新聞正文
【概要】
一般社団法人 日本私立大学連盟(東京都千代田区、会長:伊藤公平、以下「私大連」)は、令和7年9月〜10月に実施した「第17回学生生活実態調査」の集計・分析結果をまとめ、『私立大学学生生活白書2026』を発行いたしました。本調査は加盟116大学(令和7年当時)の学部学生を対象に実施した大規模調査です(回答者数6,732人)。修学支援新制度の開始など最新の法改正や環境変化を反映するとともに、私大連創立75周年を記念した特別企画では、約60年にわたる経年データを活かし、現代の私立大学生の意識と生活実態を多角的に明らかにしています。
【調査概要】加盟大学の学生実態を約60年にわたり捉え続ける定点調査
私大連では、加盟大学に在籍する学部学生の生活実態を把握するため、4年に1度「学生生活実態調査」を実施しています。今回は過去4回分の時系列比較を中心に、「進学目的・理由/充実度/期待」「経済」「ライフ(大学生活)」「正課教育」「正課外活動」「不安・悩み」「進路・就職」「身についたこと」など全8章構成で分析を行いました。
調査対象 加盟116大学の全学部学生数の5%にあたる 47,054人
回収結果 6,732名(有効回収率 14.3%)
新規設問 修学支援制度の導入に対応し奨学金等の選択項目を再検討。
新たに「学業と就職活動の両立状況」を質問項目に追加。
テーマ1:奨学金制度の浸透状況と評価
約5割の学生が何らかの奨学金や国の修学支援制度を利用(右図、白書P2)。返済負担感は減少傾向にあるものの、依然として6割超の学生が負担を感じている実態が浮き彫りとなりました。しかしながら、利用率の上昇や自身の経済状況の判断が好転傾向にあることを踏まえれば、奨学金制度が全体に浸透しつつあり、一定の効果が認められるといえるのではないでしょうか。
テーマ2:就職活動と学業の両立
4割弱の学生が「就職活動と学業の両立」に対してポジティブではない反応(難しさや負担感)を示しており、早期化・長期化する就活が学業に与える影響が懸念されます(右図、白書P4)。また、就職活動との両立ができていると感じている学生ほど、「大学生活で身についた力」でより多くの項目を回答していることからは、大学での学びの充実が就職活動へ良い影響を与えているともいえるかもしれません。
テーマ3:実利志向の増加と「大学の手段化」の進行
大学進学の目的として「友人を得る」「人間性の涵養」などの回答が低下傾向を示す一方、「就職に役立つ専門知識・技術をきちんと出席して獲得する」において上昇傾向がみられることから、学生の実利志向が強まっており、“大学の手段化”が進んでいるとも考えられます(右図、白書P6)。このような学生の価値意識の変化の中、私立大学の在籍満足度は着実に向上してきたといえる一方で、大学として交流や人格涵養を今一度訴求する余地があるとも考えられます。
テーマ4:コロナ禍の影響からの回復と生活変化
「自宅での自習時間」が大幅に減少した一方、「キャンパス滞在時間」は2時間以上増加。授業への満足度、課外活動への参加率、心身の状態も上昇傾向にあり、対面を中心とした大学生活への回帰が見られます。「現在の関心事」において「クラブ・サークルの活動」がコロナ禍の減少から目立って上昇に転じたこと、「パソコン・インターネット・SNS・ゲーム」が減少していることも、コロナ禍の学生生活からの脱却を示す傾向といえます。
【私大連創立75周年巻末特別企画】
「第1回学生生活実態調査から現在へ~学生生活の変化を辿る~」
令和8年度に私大連が創立75周年を迎えるにあたり、1967年の第1回実施から約60年間に及ぶ蓄積データを横断分析。昭和・平成・令和の時代とともに変化してきた学生の経済状況、進路意識、キャンパスライフの変遷を辿る特別企画です。
■媒体情報
誌名:『私立大学学生生活白書』
発行:一般社団法人 日本私立大学連盟
仕様:【A4判 / 86ページ】
ダウンロード:https://www.shidairen.or.jp/topics_details/id=4900