株式会社NTTファシリティーズ(本社:東京都港区 代表取締役社長 川口 晋 以下、NTTファシリティーズ)は、データセンターの申請・設計・建設にかかる期間を大幅に短縮する新たな建築手法として、建物および設備をモジュール化し、工場で生産した部材を現場で組み立てて構築する(プレファブリシケーション)データセンター建築手法の開発に着手しました。設計から建設に至るまでのプロセスを標準化することで、ハイパースケーラー向けの数十~数百MW級の大規模データセンターの申請・設計から施工までの期間を従来比で最大約50%削減します。*1 図1:データセンターモデル「Hyper Ready Module™」イメージパース 概要 近年、生成AIの普及やICTサービスの高度化を背景に、データセンターの需要は急速に拡大しています。一方、日本国内におけるデータセンターの建設は、設計開始から竣工まで3年~4年を要するケースが多く、データセンターの設計・建設期間の長期化が課題となっています。 その要因として、日本特有の地震リスクに対応した建築基準法に基づく諸手続きや自治体条例への対応に加え、建設業界における担い手不足などが挙げられます。加えて、昨今ではITサーバーの性能向上が飛躍的に進んでおり、設計から竣工までの期間にサーバー仕様が大きく変わるため、データセンター設計の仕様変更や再検討が多く発生することも要因の1つとなっています。 こうした課題を受け、NTTファシリティーズは、建築構造から設備全体を可能な限りモジュール化し、工場生産した部材を現場で組み立てて構築する(プレファブリシケーション)データセンターモデル(Hyper Ready Module™)(*2)の開発に着手しました。本モデルでは、設計から建設に至るまでの全てのプロセスを標準化することで、ハイパースケーラー向けの大規模データセンターにおいて、申請・設計期間を1年、建設工期を1年とし、プロジェクト全体の期間を約2年で実現できると想定しています。*1 図2:データセンターモデル「Hyper Ready Module™」標準モデルイメージ 設計・工期短縮に向けた主な取り組み 1.建築のモジュール化(システム建築の採用) 設計および建設工期の短縮に向け、NTTファシリティーズは日鉄エンジニアリング株式会社(本社:東京都品川区 代表取締役社長 石倭 行人 以下、日鉄エンジニアリング)と基本合意書を締結し、システム建築工法を用いたモジュール型データセンターの標準化および短工期の実現に向けた検討を開始しました。 本モデルでは、建物を構成する5つの主要部材(基礎、擁壁、鉄骨、外壁、屋根)をモジュール化し、あらかじめ工場で生産することで工期短縮を図ります。さらに、主要な空調・電気設備機器を屋外に配置し、建物を低層化(1~2階建程度)かつ軽量化することで、建物部分は高耐震構造としながら、主要設備を制振化し、ITサーバーが設置されるデータホールの床部分を免震化(床免震)する免制振ハイブリッド構造を採用しています。免震建物相当のBCP性能を維持した上で建物全体を免震構造としない構成とすることで、構造評定や大臣認定などの各種申請期間、免震・基礎工事に要する期間が短縮・省略され、申請・設計期間を1年、建設工期を1年という短工期化を実現します。 図3:免制振ハイブリッド構造による工期短縮 2.設備のモジュール化 近年のITサーバーの高性能化・高発熱化に伴い、空調用冷水配管や電気配線用バスダクト、配線ラック等の配管・配線量の増加および重量化が進んでいます。これらを上部床スラブから吊って支持する従来方式では、特に階高の高いデータセンターにおいて、耐震性や施工性の面での課題が顕在化しています。 本モデルでは、これらの課題に対応するため、メインフレームとなる主要構造部に加えて、設備耐震用のサブフレーム(配管・配線を支持するフレーム、通称「ぶどう棚」)をあらかじめ構築するとともに、空調用配管や電気配線を工場でユニット化し現場で組み立てるDfMA手法(*3)を採用しています。リフターを使用して上部作業を極力減らすことで、設備工程のプレファブリシケーションを推進し、効率化を図ります。また、電源系設備についてもユニット化(コンテナPTU化)(*4)することにより設備工事全体の短工期化を実現します。 図4:設備耐震用サブフレームと空調用配管や電気配線のユニット化(DfMA手法の採用) 3.ITサービスを止めないレジリエンス設計(PML10%未満×ダウンタイムの最小化)*5 本モデルは、地震リスクに対する高い信頼性の確保を目的として、レジリエンス設計に取り組んでいます。具体的には、日本データセンター協会(JDCC)が定めるファシリティスタンダー