株式会社文藝春秋(東京都千代田区 社長:飯窪成幸)は、ブレイディみかこさんの書き下ろしの新著『それはどこでも起こり得る 壊れゆく世界への抵抗』を7月15日に発売します。 ベストセラー『他者の靴を履く』(文藝春秋刊)から5年ぶりとなる本格的な人文書である本作は、「責任の階級闘争」という視点にはじまり、欧州でいま大きな問題となっている、極中、クラス・シーリング、テクノ大衆、リマイグレーション(移民の強制送還)……などの言葉から社会の深層を読み解いた書です。 今、西洋で起きていることはすぐそこにある日本の姿かも知れない、という強い危機感から生まれた本書は、急速に右傾化する世界の潮流の中で、様々な社会的バイアスを解きほぐし、いま私たちは何を考えるべきか深い思考へといざなう革新的な一冊です。 ■対岸の火事ではない、現代社会を読み解くキーワード 世界中で分断が深まり、右派ポピュリズムや排外主義が台頭する昨今、イギリス在住30年となる著者は、移民の当事者として社会の変化をダイレクトに感じつつ、いま欧州で起きている事象は日本を含め「どこでも起こり得る」ことを、現在の政治・社会問題を象徴するキーワードを軸に、多角的に掘り下げていきます。 ・「自己責任」という言葉に隠された「責任の階級闘争」 ・イデオロギーなき「極中」政治と右派ポピュリズムの台頭 ・「身の程を知る」という呪いと「クラス・シーリング」の真実 ・欲望を支配するプラットフォームと「テクノ大衆」の誕生 ・抵抗か国畜か? 「リマイグレーション」の政治に抗う……etc. 混迷の社会における危機の本質をあぶり出すのみならず、ブレイディさんは、他者を支配する「~に対する力(power over)」ではなく、自ら行動する「~の力(power of)」を高め、とことん話し合って他者と「折り合いをつける」重要性を説きます。前著『他者の靴を履く』で、意見の異なる他者を理解する力「エンパシー」を説いた著者が、「個の力」を取り戻し、他者と共有する力(power with)がいかに有効な抵抗線になるか、新しい希望の人文知を示します。 ブレイディみかこ氏(ブライトンにて)Photo: Shu Tomioka ■著者・ブレイディみかこさんからのメッセージ いまという時代のキーワードになっている言葉について考え、それがなぜ人々の口に上るようになっているのか、政治的・社会的な背景を探ってることを試みた久しぶりの書き下ろし本です。自分たちだけは、ここだけは大丈夫ということはもうない時代です。この本に出てくる言葉は、どこの国でも語られるようになる。それはどこでも起こり得るのです ■著者プロフィール ブレイディみかこ 1965 年福岡県福岡市生まれ。96 年から英国ブライトン在住。ライター、コラムニスト。2017 年、『子どもたちの階級闘争』で新潮ドキュメント賞、19 年『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』でYahoo! ニュース|本屋大賞2019年ノンフィクション本大賞、毎日出版文化賞特別賞などを受賞。他の著書に『労働者階級の反乱』『女たちのテロル』『ワイルドサイドをほっつき歩け』『ブロークン・ブリテンに聞け』『他者の靴を履く』『両手にトカレフ』などがある。 ■刊行記念特別トークイベントも決定! ゲストはeriさん 本書の刊行を記念して、デザイナー&アクティビストのeriさんをゲストに、特別トークイベントを行います。憲法改正・軍拡をめぐって揺れ動く日本で、近年の国会前デモを牽引し、若い世代から大きな支持を集めるeriさんと、最新の欧州情勢から“地べた”から始まる「抵抗」のかたちまで、縦横無尽に語り合います。 ■イベント詳細 『それはどこでも起こり得る』刊行記念 ブレイディみかこ×eri 「“壊れゆく世界”で声を上げる」 日時 8月25日19時~ 場所 代官山蔦屋書店 詳細 https://eventmanager-plus.jp/get/e66aaec9fd5cc966b5a43c0ab1d8622a5ea1f889bc18592c5c1d4ac52f00ee73 ■ゲストプロフィール eri(えり) 1983年ニューヨーク生まれ東京育ち。デザイナー/アクティビスト。2004年に自身のブランドを設立後、2015年から父が創業したヴィンテージショップ「DEPT」をリスタート。2020年頃から地球の環境問題や気候危機に対する意識を深め、アクティビストとしての活動も開始。市民グループ「WE WANT OUR FUTURE」の運営に携わりつつさまざまな市民運動アクションやデモを企画している。現在は各地を飛び回り、伝統的なものづくりや手仕事を目下勉強中。ヴィンテージや自然素材、世界各国のハンドクラフトピースなどを使い作品