新聞正文
一般社団法人全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)が主催する「第50回ピティナ・ピアノコンペティション 特級」の最終審査となる「特級ファイナル」が、2026年8月21日(金)、サントリーホール 大ホール(東京)にて開催された。 毎年全国から約3万人が参加する、世界最大級のピアノコンクール「ピティナ・ピアノコンペティション」。 その最高峰に位置する「特級」のファイナルでは、各審査を勝ち抜いた4名のファイナリストが、太田弦氏の指揮、日本フィルハーモニー交響楽団との共演でピアノ協奏曲を披露した。 審査の結果、第50回の節目となる2026年度特級グランプリに、西山響貴さん(東京都出身/桐朋学園大学院大学1年)が選出された。
演奏順の最後に登場した西山さんは、ショパン《ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21》を演奏。 オーケストラとの共演によるファイナルの舞台で、第50回特級グランプリの栄冠を手にした。 西山さんは東京都西東京市出身の24歳。 東京都立武蔵高等学校を経て、東京大学文学部美学芸術学専修課程を卒業した異色の経歴をもつ。 ピティナ特級では4年連続で二次予選に進出し、今回初めてファイナルへ進出。 初のファイナルの舞台で、見事グランプリに輝いた。 左から三井柚乃さん、山﨑夢叶さん、西山響貴さん、沢田蒼梧さん122名の挑戦から、4名のファイナリストへ2026年度の特級には122名がエントリー。
書類選考・予備審査・一次予選を経て21名が二次予選へ進出し、シード3名を加えた計24名が二次予選の舞台に立った。 7月25・26日の二次予選で24名から11名、7月29日の三次予選で11名から6名に絞られ、8月18日に第一生命ホールで開催されたセミファイナルへ進出。 セミファイナルでは、6名が45~55分のソロプログラムに加え、ベートーヴェン《ピアノ三重奏曲第4番 変ロ長調 Op.11「街の歌」》第1楽章による室内楽課題、さらに三次予選終了後に楽譜が発表された金田望氏への委嘱による邦人新曲課題に挑んだ。
ソロの演奏力だけでなく、プログラム構成力、短期間で新曲を仕上げる力、共演者と音楽をつくる力など、ピアニストとしての総合力が問われる審査を経て、三井柚乃さん、沢田蒼梧さん、山﨑夢叶さん、西山響貴さんの4名がファイナルへの切符を手にした。 ファイナルでは、三井さんがラフマニノフ《ピアノ協奏曲第2番》、沢田さんがチャイコフスキー《ピアノ協奏曲第1番》、山﨑さんがベートーヴェン《ピアノ協奏曲第3番》、西山さんがショパン《ピアノ協奏曲第2番》を演奏した。
2026年度ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ 西山響貴さん2026年度 ピティナ・ピアノコンペティション特級 最終結果グランプリ西山 響貴(にしやま・ひびき/桐朋学園大学院大学1年/東京都出身)銀賞山﨑 夢叶(やまざき・ゆうと/東京藝術大学4年/千葉県出身)銅賞沢田 蒼梧(さわだ・そうご/名古屋大学医学部医学科卒/愛知県出身)入選三井 柚乃(みつい・ゆの/昭和音楽大学附属ピアノアートアカデミー/愛知県出身)聴衆賞第1位 沢田 蒼梧オンライン聴衆賞第1位 沢田 蒼梧ピティナ・ピアノコンペティション結果ページ:https://compe.piano.or.jp/result/2026/20.htmlセミファイナル・ファイナル審査員■海外招聘審査員バルバラ・シュチェパンスカ(若いピアニストのためのシューマン国際ピアノコンクール芸術監督、元デュッセルドルフ・ロベルト・シューマン音楽大学教授)グラハム・スコット(英国王立北部音楽大学教授)チェ・ヒヨン(ジョンズ・ホプキンス大学ピーボディ音楽院教授)■審査員有吉亮治(桐朋学園大学教授)岩村力(指揮者、兵庫芸術文化センター管弦楽団レジデント・コンダクター)上原彩子(東京藝術大学准教授)武田真理(東京音楽大学客員教授)田部京子(桐朋学園大学院大学教授)中村聡武(株式会社テンポプリモ代表取締役)野口千代光(東京藝術大学教授(ヴァイオリン))若林顕(東京音楽大学特任教授、桐朋学園大学特任教授、国立音楽大学招聘教授)グランプリ・西山響貴 プロフィール2026年第50回ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ。
併せて文部科学大臣賞受賞、スタインウェイ賞受賞。 東京都出身。 東京都立武蔵高等学校を経て、東京大学文学部美学芸術学専修課程卒業。 5歳よりピアノを始める。 ピティナ・ピアノコンペティションB・C級金賞、E級ベスト賞、Jr. G級・G級全国大会入選ほか。 全日本学生音楽コンクールピアノ部門小学校の部東京大会第1位、中学校の部東京大会第1位、全国大会第3位。 ショパン国際ピアノコンクールin ASIAソロアーティスト部門アジア大会金賞及びソリスト賞。 2019年、モーツァルテウム音楽大学夏期講習会に参加し、ディーナ・ヨッフェ氏のクラスで学ぶ。 室内楽やオーケストラ、合唱伴奏などさまざまな編成での演奏に積極的に取り組む。
これまでにピアノを若尾佳代、椎野伸一、大野眞嗣の各氏に師事。 現在、桐朋学園大学院大学1年在学中。 ピアノを田部京子、山本貴志、室内楽を銅銀久弥の各氏に師事。 半世紀の歴史を刻む、第50回記念大会「特級」は、ピティナ・ピアノコンペティションの最高峰に位置する、年齢制限のない部門。 1977年の創設以来、国内外で活躍する多くのピアニストを輩出してきた。 第50回を迎えた今年は、ファイナル終了後、表彰式に先立ちピティナ・コンペティション第50回記念セレモニーを開催。 歴代特級グランプリ14名が登壇し、2018年度グランプリの角野隼斗らがスピーチを行った。
あわせて今年度は、グランプリ本賞150万円に加え、「特級寄付基金」による活動支援金120万円、第50回記念「福田賞」100万円など、若いピアニストのその後を支える褒賞も拡充した。 第50回ピティナ・ピアノコンペティションファイナリスト、審査員、セレモニーに登壇した歴代グランプリピティナ創立60周年記念式典を開催特級ファイナルと同日の8月21日(金)、ANAインターコンチネンタルホテル東京にて「ピティナ創立60周年記念式典」ならびに「第50回ピティナ・ピアノコンペティション全国大会祝賀会」を開催した。
式典では、会長・立石文雄による開式の辞、専務理事・福田成康による「感謝の辞・60年の歩みとこれから」に続き、長年にわたり協会の発展に尽力した方々への感謝状を贈呈。 60年の歩みを振り返るとともに、次の時代に向けた思いを共有した。 その後の全国大会祝賀会では、指導者賞・新人指導者賞、A1~F級コンプリート賞の表彰や全国大会進出者の披露、ヒノキ賞・あすなろ賞、東京都知事賞の表彰を行い、全国から集まった指導者・関係者とともに、創立60周年とコンペティション第50回という節目を祝った。