株式会社博報堂DYホールディングス(本社:東京都港区、代表取締役社長:西山泰央、以下博報堂DYホールディングス)は、AIエージェント時代の広告配信基盤を構築する人間認証型アドネットワーク事業を行う新会社「株式会社Ads for Humanity(以下Ads for Humanity)」を設立しました。 Ads for Humanityは、サム・アルトマン氏、マックス・ノヴェンスターン氏、アレックス・ブラニア氏によって共同発明された人間認証技術「World ID」*¹を活用し、ユーザーの個人情報を保護しながら、AIやボット・クローラーを排除して人間にだけ広告を配信する広告商品「Human-Verified Ad」の販売を本日より開始いたします。World IDは氏名やメールアドレスなどの個人情報を一切共有することなく、オンライン上で自分が本物の、固有の人間であることを証明できるものです。 ■ 設立の背景:AIエージェントの普及がもたらす広告業界の構造変化 デジタル広告における広告費の不正詐取(アドフラウド)被害額は、国内では2024年に約1,510億円*²、グローバルでは約13兆円規模にのぼると推計され*³、業界の信頼性を脅かす構造的課題となっています。 近年、AI技術の進化によりこの問題は深刻化しています。従来のボットは、プログラムされた動作を機械的に繰り返すため、検知が可能でしたが、最新のAIエージェントは文脈を理解し、商品の比較検討から広告クリック、フォーム入力までを人間と区別がつかない形で自律操作するようになっています。また、かつてボットの構築には高度な専門知識が必要でしたが、AIの民主化により、誰もが高度なエージェントを運用できるようになり、以下の様な二つの問題点が出てきています。 その一つは、アドフラウドの被害拡大です。人間と見分けのつかない高度なボットを誰もが容易に運用できるようになり、不正な広告接触の排除がますます困難になっています。 もう一つは、広告の配信と効果測定の仕組みそのものが機能不全に陥るリスクです。AI検索やAIエージェントによる非人間トラフィックの増加は、広告を人間に届けることが難しくなるだけでなく、行動データやクリックなどの広告効果に関するデータに、人間以外の行動を混入します。人間と非人間が入り混じったデータは生活者の実態を正確に表さず、これを学習した配信アルゴリズムは誤った方向へ最適化を重ね、広告成果はかえって低下しかねません。 こうした状況に対し、博報堂DYグループは2025年に博報堂がWorld IDの開発・提供を行うTools for Humanity CorporationおよびLG Electronics Inc.と共同で、人間のみに広告を配信するアドネットワーク「Human-Verified Ad Network」の実証実験を実施しました*⁴。食品、化粧品、家電、旅行、教育などの広告主10社、3,500人超のユーザーが参加し、従来型のWeb広告と比較してCTR(クリック率)は約10倍に向上、直帰率は約15ポイント改善するなど、高い広告効果を確認しました。 実証実験の成果を受け、博報堂DYホールディングスは人間認証型アドネットワーク事業を本格推進するため、新会社Ads for Humanityを設立しました。博報堂DYグループが擁する広告主・媒体社ネットワーク、アドテクノロジー基盤、クリエイティブ、グループ横断のセールス体制を集約し、AIエージェント時代の業界基準となる広告配信基盤の構築にグループを挙げて取り組みます。 ■ 事業概要および提供サービス Ads for Humanityは、World IDの人間認証技術とLG Electronics Inc.のブロックチェーン技術を基盤とした、人間認証型アドネットワーク「Human-Verified Ad Network」を運営します。 【「Human-Verified Ad Network」の特徴】 ・人間限定の配信:広告配信対象を人間認証されたユーザーのみに限定することでAIエージェントやボットによる不正な広告接触を排除します。 ・改ざん不能な配信記録:すべての配信実績はブロックチェーンに記録され、改ざん不可能なエビデンスとして保存。広告主は、自社広告が人間認証されたユーザーに対して配信されていることを検証できます。 本アドネットワークの広告商品「Human-Verified Ad」は、株式会社Hakuhodo DY ONE独自の次世代型マーケティングソリューション「WISE Ads」*⁵を通じて配信されます。ディスプレイ広告、インフィード広告、動画広告に対応可能です。今後は、サービス事業者との連携を通じた認証ユーザーの拡大と、媒体社