j.union株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:吉川政信)は、筑波大学働く人への心理支援開発研究センターの学術的知見を取り入れながらまとめた埼玉学園大学教授・原恵子氏(働く人への心理支援開発研究センター客員研究員)らとの事例検討を通じて、労働組合がキャリア支援の担い手となる可能性について検証しました。 その結果、労働組合によるキャリア支援は、組合員の自己理解や主体的なキャリア形成を支えるだけでなく、組織課題の把握や組合と組合員の関係強化にもつながる可能性が示されました。 当社では、これらの研究成果と全国28労働組合・延べ867名への支援実績をもとに、組合役員向け実践講座「組合役員のためのキャリア支援実践講座 ~ネウボラ塾~」を2026年10月より開講します。 ■なぜ、今労働組合によるキャリア支援なのか 人的資本経営やキャリア自律への関心が高まるなか、企業では従業員のキャリア形成を支援する取り組みが広がっています。 一方で、キャリアに関する悩みは、異動や昇進といった仕事上の課題だけでなく、家庭との両立や将来への不安など人生全体に関わるテーマへと広がっています。 こうしたテーマを相談しようとしても、会社が用意するキャリア支援サービスでは、人事評価や上司との関係を意識するあまり、本音で相談しづらい場合もあります。 こうした状況のなか、組合員に寄り添いながら個人の課題と組織の課題の双方に向き合う労働組合が、キャリア支援の担い手として果たせる役割に注目が集まっています。 そこで今回の事例研究では、「労働組合がキャリア支援を担う意義とは何か」を明らかにするため、キャリア面談施策の企画者・組合役員・キャリア支援者(国家資格キャリアコンサルタント)計17名へのインタビュー調査を実施しました。 ■労働組合によるキャリア支援にはどんな価値があるのか ▶事例研究(調査対象:組合役員・施策企画者・キャリア支援者) 事例研究を通じて、インタビューを受けた方たちが「労働組合によるキャリア面談」に価値を共通して感じていることがわかりました。 【1】相談者が主体となる支援体制 支援者が答えを与えるのではなく、相談者自身が考え、自らの言葉で整理することが重視されていました。 【2】仕事だけではなく人生全体を扱う支援 キャリアだけでなく、家庭や将来設計を含めた人生全体を視野に入れて対話が行われていました。 【3】「本音を話しやすい」第三者的な立場 評価や異動の判断から一定の距離を置いた立場だからこそ、本音を話しやすい環境につながっていることが語られました。 また研究では、キャリア支援を通じて、 ・キャリア形成への不安 ・制度運用上の課題 ・働き方に関する悩み ・職場環境への問題意識 などが把握される可能性も示されました。 組合役員からはこうした声を集約することで、労使協議や制度改善提案など組織課題への対応につなげられる可能性も指摘されました。 ▶「ネウボラ」利用者調査(調査対象:組合員) では、実際こうしたサービスを受ける側の組合員はどう感じているのでしょうか。 当社が提供するオンラインキャリア面談サービス「ネウボラ」において実施した利用者調査(n=235)では、キャリア相談後の変化として「自分の感情や考えが整理できた」が50.2%で最も多く、「自分がいま何を問題にしているのか分かった」(38.7%)、「自分を客観的に見られるようになった」(32.8%)が続きました。 キャリア相談後に感じた変化(n=235) また、面談の満足度については、「満足」が61.7%、「やや満足」が31.9%となり、満足・やや満足の合計は93.6%となりました。 面談の満足度(n=235) これらの結果から、キャリア支援はアドバイスや解決策の提示だけでなく、対話を通じて自身の考えや課題を整理する機会そのものが重要な役割を果たしていることがうかがえます。 つまり、組合役員・施策企画者・キャリアコンサルタントが意図する「組合によるキャリア支援」施策は、組合員にとっても有益な機会になっているということが読み取れます。 ■研究と実践から見えてきた「労働組合×キャリア支援」の課題 利用者調査では、対話を通じたキャリア支援が自身の考えや課題の整理につながっていることが分かりました。 一方、事例研究内では労働組合におけるキャリア支援の課題について「施策浸透の難しさ」が指摘されていました。実際に労働組合の現場からも ・キャリア自律支援に取り組みたいが具体的な進め方が分からない ・組合役員による相談対応が個人の経験やスキルに依存している ・組合員の成長支援や組織価値向上につながる活動を模索している といった相談も増えています。 ■研究成果と実践知見をもとに「ネウボラ塾」を開講 j.union