不動産情報サービスのアットホーム株式会社(本社:東京都大田区 代表取締役社長:鶴森 康史 以下、アットホーム)は、「AIで間取り図を解析! 新築戸建のエリア別特徴」の調査結果を発表いたします。 本調査では、通常の物件情報の分析に加え、アットホームラボ株式会社(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:大武 義隆 以下、アットホームラボ)の間取図特徴抽出AIモデル(特許取得済み)を用いた約4,000枚の間取り図解析結果を反映し、東京23区・北海道・福岡県それぞれのエリアの気候や生活習慣を踏まえた新築分譲戸建の間取りの傾向をまとめています。 【解説】アットホームラボ株式会社 執行役員 データマーケティング部 部長 磐前淳子 AI間取り図解析で見えた地域ごとの住まいのかたち 間取りには、その地域の暮らしが反映されています。本レポートでは、アットホームラボの間取図特徴抽出AIモデルを用いて、新築分譲戸建の特徴を可視化しました。 東京23区では、土地価格の高騰による敷地面積の制約を背景に、3階建て住宅でリビングを2階あるいは3階に配置した間取りが主流です。一方、寒冷地である北海道では、水回りに窓を設けない、バルコニーを設置しないなど暖房効率を意識した間取りが見られます。福岡県では、土地の広さを活かした平屋や和室のある住宅が多いなど、南北に広がる日本ならではの住まいの特徴の違いが表れました。 <階建ての特徴> 東京23区は3階建てが過半数、北海道・福岡県では平屋が増加傾向。 3エリアの物件の階建て割合を見ると、東京23区では3階建てが54.0%を占め、主流となっていることが分かります。東京23区は他2エリアに比べて土地面積が小さい一方で、建物面積には大きな差が見られません。居住空間を確保するために、3階建てが採用されていると考えられます。 一方、北海道と福岡県では2階建てが主流であるものの、平屋の割合も増加傾向にあります。全般的に九州地方では平屋が多いですが、福岡県でも郊外エリアで多くみられ、全体の8.9%を占めています。背景には、比較的広い土地を確保しやすいことに加え、台風などの自然災害に備えた低層住宅の安心感や、高齢化を背景とした階段のないワンフロア住宅への需要の高まりがあると考えられます。 <間取りの配置方位> リビングは3エリアとも南側配置が最多。東京23区では北側も約3割。 間取り図に記載された方位情報を元に、各階の中心位置から見たリビングの配置方位を解析したところ、全エリアで南側(南東・南西含む)が最多となりました。ただし、南側配置の割合には地域差があり、北海道および福岡県では6割以上を占める一方、東京23区では43.7%と半数を下回り、北側(北東・北西含む)の配置は約3割にのぼりました。背景には、狭い土地を細かく区画割りすることで住宅が密集し、南側にリビングを配置しにくいことが要因にあると考えられます。 各エリアの間取り特徴 【東京23区】 ※WIC=ウォークインクローゼット <プロが解説> 土地の狭さや住宅の密集度に対応した3階建ての間取り 東京23区では、建物が密集し、住宅用地として確保できる土地が限られていることに加え、地価も高いため、建物を縦方向に伸ばす3階建て住宅が主流となっています。 3階建てでは、1階に駐車スペースや、洗面・浴室などの水回りを集約するケースが多く、リビングが配置されることはほとんどありません。都市部では敷地が狭く隣家との距離も近いため、採光や風通しを確保しやすい2階にリビングを配置する傾向が見られます。また、2階リビングにすることで、限られた面積の中でもリビングやキッチンの広さを確保していると考えられます。また、各居室は他エリアと比べて狭く、サービスルーム(納戸)も書斎などとして利用されるケースが多くなっています。 【北海道】 ※WIC=ウォークインクローゼット SIC=シューズインクローゼット ※風除室:外気の侵入を防ぎ室温を保つため、建物の玄関前に設置されるガラス張りの空間。玄関フード。 <プロが解説> 寒冷地に適応した、暖房効率を重視した間取り 北海道では1階にリビングを配置し、リビング内に階段を設ける傾向があります。また、他エリアと比べてトイレや浴室などの水回りに窓がないケースや、バルコニーを設けない住宅も多く見られました。北海道の住宅は高断熱・高気密仕様が多いなど、暖房効率の良さが重視されるため、これらも住宅全体の温度差を小さくする工夫と考えられます。さらに、トイレを複数設ける住宅は半数と、他エリアよりも少ない傾向が見られました。また、玄関に風除室を設けるなど、外気との接触を抑える工夫も北海道の分譲戸建に見られる特徴です。 【福岡県】 ※WIC=ウォークインクローゼット SIC=シューズイ