い年月の中で柱の傾きや部材の歪みが生じており、従来の図面ではそうした「今の姿」を描ききることができません。吉匠が特許を取得した独自の測量方法(特許第7674772号「建築物の測量方法」)では、歪みや傾きも含めた建物の現況をそのままデジタルデータとして記録し、将来の修理や、災害による被災時の再建に役立つ精緻な資料として遺すことができます。
宮大工自らが計測機器を持ち、建物の構造を熟知した視点で測量を行うという吉匠ならではの取り組みが、構造工学・建設分野の研究者が集う国際会議の場で高く評価される結果となりました。
9月8日の発表。原田敬美氏と吉川宗太朗氏
授与された最優秀発表賞の賞状
もう1本の発表論文「中世のお堂と、その原理を受け継いだ現代の寺院」
AAE-16
Characteristics of Medieval Buddhist Architecture and Contemporary Case Study Based on Medieval Architectural Principles
(共著:原田敬美、吉川宗太朗)
鎌倉時代のお堂と、その建築原理を受け継いで建てられた現代の寺院を比較した論文です。八百年前の建築の考え方が、現代の用途や耐震基準に応えながら今も生き続けていることを示しました。
伝統を守る「保存」と、伝統を活かす「新築」。今回発表した2本の論文は、社寺建築・文化財修理の現場に立つ吉匠の両輪の取り組みを、国際的な学術の場で示すものとなりました。
なお、2本の論文は査読を経て、ISEC Pressよりオープンアクセスで公開されています。
【AAE-09 論文PDFはこちら】
https://www.isec-society.org/ISEC_PRESS/EURO_SEC_06/pdf/AAE-09.pdf
【AAE-16 論文PDFはこちら】
https://www.isec-society.org/ISEC_PRESS/EURO_SEC_06/pdf/AAE-16.pdf
〈EURO SEC 6〉とは
開会式。各国の研究者が集まった会場
〈EURO SEC 6(The Sixth European Structural Engineering and Construction Conference)〉は、ISEC Societyが主催する、構造工学と建設分野の最新技術を各国の研究者が持ち寄る国際会議です。第6回となる今回は「Cutting-edge Technologies and Management in Structural Engineering and Construction」をテーマに、イタリア・トリノ工科大学を会場として5日間にわたり開催され、全136件の発表が行われました。
本会議で発表される論文は査読を経たもので、オープンアクセスの論文集に収録され、永続的に公開されます。
参加者全体の集合写真
共同研究者について
原田 敬美 氏
博士(工学)/技術士(建設)/一級建築士。東京都港区長を歴任し、設計と都市行政の両方に実務経験を持つ。株式会社エス・イー・シー計画事務所 代表取締役。
上野 拓 氏
宮大工。T&I 3D株式会社 CEO。
ルーマニアからトリノへ——国際学会での継続的な発信
吉川宗太朗氏は、2025年9月にルーマニアのトランシルヴァニア大学で開催された第17回バルカン地域の建築学会においても、原田敬美氏・上野拓氏との共同論文を発表しています。
また、米国Trimble社が主催する国際カンファレンス〈Trimble Dimensions〉にも通算3度登壇するなど、日本の伝統建築と最先端のデジタル技術を融合させた取り組みを、継続して世界へ発信してきました。
今回の最優秀発表賞の受賞は、こうした積み重ねが学術の場においても評価されたものであり、宮大工の技と3D技術による伝統建築保存の手法が、国際的な認知を一層広げる機会となりました。
【株式会社 吉匠建築工藝 代表取締役社長 吉川宗太朗 コメント】
このたび、トリノ工科大学で開催された国際会議において、全136件の発表の中から最優秀発表賞をいただけたことを大変光栄に思います。3Dスキャンによる計測は、図面では描ききれない、歪みも含めた建物の「今の姿」を記録し、未来へ遺すための手段です。この成果は、共同研究者の原田さん・上野さん、そして日頃から現場で業務に尽力してくれている社員の皆さんの取り組みに支えられたものです。今後も伝統の技と最新の技術を融合させ、日本の、そして世界の価値ある建築を後世に遺す活動を続けてまいります。
株式会社 吉匠建築工藝 について
株式会社 吉匠建築工藝は、社寺建築、文化財、祭り屋台、古民家、伝統的工法住宅の設計・施工・修理を行なっています。
昭和50年に八王子市で創業し、高い技術力で数多くの建物を施工してきました。
またNikon Trimble社の最新3Dレーザースキャナーを用いた最先端の3D点群測量を行っております。
日本建築の現況保存図面「群拓」を残す活動にも力を入れており、その功績については各種メディアでも取り上げられています。
株式会社 吉匠建築工藝のHPはこちら
https://www.yoshisho.com/
株式会社 吉匠建築工藝の公式インスタグラムはこちら
https://www.instagram.com/yoshisho_hachioji/
参考プロモーション動画はこちら
Trimble社 公式
https://www.youtube.com/watch?v=A4r8zOVnbZc&t=77s
Nikon Trimble社 公式
https://www.youtube.com/watch?v=32nVRVfvH2k
【会社概要】
社名:株式会社 吉匠建築工藝
本社所在地:東京都八王子市川口町3555
代表取締役:吉川宗太朗
事業内容:社寺建築、文化財、祭り屋台、古民家、伝統的工法住宅の設計・施工・修理
3D測量点群測量・モデリング
<報道関係の方からのお問い合わせ先>
株式会社吉匠建築工藝 PR担当:吉川宗太朗 TEL:042-654-6003 MAIL:info@yoshisho.com